2023年8月、トヨタの新型ランドクルーザー「250」が全世界に公開された。従来型のプラドに代わる250はどこがスゴいのか? その内容やランクルの歴史、これからの展望などを見ていくことにしよう。
文/長谷川 敦、写真/トヨタ
とことん質実剛健!! ランクル伝説の立役者「ランドクルーザー 250」がヤバい!!!
ランクル250のテーマは「原点回帰」
2023年8月2日に行われたワールドプレミアでお披露目された新型ランドクルーザー 250は、ステーションワゴンの300シリーズと共通プラットフォームを採用
国産大型クロスカントリーモデルの代表格にあった“ランクル”ことトヨタ ランドクルーザーとランドクルーザー プラド。本流のランドクルーザーに対するライトモデルとして存在していたのがプラドだった。
2022年あたりから、そんなランドクルーザー プラドのモデルチェンジは2023年夏だというウワサが出始め、その時点での最新型プラドの登場が2009年だったので、次のモデルチェンジは久々かつ大型のものになるとも囁かれていた。
ウワサどおり、ランドクルーザー プラドのモデルチェンジが発表されたのが2023年8月だったが、その発表には、「プラド」のサブネームがなくなるという衝撃的なニュースが含まれていたのだ。
新たに発表された新型250は、ランドクルーザーのフラッグシップモデルである300系と同じGA-Fプラットフォームを採用し、ハイレベルな悪路走破性を実現している。トヨタが250のテーマを「原点回帰」という理由のひとつがコレ。
これまでのように“都会派のランクル”といった位置づけのプラドではなく、より質実剛健なランクルのバリエーションであることを強調するための名称変更であると推測される。
新生250では、従来同様のガソリン&ディーゼルエンジン車に加えてランクルシリーズ初のハイブリッドモデルがラインナップされていることもポイントのひとつ。
ハイブリッドモデルでは2.4リッター直4ターボにオフロード走行も考慮された電動モーターが組み合わされ、最大出力は330psを誇る。このハイブリッドモデルがランクル250のフラッグシップとなるが、日本市場への導入は未定だという。
丸目と角目の2モデルが用意されるのも250の特徴だ。丸目モデルはランドクルーザーの正統派ともいうべき顔つきで、角目はモダンな印象を与える。
フロントバンパー回りのパーツはハードなオフロード走行に対応して容易に交換が行える。同時に丸目から角目、あるいはその逆へのコンバートが可能な設計となっている点にも注目したい。
破損による交換だけでなく、数年乗った後に顔つきを変えてリフレッシュといった楽しみ方もできる。
ランクル プラドとはどういうクルマだったのか?
初代ランドクルーザー プラド。それ以前のモデルはランドクルーザー ワゴンと呼ばれていたが、1990年にプラドの名称を得てランクルの本流から分岐していった
プラドの起源は1984年にデビューしたランドクルーザー ワゴンにある。同年にランドクルーザーのモデルチェンジが行われたが、この際に5ナンバーサイズのワゴンも販売が開始された。
タフなイメージの本家ランクルよりも一般道での使い勝手を高めたワゴンは新たな使用者層の開拓に成功し、後にプラドに改称されて独立したシリーズになった。
プラド初のモデルチェンジが行われたのは1996年だが、当時の日本国内ではRV(レクリエーショナル・ビークル※後のSUV)ブームであり、三菱 パジェロや同じトヨタのハイラックスサーフなど、ライバルに相当するモデルも存在していた。
パジェロよりも都会的であり、日常使用にも適していた2代目プラドは人気を集め、このジャンルでは先行していたパジェロの販売台数を上回ることさえあった。2代目プラドはルックスもパジェロを意識しているといわれたが、後期型ではオリジナル感を強めている。
1990年代のRVブームでは、トヨタのRAV4やホンダ CR-Vなど、比較的ライトテイストのモデルも人気を集めていた。ランクルのライト版とはいえ、これらのクルマに比べるとプラドはより本格的なクロスカントリーモデルであり、RVブームのなかにあっても独自の地位を築いていた。
3代目プラドは2002年に登場し、4代目は2009年にデビュー。先進機能が満載され、高級感もアップした4代目は、トヨタ製SUVのエースとも呼ばれるポジションを確立した。
それだけ人気があったプラドの名称がなくなることに少々疑問はあるが、これはトヨタが新設計の250をランクルシリーズの新たなけん引役にしたいという意思の表れとも考えられる。
250登場と同時に「70」も復活!
まさかの復活を果たしたランドクルーザー「70」。2014年に一度期間限定の復刻販売が行われているが、今回は継続販売モデルとしての復活になる
ランドクルーザー 250をライト系ランクルとするなら、よりハードな環境にも耐える仕様がヘビー系ランクルで、このヘビー系には「70」の型式名が与えられていた。
70型ランドクルーザーは、1950年代に警察予備隊(現・陸上自衛隊)向けに開発され、実際の導入はなかったものの、1954年に初代ランドクルーザーとして発売されたBJ型の直系ともいうべきモデル。
悪路走破性はもちろんのこと、あらゆる状況にも耐えうる70型のタフさは、北米やオーストラリア、中東などで幅広く愛用される要因になった。
そうした理由もあり、日本国内ではそこまで需要のなかった70型は、2015年をもって国内販売を終了していた。だが、今回の新型250発表とともに日本市場にもカムバックすることがアナウンスされた。
リニューアルされた70型は、既存モデルをベースに機能上必要とされる箇所をアップデートしているのが特徴で、エンジン&トランスミッションが新型となり、安全装備も最新仕様を装備。フェイスリフトも実施された。
完全新設計といってよい新型250に対し、1984年登場モデルをベースにした70には古さを感じさせる部分はある。しかし、エンジンが2.8リッターディーゼルターボに変更され、トランスミッションも5速マニュアルから6速ATに改められるなど、確実な性能アップを実現している。
実際に70型ランクルのファンも多く、リニューアル前の1ナンバー(貨物車扱いのため毎年車検などが必要)から3ナンバーに変更されたことも追い風になる。
新型250と復刻70の販売価格はまだ正式発表されていないが、両車の価格は拮抗しそうだとのウワサもある。これはランクル購入を考えているマニアにとって悩ましいポイントになるかもしれない。
気になる日本国内時期は2024年といわれている。大成功作と呼べるプラドの後継車たる250と、待望の復活を果たす70がどのように国内市場に受け入れられるのか興味は尽きない。
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