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少年の日にみたネオン看板のようなデコトラに魅せられ「デコチャリ」「デコトラ」「専門誌」! 「トラック魂」編集長のデコトラ一筋人生

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少年の日にみたネオン看板のようなデコトラに魅せられ「デコチャリ」「デコトラ」「専門誌」! 「トラック魂」編集長のデコトラ一筋人生

 この記事をまとめると

■デコトラとは派手な飾りやペイントでアートアップを施したトラックを指す

いまバブルの遺産「豪華バス」が熱い! デコトラ乗りが「マイカー」として熱視線を送る「サロンバス」とは

■現在、日本独自の文化として世界規模で広く知られる存在になっている

■専門誌「トラック魂」の編集長がデコトラに目覚めたきっかけを紹介

 トラック野郎に魅せられた人が多数

 改造車の種類は数あれど、日本発祥のものは意外と少ない。その少ないなかのひとつが、トラックをギンギラギンに飾り立てる「デコトラ」である。興味がない人たちには毛嫌いされやすい改造車だが、デコトラに関しては少々様相が変わっている。そう、日本独自の文化として広く知られる存在になっているのだ。

 2021年に開催された東京パラリンピックの開会式にデコトラを模倣したオブジェとともに日本を代表するギタリスト、布袋寅泰さんが登場したのは記憶に新しいところだろう。また、数多くのドラマや大手企業のCM(飲料メーカーなど)にもたびたび登場している。さらに、グローバルにみても、2016年には世界的ブランドであるグッチのCMビジュアルで、デコトラが活躍しているのだ。

 デコトラがメジャーになったきっかけは、故・菅原文太さんと故・愛川欽也さんがタッグを組んだ映画『トラック野郎』シリーズ(1975~1979)だ。空前絶後の大ヒットを記録したことで、トラックを飾るという文化が広く定着したのだ。そんな映画に魅せられた人たちがトラックのハンドルを飾るようになり、文化は大きく発展したのである。

 そんな人気作品であった『トラック野郎』シリーズは、映画の公開終了後もテレビでたびたび放送されることになる。それを見た当時の子どもたちが、いまを生きるトラック野郎となっているのだから面白い。子どものころに見た刺激と憧れを現実のものとした猛者達が、トラックを飾るようになったのだ。事実、現在のデコトラオーナーに魅了されたきっかけを尋ねたとき、もっとも多い答えが映画『トラック野郎』である。

 いま、この記事を執筆している私はデコトラ専門誌「トラック魂」の編集長をしている。これまでさまざまなデコトラ雑誌があったが、専門誌とはいえ編集者のなかにデコトラに精通した人物があまりいないというのが、古くから伝わるこの業界の七不思議でもあった。

 自分自身は少年時代をデコトラの追っかけや自転車を派手に飾り立てるデコチャリ少年として過ごし、デコトラのプラモデルやイラスト、そして趣味や仕事でデコトラのハンドルを握ってきたという経緯がある。つまり、この雑誌業界では少々変わり種の存在であることを自負している。大型免許を取得しているというデコトラ雑誌の編集者は、なかなか存在しないだろう。

 夜の闇のなかに煌びやかなネオンを見た

 そんな自分も、今年で50歳となる。1974年生まれゆえ、映画『トラック野郎』はTVで観ていたが、デコトラに魅了されたのはこの映画が原因ではない。幼き頃に出会った、とても鮮烈なる出来事が自分の心を刺激したのだ。

 小学生のころ、私は家族旅行の際に父親が運転するダイハツ・アトレーの助手席に座っていた。おそらく夜の国道だったのだと思うのだが、街灯も建物も存在しない漆黒の闇のなかを、アトレーは突き進んでいた。

「なんか寂しいなぁ」

 子ども心にそのようなことを考えていた。すると、ようやく煌びやかなネオン看板が前方に見えてきたのである。思わずワクワクしていたのだが、そのネオンがこちらに向かって進んでくるではないか。

「動いている? 看板じゃない? なんだこれは?」

 あっという間にすれ違ったその正体は、子どもだった自分にはわからずじまいだった。だが、わたしの心はとても明るくなれたのであった。

※画像はイメージ

 中学生になったわたしは、仲のいい友人からとある雑誌を見せられた。そこに掲載されていたのは、ギンギラギンに飾られたデコトラ。それを見た際「あのときに見たのはデコトラと呼ばれるトラックだったのだ!」と気づかされたのだ。

 その日以来、デコトラにすっかり魅了されるようになった。デコトラの専門誌を買うようになり、デコチャリ少年として生きるようになった。普通免許を取得すれば、当然のごとくデコトラの世界へと足を踏み入れた。

 やがて大型トラックを転がすまでに至った自分がデコトラ専門誌の編集長になれたのだから、人生は面白い。趣味を仕事にしてしまうというのはいいことばかりではないが、好きなことをして稼いでいる人たちは、きっとわずかだろう。みなさんにも可能な限り、自身が好む分野の仕事を生業にすることをオススメしたい。そうすることで、きっと違った魅力を発見することができるだろう。

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みんなのコメント

4件
  • やふう たろう
    昔ながらのデコトラでお仕事出来る時が来たら良いですよね〜
  • eqc********
    「うちの荷物はデコトラでもいいですよ」って言う荷主さんに出会えたらいいですよね。なかなかいないでしょうけど。
    ノーマルとデコトラ、同じレベルのドライバーだったら必ずと言っていいほどノーマルトラックを選びますよ。
    依頼主がOKでも荷受側がNOだったら運ばせて貰えませんから。
    うちの社長はキラキラもだけどピヨピヨのマフラーもNOですね。
    役所関係や大手企業は絶対NOと言われます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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