ふたつの車種が、完全なる兄弟車に進化
この記事の公開日は2024年2月23日。今から53年前の今日――すなわち1971年2月23日に発売された名車をご存じであろうか? 日産の230型系セドリック/グロリアである。
”レーシングマシンのエンジンを搭載”、あの名車「スカイラインGT-R」発売さる!【55年前の今日、こんなことが…】
【画像14枚】今なおファン多き230セドグロ、その全貌を見る!
1971年、日産セドリックとグロリアはフルモデルチェンジを行って230型系となり、2月23日に発売された(新設された2ドア・ハードトップは遅れて4月1日発売)。この230型系は、セドリックとしては三代目、グロリアとしては四代目となる。元はプリンスの車種であったグロリアだが、すでに三代目の時点でセドリックと一部設計の共用化を行い、以後のマイナーチェンジでも共通部分を増やしていた。そしてこの230型から、グロリアは根本的にセドリックと設計を共通化させ、完全な兄弟車となっている(厳密にはグロリアは型式にGを付け、230G型系として区別される)。
この頃、モータリゼーションの進展とともに、自動車において重視される要素も、従来より変化しつつあった。セドリック/グロリアは、高級車から実用車までをカバーする中型乗用車の代表車種であったが、以前は「格調の高さ」や「立派さ」に重点が置かれがちであったこのクラスにも、「スポーティさ」や「親しみやすさ」が大事な要素となってきたというのである。そして、230型系セドリック・グロリアも、こうした要素も加味しての開発がなされたのであった。
それを反映するのが、新たなボディ形式である2ドア・ハードトップであろう。この他のボディは、従来通りの4ドア・セダンとワゴン/バンがあり、全部で3タイプ(グロリアにはワゴンの設定なし)。そのスタイリングは、控えめながらもコークボトルラインを取り入れつつ、過度な自己主張のないオーソドックスなものではあったが、前後オーバーハングを切れ上がった形としており、こうした部分にも前述の「スポーティさ」が加味されている。日産ではこのボディラインを、「豊かで流動感のあるスタイル」と述べていた。
また、この230型系からボディをセドリックと統一したグロリアだが、ボンネットを独自の形状(コンチネンタルフード)とすることなどで、双子車としては大き目の差別化がされている。リアグリルの形状から、トランクフードも専用のパネルとなっていたように思われがちだが、これはモールのあしらい方で違うように見せているだけで、パネル自体は同じものであった。フロントグリルには、先代同様に十字型のモチーフが採り入れられている。
大部分のグレードがL20を搭載、グロリアはバリエーション数が少なめ
レイアウトはむろんFRで、サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後ろリーフリジッドと先代から変わりない。搭載エンジンはほぼ全モデルが2L直6 OHCのL20で、最廉価モデルのスタンダード(セダンおよびバン)のみ、2L直4 OHVのH20(最高出力92ps)。トップモデルのGXのみツインキャブ仕様のL20を搭載しており、そのパワーはシングルキャブの115psに対して125psであった。トランスミッションは4速MTと3速ATがフロアおよびコラム、3速MTがコラムのみでそれぞれ設定されていたが、フロアATはハードトップにのみ存在。
セダンとハードトップともに最高グレードはGXで、その下にGL、スーパーデラックス、カスタムデラックス、デラックス、スタンダードという布陣だが、カスタムデラックスとスタンダードはセダンのみのもので、ハードトップにはない。ワゴンはモノグレード、バンにはデラックスとスタンダードがあった。前述の通りグロリアにはワゴンがないほか、シート/ミッションの組み合わせも若干省略されていて、セドリックの全56種に対し、グロリアは全33種となる。
当時の価格はハードトップGXで138万円、同GLで128万円、同デラックスで105万円(いずれもフロア4速)。セダンGXで129.5万円、同GLで119.7万円、カスタムデラックスで105万円、スタンダードで77.4万円(いずれもコラム3速)。セドリック・ワゴンは106万円、バン・デラックスで87.5万円、バン・スタンダードで77.5万円(いずれもコラム3速)。全てセドリック/グロリアで共通の金額(ワゴン除く)、東京地区の価格である。
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みんなのコメント
同時期にリリースした4代目クラウンの
斬新なスピンドル·シェイプが災いして
販売台数を落としたため、
多くのユーザーがそれまでのクラウンから
保守的なデザインの230型セドグロに
乗換えが続出した。
この230型セドグロがクラウンに勝った
唯一のモデルでした。