現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > FFからRRへ一転 ポールスター2 ロングレンジ・シングルモーターへ試乗 航続距離653km

ここから本文です

FFからRRへ一転 ポールスター2 ロングレンジ・シングルモーターへ試乗 航続距離653km

掲載 10
FFからRRへ一転 ポールスター2 ロングレンジ・シングルモーターへ試乗 航続距離653km

見た目の変化は最小限 FFからRRへ

「フェイスリフトに当たることは、実施していません」。最新版ポールスター2の発表会で、同社の担当者は明言していた。

【画像】FFからRRへ一転 ポールスター2 シングルモーター 競合クラスのBEVと写真で比較 全127枚

そうはいっても、しっかり変更は加えられている。異なるモデルイヤーの2として、車載ソフトウエアは最新版がインストールしてある。ネットワーク通信で、アップデートにも対応する。

見た目的な変化が、極めて小さいことは間違いない。フロントグリルに相当する部分へは、フラットなパネルが埋め込まれた。運転支援システム用のレーダーとカメラが内蔵されており、同社はここをスマートゾーンと呼ぶ。

2022年には、新しいデザインのホイールが選べるようにもなっていた。試乗車が履いていた、オプションとなる20インチのアイテムはスタイリッシュで、全体の見た目も引き立てている。

反面、内側には大幅な改良が施されている。メカニズムの多くを共有するボルボXC40やC40と同様に、エネルギー効率に優れるインバーターと駆動用モーターへ置換された。電気の消費量を減らすことを目的に。

駆動用モーターが1基載るシングルモーターでは、フロントからリアへ搭載位置も変更されている。つまり、前輪駆動から後輪駆動へ改められている。

最高出力は299psへ増強 航続距離は653km

同時に、大幅なパワーアップも図られた。今回試乗した、シングルモーターのトップグレードとなるロングレンジでは、最高出力が231psから299psへ増強。急速充電能力も、205kWへ引き上げられている。

電費も、これまでの5.8km/kWhから6.7km/kWhへ大きく改善している。空気抵抗を示すCd値が0.21へ抑えられた、流線型ボディが目を引くサルーン、ヒョンデ・アイオニック6にも勝る効率だ。2のCd値は0.28と、振るわないにも関わらず。

駆動用バッテリーの容量も、4kWhプラスの79kWhへ増やされている。これらが相乗し、カタログ上の航続距離は653kmへ伸張。テスラ・モデル3 ロングレンジや、BMW i4 eドライブ40より、一度の充電で遠くを目指せることになる。

ちなみに、同様のアップデートは、2のスタンダードレンジやデュアルモーター仕様にも施されている。試乗機会を得られたら、追ってご紹介したいと思う。

価格も踏まえると、2のベストチョイスといえる可能性が高いのが、シングルモーターのスタンダードレンジ。こちらも、航続距離は532kmへ伸びている。

今回のロングレンジ・シングルモーターへ話を戻そう。果たして、伸ばされた航続距離は現実的なものだろうか。後輪駆動へ切り替わったことで、ドライビング体験にはどんな変化が生まれたのだろう。こんな疑問が湧いてくる。

現実的には約430km 洗練された大人なEV

まず航続距離だが、そもそもカタログ値へ一致する距離を現実的に走れるバッテリーEVは、今のところ存在しないといっていい。2の場合、穏やかな気象条件で高速道路と郊外の一般道を複合的に走らせた結果、電費は平均で5.4km/kWhが示されていた。

現行のBEVとして、驚かされるようなエネルギー効率ではないだろう。それでも充分に優秀な部類ではあり、普段使いで430km前後は走れる計算になる。アイオニック6と同等といえる。

後輪駆動になったことでの走りの変化は、僅かに感じられる。だが、前輪駆動だった2 シングルモーターと同様に、運転が楽しいというより、心地よく運転できるといった表現に留まることに変わりはない。

タイヤのグリップやトラクションには、まったく不足ない。姿勢制御は適度に引き締まり、ステアリングは性格に反応する。後輪駆動でも、これらの特徴はそのままだ。

カーブへ積極的に突っ込んでみると、リアタイヤがボディを押し出すことを匂わせるバランスは感じられるものの、穏やかに走る方が適している。洗練された大人なバッテリーEV、という印象が強い。

改善できる乗り心地 意味のあるアップデート

乗り心地は、もう少し改善する余地があるだろう。硬めなことは問題ないものの、落ち着きを感じさせるような減衰力特性を得られていない。舗装の剥がれた穴を通過した時や、路面変化で生じるノイズも、しっかり車内へ伝わってくる。

全体の印象を大きく濁すほどではない。とはいえ、サスペンションには更に磨きをかけられると思う。

インテリアは、基本的に従来どおり。ポールスター独自の特徴的な素材が用いられているが、ボルボと似た雰囲気も受け継いでいる。ドライビングポジションは自然で、高く評価したい部分の1つだ。

リアシート側の空間は、大人でも長時間過ごせる余裕がある。荷室容量は特に大きいわけではないが、ハッチバックが大きく開くため、荷物を積みやすく実用性は高そうだ。

グーグルと共同開発されたインフォテインメント・システムは、発表直後は操作性がいまひとつだったものの、最新バージョンでは大幅に改善。扱いやすいシステムだと思う。

2 ロングレンジ・シングルモーターの英国価格は、4万8950ポンド(約856万円)から。アイオニック6とモデル3 ロングレンジとの間に収まる。

見た目は殆ど変わらないが、改良でしっかり実力を高めてきたポールスター。このような意味のあるアップデートは、大歓迎したい。

ポールスター2 ロングレンジ・シングルモーター(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8950ポンド(約856万円)/5万9850ポンド(約1047万円/試乗車)
全長:4606mm
全幅:1859mm
全高:1479mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:653km
電費:6.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2009kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:79kWh
急速充電能力:205kW(DC)
最高出力:299ps
最大トルク:49.8kg-m
ギアボックス:シングルスピード(後輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース

みんなのコメント

10件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

139.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.989.9万円

中古車を検索
Kの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

139.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.989.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村