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ディープで心が躍るアメリカンヘリテージカーの世界【九島辰也】

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ディープで心が躍るアメリカンヘリテージカーの世界【九島辰也】

イベント [2024.04.20 UP]


ディープで心が躍るアメリカンヘリテージカーの世界【九島辰也】
文と写真●九島辰也

ボルボ車がサーキットを埋め尽くす!国内最大級のファンミーティングが8月開催 千葉・袖ケ浦

 幕張メッセで行われていたオートモビルカウンシル2024が先週終わりました。金曜日、土曜日、日曜日の三日間開催で、集客は過去最高の3万9807人だったそうです。ショーの規模にもよりますが、いい感じだと思います。オートサロンのように会場がごった返しになるのとは違いゆったりとブースを回れます。クルマ好き同士で、のんびりクルマ談義をしながら歴史的に希少かつ貴重なクルマを眺められるなんて、なんて贅沢なひと時でしょう。週末の午後そんな過ごし方ができるショーはそう多くないと思います。


オートモビルカウンシル2024の様子
 そんなイベントで、最終日にトークセッションをさせていただきました。テーマは「アメリカン・ヘリテージカーの魅力」。お相手は横浜でジープ・グランドワゴニアの専門店を営むバディオート代表の水野さん。もう20余年の付き合いです。アメリカ車を扱う歴は長く、今回はテーマ展示もアレンジしたそうです。


AMCイーグルワゴン
 そのテーマ展示が強烈でした。63年型コルベットのスプリットウィンドウや67年型ファーストカマロ、71年型のダッジ・チャレンジャーR/T、それとジープJ10とAMCイーグルワゴンです。個人的にすべて大好物というか、歴史的にもとても価値の高いものばかりでした。特にイーグルワゴンは学生時代から憧れていたモデルのひとつ。眺めているだけで、アメリカの片田舎にある牧歌的な風景が頭に浮かびます。

 「イーグルワゴンの生みの親AMC(アメリカン・モータース・カンパニー)は1954年にハドソンとナッシュが合併してできた会社です。1970年にはカイザージープが吸収され、以降1987年にAMCがクライスラーに吸収されるまで、ジープブランドを所有していました。たまたま1987年製YJラングラーを所有していたことがありますが、そのクルマのボディにAMC製と書かれたステッカーが貼ってあったのを覚えています。要するに、意図せずAMCオーナーになったことがあります。いやぁ、これは嬉しい……。」

 トークセッションでは、こんな話を約一時間しました。1971年にはAMゼネラルが発足され軍用車を開発し後にハマーが生まれたとか、ワゴニアベースでJ10が開発されたとか。きっと付き合いで席に座った方にはいい迷惑だったでしょう。何の注釈もなく言いたいことを淡々と終始口にしましたから。シボレーやキャデラックの話ならまだしも、2000年から24年経つ今日現在AMCのことを堂々と話す人はまずいないでしょう。でも好きなんですよね、ちょっとニッチな存在が。GM、フォード、クライスラーがビッグ3と呼ばれていた時代に第4のメーカーがどんなことをしていたのか。調べるだけでワクワクします。


ジープJ10(左)とダッジ・チャレンジャーR/T(右)
 およそ四半世紀前、そんな文献を四六時中手にしていました。年に数回デトロイトを中心にアメリカを訪れ、電話帳ほどの厚さの文献を買い漁っては読み込んでいたんです。そこには英語で書かれた年表や各モデルのスペック、開発ストーリーやこぼれ話が書かれていました。きっと“さかなクン”が図鑑を見ているようなものでしょうね。その時の知識が蓄積されています。まぁ、ほとんど役に立たせる機会はありませんが。でも考えてみてください。90年代の輸入車はドイツ車が一位でアメリカ車が二位だったんです。つまり日本のマーケットでも重要なポジションでした。まぁ、今や見る影もありませんが。

 それはともかく、久しぶりにいい機会を与えていただけたので楽しい時間を過ごせました。オートモビルカウンシルはヨーロッパ車のイメージが強いのでアメリカ車ファンは少ないと思いますが、国を問わずいいものはいいと思います。それにカーカルチャーという意味では他の国のクルマ事情を知るのは勉強になります。

 ついでに言うと、アメリカ車と同じくらい英国車のマニアックなストーリーもたくさん持っています。ベントレーとアストンマーティンをきっかけにかなりの文献を読み込みましたので。アルフレッド・ダンヒルやロンドンのサボイホテルなんてのも英国車を語る上で欠かせないワードです。どうです、興味あるでしょう? その続きはまたの機会に。

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