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【10年ひと昔の新車】トヨタ ポルテ/スペイドは使いやすいだけでない、しっかり感のある背高ボディが特長だった

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【10年ひと昔の新車】トヨタ ポルテ/スペイドは使いやすいだけでない、しっかり感のある背高ボディが特長だった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ポルテ/スペイドだ。

トヨタ ポルテ/スペイド(2012年:2代目フルモデルチェンジ)
新感覚のユーティリティ・コンパクトカーとして登場した、トヨタの「ポルテ」。フランス語で「ドア」を意味するネーミングからもわかるように、運転席側は一般的なスイングドアだが、助手席側には利便性に優れた大開口のスライドドアを採用している。初代は8年にわたって活躍し続けたが、今回のフルモデルチェンジを機に、兄弟車の「スペイド」を仲間に加えた。

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エクステリアは、好評を博した初代ポルテの流れを汲む。大きく変わったのは運転席側のドアまわりで、初代ポルテは1枚ドアだったが、新型ポルテ/スペイドは後席用ドアを加えて2枚ドアとしている。多人数乗車する時などの利便性は大きく向上した。

ポルテはグリルレスのファニーフェイス、スペイドは水平基調の精悍なフロントマスクとしている。ヘッドランプは切れ長タイプ、バンパーはワイド感を強調したデザインとなっている。

外観は違うが、室内は基本的に共通だ。空間の広がりと心地良さを肌で感じられるデザインを追求し、直線と円弧を組み合わせたシンプルな長方形モチーフ(スクエアオーバル)を数多く採用した。インパネ高は低く抑えられ、メーターは見やすいセンターメーターと、その隣には平均燃費や外気温、燃料残量などを表示するマルチインフォメーションディスプレイを並べている。

キャビンは広く、後席も居心地がいい。前席はYグレードがベンチシート、それ以外はセパレートシートで、Fと最上級のGは運転席アームレスト付きだ。先代よりも背が低くなり、着座ポジションも低くなった。セダンから乗り換えても自然な姿勢でステアリングを握れる。また、小柄な人でも前方の見晴らしはいいし、室内高は1380mmあるから頭上も余裕たっぷりの空間だ。

助手席はシートバックを前倒しすればテーブルとして使える。また、前方にスライドすれば後席左側の人の足元スペースは大幅に広がる。6:4分割可倒式の後席は座面、背もたれともに厚みがあり、リクライニングも可能だ。頭上だけでなく足元も広々としている。

そして見逃せないのは低く段差のないフラットフロアだ。フロア地上高は300mmと低く、ステップとフロアの段差もないから子どもやお年寄りでも乗り降りしやすい。スライドドアは前・後席のスイッチに加え、リモコンスイッチでも開閉が可能だ。

エンジンは2タイプ。1.3Lでも軽やかに走る
パワーユニットはカローラアクシオと同じだ。1.3Lの1NR-FE型と1.5Lの1NZ-FE型、2種の直4DOHCを設定した。1.3Lの廉価モデルと4WDモデル以外にはアイドリングストップ車を用意している。トランスミッションは無段変速機のCVTだ。

1.3Lエンジンはフラットなトルク特性で、CVTとの相性もいいから軽やかにスピードを乗せていく。1.5Lより低回転域のトルクは厚みがあるように感じられる。扱いやすいエンジンだが、ダラッとした登りが続くステージでは排気量の差を意識させられたのと、加速した時の静粛性も今一歩と感じた。

1.5Lは低回転域のトルクはやや細いものの高回転は元気だ。また、緻密な制御によって燃費もアイドリングストップ車だったら1.3Lを凌ぐ。そのアイドリングストップ機構「スマートストップシステム」は1.3Lの2WDモデルに標準装備で、1.5Lの2WDモデルにオプション設定(5万4600円)となる。どちらのエンジンも違和感がなく、自然な作動フィールだ。意識的にブレーキを強く踏まなくてもアイドリングストップが働くことが多い。

サスペンションはスタビリティを重視した味付けだ。背の高さを意識させないようにロールを上手に抑え込んでいる。電動パワーステアリングも軽い操舵力で、扱いやすさを前面に押し出した。とくに好印象だったのは15インチタイヤを履くモデルで、やや締まった乗り味だが、コントロール性は一歩上を行く。

14インチタイヤは乗り心地こそ穏やかだが、荒れた路面でショックの吸収が甘く、突き上げも大きく感じられた。また、応答フィールもちょっと頼りない。とはいえ、日常ユースでの使い勝手の良さはピカイチといえるだろう。

トヨタ ポルテ 1.5X 主要諸元


●全長×全幅×全高:3995×1695×1690mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1140kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1496cc
●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm
●最大トルク:136Nm(13.9kgm)/4800rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・42L
●JC08モード燃費:20.6km/L
●タイヤサイズ:175/65R15
●当時の車両価格(税込):164万4600円

[ アルバム : トヨタ ポルテ(2代目)/スペイド はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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みんなのコメント

6件
  • fxnhe501
    クラウン以前のトヨペット時代からトヨタ車のボディを手掛けていた老舗・関東自動車工業が最後に開発・生産した車のひとつ。ある意味、同時期に生産終了になったプレミオ/アリオンと並ぶ、長年の知見が産んだ「最後の『日本車』」だと思う。自分たちの目先の利益のために、前身のラウムとかを含めたこの手の車を「自動車の家電化」とこき下ろした、自動車雑誌などのメディアの罪は極めて重い。
  • DMP81Z_DW7
    家族介護のために、ポルテのウェルキャブ車に乗っていました。
    適度な大きさで、左側のスライドドアやウォークスルーができるなど、使い勝手は良かったです。ウェルキャブ装備により車重が増えたことで動力性能には物足りなさはありましたが、生産中止になったのは残念なモデルだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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