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「こだわりスギでしょ!」 1台1台バラツキなく…驚愕の「GRファクトリー」の内部に潜入! オーナーも見学出来る!?

掲載 更新 5
「こだわりスギでしょ!」 1台1台バラツキなく…驚愕の「GRファクトリー」の内部に潜入! オーナーも見学出来る!?

■GRファクトリーの“こだわり”を見よ! 走りを支える職人技と最新技術

 TOYOTA GAZOO Racingは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げています。
 
 その生産拠点となるのが2020年にトヨタの元町工場内に設立された「GR FACTORY(GRファクトリー)」です。

【画像】これが「凄い工場」です。内部を見る!

 今回、オーナー向けの見学ツアーが始まったといいますが、GRファクトリーとはどのような場所なのでしょうか。

 2020年の設立当初は「GRヤリス」のみの生産でしたが、2025年現在ではGRヤリスに加えて、「GRカローラ」、レクサス「LBX MORIZO RR」、さらにはWRC(世界ラリー選手権)に参戦する「Rally2」の一部生産もここで行われています。

 クルマの生産工程として、一般的には「いかに大量生産をするか」ということに重きが置かれ、それに適した機械化や設備配置が行われています。

 そのため、各工程の機械設備も従来の工場のように屋根から吊り下げているのが普通でした。

 しかし最近では、「AGV(無人搬送機)」の進化もあり、需給に応じたフレキシブルな生産を可能にした工場も増えつつあります。とはいえまだ少数です。

 こうしたクルマの生産に関して、世界最大級の販売台数を誇るトヨタでは、「クルマを効率良く大量に生産していくシステム『トヨタ生産方式(TPS)』」というものを採用し、実績を伸ばしてきたのです。

 一方でトヨタは、少数のクルマをフレキシブルに作っていくことは苦手とされてきました。

 しかしながらこのGRファクトリーでは、可能な限りでの量産体制を維持し、かつ精度の高い機械や熟練した匠の手により、塗装や組み立て、部品性能のバラツキ調整などを行う流れの生産工程を採用してます。

 そのためGRファクトリー内には、「AGV(無人搬送機)」が所狭しと稼働している様子が見て取れます。

 同じく屋根から吊り下げた機械設備もないことから、需給に応じたフレキシブルな生産体制を構築しています。

 では、GRファクトリーは具体的にどのようにしてクルマを生産しているのでしょうか。

 まず大きく「ボディ工程」「組立工程」「検査工程」の3つで構成されています。

「ボディ工程」ではボディを構成するフロアや左右のサイドメンバーなどの溶接を行う他、より高剛性ボディに仕上げるためモータースポーツのフィードバックを元に、結合を強化する箇所に追加で溶接を実施。

 具体的には、「通常ヤリス」の溶接が約3700箇所なのに対して、「改良前GRヤリス」が約3950箇所、そして2024年の「改良後GRヤリス」が約4500箇所に増加。

 また構造用接着剤に関しても「通常ヤリス」より10m以上長く塗布されているなど、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を体現している部分と言えます。

 なお「ボディ工程」では、3次元測定機で「ボディ精度検査」を実施しています。「ボディ精度検査」について、GRファクトリーの担当者は次のように話しています。

「足回りに関して、あらかじめ足回りの各部品を測定しおき、ボディ工程での測定データと部品測定データを解析システムで処理します。

 ここで『最適な部品の組み合わせ指示』と『1台1台のボディに対する組付け指示』を行います。これにより、ボディと足回り部品の細かなばらつきをお互い補正するカタチで組み付けられ、高精度な足回りを実現することができます」

 次の「組立工程」ではカーボンルーフや内装パネルなどが付けられる他、前述の測定結果に基づいた部品と取り付け位置に基づいて、1Gの重力をかけた状態で取り付けるなどのこだわりも。

 さらに「検査工程」では、運転席・助手席それぞれに75kg、リア(トランク)に25kgのウエイトを搭載することで、人が乗り、燃料満タンの状態を再現し、匠の手によってアライメント調整が行われます。

 このアライメント調整では、匠がクルマの下側に潜り、右手で右側を、左手で左側とそれぞれのアライメント調整を同時に数ミリ単位で行うという、熟練した匠の技術が活かされています。

 GRファクトリーで完成したクルマに関しては、工場内にある1周3kmのテストコースにて最高120km/hで走行し、ステアリングや直進安定性などに問題ないことを確認しています。

 そんなGRファクトリーについて、元町工場の宮部義久工場長は次のように話しています。

「私たち、生産の現場は、モータースポーツからのフィードバックによる進化だけでなく、毎日1台1台のクルマのデータを蓄積しています。

 日々クルマを生産している現場だからこそ得られる情報を基に、例えば、左右バランスに加え、前後バランスを加えたアルゴリズムの変化や、ハンドルのセンタリングを高めていく工夫など行っています。

 こうした『もっとばらつきを小さく』、『もっといい走りに』という思いに対する改善、進化を続けています。

 このGRファクトリーでは、クルマの進化だけでなく、もっといい走り、もっといいクルマに向けて、クルマと同時に私たちの生産における工程も日々進化させています」

 従来の工場とはコンセプトが異なるGRファクトリー。

 そこで働く従業員は、他の工場から志願してきた人も少なくないと言います。

 また何人かの従業員に話を聞いてみて「クルマへの情熱が特に強い」という印象を持ちました。

 そんなGRファクトリーですが、2025年春からGRヤリス、GRカローラのオーナー向けに見学ツアーが始まりました。

 前述の工程を一部見学できるというもので、工場内ではGRカラーのラッピングが施されたバスで移動することが可能です。

 GRファクトリーの見学ツアーに関して、前出の宮部義久工場長は次のように話しています。

「これから多くのGRモデルを保有するお客様に訪問していただきます。クルマが好き、そしてGRのストーリーが大好きなお客様がたくさんお見えになると思います。

 私たちは、これからGRファクトリーに訪問したお客様に『工場に来てよかった』『こだわりがすごいな』と思っていただけるように細部まで緻密に行き渡らせた工程と、ストーリーをお届けできるように頑張っていきます」

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
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みんなのコメント

5件
  • kvg********
    無人搬送機を採用するのか、吊り下げ式を採用するのか、それもTPS的考え方や視点で決めるものだと思います。
    TPSは HOW TO ではないので。
  • 宮木 将人
    おい!!くるまのニュース!!これのどこがやりすぎなんだ?アライメント調整だって1mm単位の世界なの知って書いてるのか?(ポルシェのレース仕様なんか0.1mm単位だぞ!?) それにしてもスポット溶接1個で100円のコストが掛かると言うが…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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