■全長4.5mのスモールバンは商用車と乗用車を用意
独メルセデス・ベンツは2021年10月20日、スモールバンタイプの商用車および乗用車、新型「CITAN(シタン)」を欧州市場に導入しました。
【画像】メルセデス・ベンツ新型「シタン」を画像で見る(31枚)
新型シタンは同年8月25日に世界初公開されたモデルで、今回登場した新型で2代目になります。
全長4498mm×全幅1832mm×全高1859mm、ホイールベースは2716mmというボディサイズで、商用車の「シタン・パネルバン」と乗用車の「シタン・ツアラー」を用意。さらに電気自動車(BEV)の「eシタン」を用意します。通常ボディサイズのほか、今後ロングホイールベース版やショートホイールベース版などが追加される予定です。
シタン・パネルバンは、おもに都市部での配達業務で使用されることを想定する小型商用車で、コンパクトなボディにもかかわらず広い室内スペースと高い積載量を実現しているといいます。615mmの開口部を誇る左右のスライドドアと、59cmの地上高という低いサイドシルにより、快適な室内へのアクセスを実現するといいます。
またリアドアパネルの開口部も90度で止められるほか、180度まで開口が可能。オプションとして、ヒーテッドウィンドウとウィンドスクリーンワイパーを備えたリアドアを注文することもできます。
また乗用モデルとなるシタン・ツアラーは、乗客も快適に過ごすことができます。高い機能性に加え、充実の安全装備と高い走行性を両立しています。
搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒ディーゼルターボ、および1.3リッター直列4気筒ガソリンターボの2種類になります。
ただし、同エンジンながら出力違いのグレードを用意。シタン・パネルバンには75馬力/230Nmの「108CDI」、95馬力/260Nmの「110CDI」、116馬力/270Nmの「112CDI」というディーゼルモデル、102馬力/200Nmの「110」、131馬力/240Nmの「113」というガソリンモデルを用意します。
ディーゼルの最上位機種である「112CDI」にはオーバーパワー&オーバートルク機能が搭載されており、一時的に121馬力/295Nmを発揮、追い越し時などに役立ちます。
またシタン・ツアラーは「110CDI」「110」「113」という3グレードでの展開です。
BEVの「eシタン」の詳細なスペックは発表されていませんが、一充電の航続可能距離は285km、バッテリー容量10%から80%までの急速充電は40分と発表されています。
■内燃機関を搭載するメルセデス商用車は新型シタンが最後
新型シタンは、最大7つのエアバッグや最新の先進運転支援システム(ADAS)を標準装備。ABSやESPに加えヒルスタートアシスト、クロスウインドアシスト、疲労警告システム「アテンションアシスト」、メルセデス・ベンツ緊急通報システムを標準装備しています。
新型シタン・ツアラーは、さらにアクティブブレーキアシスト、アクティブレーンキーピングアシスト、ブラインドスポットアシスト、スピードリミッターアシストを装備します。また渋滞時の運転を自動的に制御するアクティブディスタンスアシスト「ディストロニック」や、車線の中央をキープし続けるアクティブステアリングアシストをオプションで用意しています。
また「ハイ! メルセデス」で起動する音声コントロールシステムMBUXも搭載します。
価格は、装備グレードBASEの商用車シタン・パネルバン「110」が1万9348ユーロ(日本円で約251万円、税抜)、乗用車シタン・ツアラー「110」が2万2253ユーロ(約290万円)です。
これにドイツでのVAT(付加価値税19%)を含めると、それぞれ2万3024.12ユーロ(約300万円)、2万6481.07ユーロ(約345万円)となります。
より豪華なインテリアとなる装備グレードPROの場合、ドイツでの価格(付加価値税VAT19%含む)はシタン・パネルバンがBASEに加え2203.88ユーロ(約28万6000円)、シタン・ツアラーが2128.91ユーロ(約27万6000円)となります。
メルセデス・ベンツ商用車の責任者であるマーカス・ブライトシュベルト氏は、「新型シタンは、そのデザインや走行性能、そして安全性やコネクティビティシステムに至るまで、メルセデス・ベンツのDNAを受け継いでいます」とコメントします。
また、「新型シタンは、メルセデス・ベンツ商用車の新型車プロジェクトの中で、内燃機関を使用する最後のモデルでもあります。今後の新開発車はすべて、電気駆動のみとなります。この一貫した電動化の論理的なステップが、この新型eシタンなのです」。
※ ※ ※
シタンは、ダイムラーとルノーの業務提携をきっかけに、2020年10月に欧州で登場したスモールバンで、ルノー「カングー」をベースとしたモデルとなり、仏モーブージュにあるルノー関係工場で生産されています。
今回登場した新型シタンは2代目です。2021年4月に、14年ぶりのフルモデルチェンジをはたして世界初公開された新型「カングー」をベースにしています。
メルセデス・ベンツ日本の関係者によると、新型シタンの日本市場での発売予定はないそうです。
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