■キラリと光るものがありながら、大ヒットしなかったモデルを振り返る
世の中にはヒットするクルマばかりがあるわけではありません。むしろヒットしないクルマは数多く存在し、密かに消えていったようなモデルもあります。
しかし、そうしたクルマがすべてダメなクルマかというと、そうではありません。
大ヒットすることはなかったけれど性能的に優れていたり、秀逸なデザインであったりと、光るモノがあったクルマも存在。
そこで、もっと評価されても不思議ではないモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「CR-Z」
ホンダのハイブリッド車の歴史は、1999年に誕生した初代「インサイト」から始まりました。
初代インサイトはトヨタ初代「プリウス」を上まわる燃費性能実現を目標に、アルミ製モノコックシャシの採用と2シーターとすることで大胆な軽量化をおこない、空力性能向上のために見た目はもはや生粋のスポーツカーというフォルムです。
この、初代インサイト、さらにかつてライトウェイト・スポーツカーとして人気を博した「CR-X」をイメージさせるモデルとして登場したのが、2010年に発売されたハイブリッド専用車である「CR-Z」です。
環境性能が優先されるハイブリッド車であってもMTを設定し、走りの良さを重視した斬新なコンセプトで開発されました。
パワーユニットは114馬力の1.5リッター直列4気筒エンジンに、14馬力のモーターを組み合わせたパラレル式ハイブリッドシステムを搭載。走行時はエンジンのパワーが主体で、発進や加速、高負荷の状態でモーターがエンジンをアシストする仕組みです。
トランスミッションはCVTまたは6速MTが選べ、10・15モード燃費はCVT車が25km/L、MT車が22.5km/Lを達成しました。
外観はウェッジシェイプを採用したコンパクトな3ドアハッチバッククーペで、4シーターながらリアシートはミニマムな設計のため、実質的には2名乗車が適当なモデルです。
CR-Zの走りは高く評価されましたが、すでにクーペのニーズは低下しており、発売直後は好調なセールスを記録するもすぐに陰りが見え、2016年に生産を終了しました。
優れた燃費と走りのハイブリッド・スポーツカーという新ジャンルは受け入れられませんでしたが、まさに記憶に残る1台ではないでしょうか。
●日産「ブルーバード 2.0SSS-Z」
かつて、日産のラインナップのなかで、中核を担っていたモデルといえば「ブルーバード」が挙げられます。
ブルーバードの歴史は長く、初代は1959年に誕生し、2001年に10代目をもって幕を閉じました。
この最終モデルの10代目ブルーバードに、1997年のマイナーチェンジで追加された高性能モデルが「2.0SSS-Z」です。
ブルーバードは6代目の910型以降、高性能なグレードはターボエンジンが定番となりしたが、この10代目では全車自然吸気エンジンへと回帰しました。
そして2.0SSS-Zには、可変バルブタイミング機構を装備した2リッター直列4気筒自然吸気エンジン「SR20VE型」を搭載。最高出力は190馬力を誇り、歴代ブルーバードの自然吸気エンジン車では最強のパワーユニットです。
駆動方式はFFの2WDのみで、トランスミッションは6段マニュアルシフト付きのCVT「ハイパーCVT-M6」が採用され、スポーティな走りを実現。
しかし、1990年代はファミリーカーの定番はミニバンへと移行した時代で、セダンの人気は低迷。前述のとおりブルーバードは2001年に消滅。
実質的な後継車は「ブルーバードシルフィ」ですが、サニーと共通のシャシで車格はワンランク下のモデルとなってしまいました。
●スバル「レガシィB4/ツーリングワゴン 2.0R」
現在、国内向けの生産を終えてしまったスバル「レガシィ」シリーズは、初代が1989年に誕生。ハイパワーなターボエンジン+フルタイム4WDの組み合わせによって、高性能セダン/ステーションワゴンという地位を確立し、スバルのブランドイメージ向上にも貢献したモデルでした。
この初代以降、レガシィの高性能グレード=ターボエンジンとなりますが、2003年に登場した4代目では、優れた自然吸気エンジンのモデルとして「2.0R」がラインナップされました。
2.0Rに搭載されたエンジンは2リッター水平対向4気筒自然吸気の「EJ20型」で、圧縮比11.5から最高出力190馬力を7100rpmで発揮(MT車)。名機と呼ばれるEJ20型のなかでも唯一の高回転型エンジンです。
トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され、自然吸気エンジンならではのアクセルレスポンスや、7500rpmのレッドゾーンまで気持ちよく吹け上がるフィーリングが高く評価されました。
しかし、やはりレガシィというとターボエンジン車の人気が高く、5代目はボディがさらに大型化したこともあって自然吸気エンジン車は2リッターを廃止。2.0Rは4代目限りのモデルとなってしまいました。
■もっと評価されるべき三菱とダイハツのモデルとは?
●三菱「ギャランフォルティス スポーツバック」
前出のブルーバードやレガシィと同じく、かつて三菱の中核を担っていたモデルが「ギャラン」です。1969年に初代が誕生して以来長い歴史を刻みましたが、人気の低迷から2005年に8代目をもって国内向けの生産を終了しました。
ところが、2007年に「ギャランフォルティス」の名で復活を果たし、最終モデルとなった「ランサーエボリューションX」のベースに抜擢されました。
ギャランフォルティスは発売当初、セダンのみでしたが、2008年に5ドアハッチバックの「ギャランフォルティス スポーツバック」が登場。
フロントフェイスやキャビンはセダンのデザインと変わりませんが、後部をなだらかに傾斜したハッチバックとすることでスタイリッシュなフォルムを実現しています。
エンジンは全グレードとも2リッター直列4気筒で、240馬力を誇るターボエンジンと、ツインクラッチSST(DCT)を搭載したスポーティグレードの「ラリーアート」も設定されました。
ランサーエボリューションXのベース車として基本性能が高く、デザインも好評でしたが、三菱の業績悪化から車種整理が進んだことで、ギャランフォルティスシリーズは2015年に生産を終了。
使い勝手が良く、スタイリッシュなギャランフォルティス スポーツバックでしたが、ヒットすることなく一代限りで消滅してしまいました。
●ダイハツ「ビーゴ」
現在、ダイハツの登録車ラインナップのなかで、好調なセールスを記録しているのがコンパクトSUVの「ロッキー」です。
このロッキーが登場する以前、やはりコンパクトSUVとして1997年に発売されたのが「テリオス」で、さらに後継モデルとして2006年にデビューしたのが「ビーゴ」です。
ビーゴはテリオスからキープコンセプトとされたトールワゴンタイプのSUVですが、中身は本格的なクロスカントリー車にも引けを取らないメカニズムを採用していました。
シャシはラダーフレーム状の構造体をモノコックシャシと結合させた、「ビルトインラダーフレーム式モノコック」を採用。サスペンションはフロントがストラット、リアは5リンクのリジッドアクスルとなっています。
エンジンは縦置きに搭載された1.5リッター直列4気筒自然吸気で、トランスミッションは5速MT(4WD)と4速ATを設定。駆動方式はFRをベースとしたフルタイム4WDと2WDとされるなど、まさにクロカン車に近い設計です。
また、ビーゴの最低地上高は200mmとされ、現行モデルのスズキ「ジムニー シエラ」の最低地上高が210mmですから、十分にオフロード走行が可能でした。
ほかにも前後のオーバーハングを短くすることでアプローチアングルとデパーチャアングルを考慮し、背面スペアタイヤをリアゲートに設置するなど、完全にオフロード志向のモデルといえます。
ビーゴは2016年まで販売されたロングセラーでしたが、外観で想像されるキャラクターからライトなSUVのイメージがあったため、オフロード車として再評価されてもよいのではないでしょうか。
※ ※ ※
一般的に各クルマには複数のグレードが設定されますが、やはり注目されるのはトップグレードや、メーカーがイチオシする売れ筋のグレードです。
しかし詳しく調べてみると、実は魅力的なグレードだったというモデルも存在します。そんな隠れたグレードを発掘してみるのも、面白いかもしれません。
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みんなのコメント
結局やっぱり悪いところも含めて全部好き、じゃないと決め手にならないのかな。
買いもしない他の車の文句ばっかり垂れる生き方よりは、他人になに言われてもその言葉にすらニヤニヤしながら好きな車を楽しめる人生の方が圧倒的にいい。
たくさん売れみんなが乗れば個性がないといい、マイナーな車だと何でそんなん乗ってるのといい...結局やっぱり自分好みの車を好きに楽しむしかない。
他人に言われて車選ぶ人なんて、車好きからしたら信じられない人種でしょうし。
人気がなく、あまり見かけないけどたまに走ってるのを見かけるとかっこいいなと思う。
使い勝手で人気のスライドドアでもなく、今流行りのSUVでもないけど3代目オデッセイまでの時代やストリームが売れてた2000年初期の頃だったら売れてただろうな。
あと三菱の現行ミラージュ。
ダイナミックシールド採用でかなり顔つきよくなった。
価格も上級グレードで150万。
軽量なのでMT、ターボなんて出したらそこそこ売れそうな気がする。
ラリーアート復活でコルトに変わるミラージュVer.Rとか出たらスイスポと張り合えそう。