最新ゴルフ Rとご先祖のR32を直接比較
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIは、世界初のホットハッチではなかった。だが、われわれに大きな影響を与えた画期的なモデルといえた。GTIの3文字は2023年でも淘汰されることなく、同社のブランド力を強力に補完している。
【画像】ハタチぶんの進化 フォルクスワーゲン・ゴルフ Rとゴルフ R32 GTIとパサートR36も 全119枚
2002年、フォルクスワーゲンは次の一手に出た。手始めにゴルフ R32をリリースし、2010年からはシンプルにゴルフ Rへ改名し、ホットハッチ市場を牽引してきた。
その能力は確かなものだった。公道ですべてのパフォーマンスを展開可能で、四輪駆動化され天候を気にする必要もなかった。それでいて、ゴルフ本来の魅力はしっかり保たれていた。
フォルクスワーゲンは記念日を大切にする。5年毎にアニバーサリー仕様で自らお祝いすることが慣例になっている。ゴルフ R32の誕生から20周年を迎え、ゴルフ R 20イヤーズが登場したことはAUTOCARの読者ならご存知かもしれない。
英国での発売に合わせて、同社はヘリテイジ部門が管理するゴルフ R32をグレートブリテン島に持ち込んだ。20年前のことが記憶にない、という若いドライバーにも訴求できるように。
こんな機会は滅多に巡ってこない。フォルクスワーゲンは意図していなかったかもしれないが、最新のゴルフ Rとそのご先祖を直接比較する以外、われわれが取るべき手段はないだろう。
小さなボディに3.2L V6エンジンを搭載
2023年の基準で考えると、小さなボディに3.2Lの狭角V型6気筒エンジンを押し込んだR32は特別感が強い。とはいえ、20年前には同様のアイデアをひらめいたメーカーがほかにもあった。
アルファ・ロメオは、前輪駆動の147 GTAをラインナップしていた。こちらにも、3.2LのV6が載っていた。懐かしい・・。
さて、気を取り直してフォルクスワーゲンに戻ろう。R32とR 20イヤーズを比べてみると、類似点は少なくない。0-100km/h加速は6.4秒から4.6秒へ短縮しているが、充分以上の速さであることには違いない。
どちらも四輪駆動を備え、路面状態を問わず速く走れる。装備は充実し、クラス上のモデルに迫る内容といえる。アルミホイールをインチアップしただけのような、見た目重視の内容ではない。
まず筆者がステアリングホイールを握ったのは、最新版のR 20イヤーズ。撮影場所まで味わおうと考えていたが、タッチモニターに触れながら好みの設定へ調整している間に、10分が過ぎてしまった。
レーンキープアシストとアイドリング・ストップ、トラクション・コントロール、ドライブモードの設定を変えるには、それぞれ異なるメニューからアクセスしなければならない。タッチモニターの反応は良好で、固まることもなかったが。
1度操作に慣れれば、設定は簡単。どのモードがぴったりなのか、確かめるのにも時間は掛からない。デュアルクラッチATの7速DSGは滑らかに変速を続け、車内は静か。乗り心地も高性能モデルとしては快適といえる。
ドライバーズカーとしての本性が現れる
エンジンオイルの温度が上昇し、積極的なドライブモードに切り替える。入念に手が加えられた、ドライバーズカーとしての本性が現れる。
ステアリングホイールのロックトゥロックは2回転以下。胸がすくようなクイックさだが、反応は落ち着いていて予想しやすい。
筆者は、ステアリングの設定はコンフォート・モードが好ましいと感じた。人工的な重み付けが加算されず、グリップ力を判断する感触が薄れることがないためだ。
試乗車のR 20イヤーズには、オプションのアダプティブダンパーが組まれていた。15段階に減衰力を調整できるが、平滑とはいいにくい英国の一般道では、最も柔らかい設定がベターだろう。
このダンパーの特性は、MQBプラットフォームを採用した他のモデルが備える弱点も共有している。鋭い隆起部分や窪みを通過すると、若干落ち着きを失ってしまう。シリアスに仕立てられたゴルフだが、快適寄りの状態でも姿勢制御は充分タイトだ。
トランスミッションやデフは、レース・モードが1番。ふんだんなパワーをリアタイヤへ割り振り、高速コーナーを俊敏に処理できる。きついヘアピンの出口でアクセルペダルを蹴飛ばすと、後輪駆動のようにテールが流れる。
走りの主役は、2.0L 4気筒ターボエンジン。12ps増強され鋭いレスポンスを叶えたR 20イヤーズ用ユニットでなくても、そもそもMk8のゴルフ Rは望外に速い。エグゾーストノートが記憶に残るほどの快音なら、一層素晴らしい体験になるだろう。
この続きは後編にて。
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