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フルモデルチェンジで消えるという噂も……かつて「アルファード」より売れた「ヴェルファイア」が不人気車に陥ったワケ

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フルモデルチェンジで消えるという噂も……かつて「アルファード」より売れた「ヴェルファイア」が不人気車に陥ったワケ

 この記事をまとめると

■初代ヴェルファイアはアルファードを凌ぎ大ヒットした

新車販売で各ジャンル不動の首位アルヴェルにN-BOX! なぜ誰も牙城を崩せないのか?

■現在ではアルファードのほうが圧倒的に売れていてヴェルファイアはグレードも少ない

■今後のヴェルファイアの動向に注目が集まっている

 かつて大ヒットした高級ミニバンはあの頃の勢いなし

 ウワサによると、現行30系アルファード&ヴェルファイアは2023年春に生産終了、そして40系と呼ばれるはずの新型アルファードがその後に登場予定とされている。とはいえ、現在でもアルファードは新車、中古車を問わず大人気。ハイエンドミニバンを望む一般ユーザーはもちろん、クラウンやレクサスLSなどに代わるVIPや芸能人のショーファーカーとしても圧倒的な人気を誇っている。

 ところで、かつてアルファードを凌ぐ人気、売れ行きだったのが兄弟車のヴェルファイア。フォーマル感あるアルファードに対して、二段構えのヘッドライトを採用するヴェルファイアは、より押し出し感のある先進性をアピール。言い換えれば、アルファードのチョイ悪版とも言えたのである。現行型が登場した2015年の翌年、2016年の年間販売台数データでは、ヴェルファイアがアルファードを上まわっていた。

 以前は販売店が違い、アルファード派(トヨペット店)とヴェルファイア派(ネッツ店)はしっかりと棲み分けられていたのだが、2020年5月からは全店、全車扱いとなり、アルファードとヴェルファイアは同じお店で買えるようになっている。

 さて、現状では、アルファードとヴェルファイアの力関係は、アルファードの圧勝と言っていい(このクラスのミニバン全体としても)。アルファードはガソリン車だけで9グレード、4WDを含めると18グレード。電気式4WDのみとなるハイブリッドも7グレードの展開。つまり25もの車種があることになる。

 一方、ヴェルファイアは特別仕様車的なGOLDEN EYESIIIのみのグレード展開で、2WDのガソリン車、電気式4WDのハイブリッドの2車種のみとなってしまった。25対2……である。ちなみに釈迦に説法かも知れないが、アルファードとヴェルファイアは、エクステリアデザインが異なるだけで、シャシー、パワーユニット、同等グレードの仕様、装備などはまったく一緒。ノア&ヴォクシーのように、主に前後デザインとネーミングが違うだけである。

 かつては猛威を振るっていた国産ハイエンドミニバンの1台だったヴェルファイア人気が下降していったターニングポイントは、間違いなく2015年から発売された2代目のビッグチェンジとなった2017年12月の一部改良だ。先進運転支援機能を充実させ、ボディ剛性、静粛性を向上させるとともに、シート、サスペンション、新型3.5リッターV6エンジン(301馬力)搭載車のパワーステアリングにまで手が入っていたのだ。

 さらに、アルファード、ヴェルファイアともに主にフロントフェイス、リヤガーニッシュ&リヤコンビランプを刷新。また、ハイエンドグレードのエグゼクティブラウンジ仕様に待望のエアログレード(タイヤはガソリン車のエアログレードの18インチではなく、乗り心地重視の17インチ採用)を追加したのである。もちろん、ビッグマイナーチェンジの内容は両車いっしょ。優劣はなかった。

 が、これをきっかけにアルファードが優勢になったのは、フロントフェイスの変更にあったことは間違いない。フロントマスク&リヤガーニッシュを変更し、よりワイド&ローを強調したのは両車同じだが、顔つきの変化幅がより大胆に感じられたのはアルファード。巨大なフロントグリルを採用し、もはや迫力、押し出し感で精悍な2段構えのヘッドライトを持つヴェルファイア以上という印象となったのだ。

 新型になって登場する可能性もゼロじゃない?

 この時点で、これまでのヴェルファイアに比べてやや大人しい顔を持つのがアルファード……という図式は逆転。迫力、高級感で圧倒しつつ、フォーマル感でも上まわるのがアルファードになったというわけだ。となれば当然、国産ハイエンドミニバンを望む一般ユーザーはもちろん、高級セダンより後席の乗降性にも優れ、AC100V/1500Wコンセントも装備され(ハイブリッド車)、車内で仕事もしやすい移動手段を切望するVIP、芸能人の目は、一気にヴェルファイアではなく新しいアルファードに向くことになり、実際そうなっている。

 ヴェルファイアのユーザーがアルファードに流れる現象も確認されている。なお、ビッグチェンジ後の2018年時点で、月間販売台数は、アルファードが1850台近く上まわり、年間で2万2000台以上の差が付いている。

 結果、2021年4月のアルファードとヴェルファイアの一部改良で、ヴェルファイアは特別仕様車のGOLDEN EYESのみのグレード展開となり、冒頭で説明した25:2グレードという、ヴェルファイアファンにとっては納得のいかないモデルラインアップになっているのが現状だ。

 では、2023年春にも登場すると予想されている(諸般の事情で遅れる可能性もある)新型アルファードのデビュー時に、ヴェルファイアも登場するのだろうか。以前は、ヴェルファイア消滅というウワサが流れていたものの、ヴェルファイア復活という情報もないではない。こればかりはフタを開けてみないとわからないが、アルファードに対するヴェルファイア独自の魅力を実現、アピールできれば、かつてのようにアルファードとヴェルファイアの両立が可能になるかも知れない。

 このクラスの国産ハイエンドミニバンの選択肢が、ほぼアルファードのみというのはつまらない。個人的には、新型が、アルファードにしようか、ヴェルファイアにしようか……と、大いに悩ましてくれるような展開、デザイン違いになると嬉しく思う。

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みんなのコメント

103件
  • 結局乗り手の問題。
    別に車自体に罪はない。
  • 不人気も何も、アルファードとヴェルファイアは同じ車だと思ってますので。
    比率が変わったとしか感じない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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