積算8645km 雨の日のボディカラー
text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)/Matt Burt (マット・バート)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
土砂降りの高速道路M5。グレーやシルバー、ホワイトのボディ色のクルマは雨や水しぶきに溶け込む。お互いに気づかず、危うい場面を何度か目撃してしまった。
一方で、派手なチャンピオン・イエローのスズキ・スイフト・スポーツに気づかなかった人は皆無。安全性能評価のユーロNCAPは、鮮やかな色のクルマへボーナスの星を与えても良い。
積算9916km 空気圧センサーの誤報
運転の楽しいスイフト・スポーツ。だが最近は、タイヤの空気圧低下を知らせる警告が誤報を繰り返し、楽しみを邪魔している。
何度もタイヤの空気圧を調べ、推奨される圧力に調整しているが、断続的に空気圧が足りないと判断してしまうようだ。フロントタイヤは充分に空気で膨らんでいる。おそらく、センサーの故障だろう。
積算1万853km スイフト・スポーツの気になる部分
歴代で初めてターボを搭載した、スズキ・スイフト・スポーツは、シンプルに楽しいクラス最高のホットハッチと渡り合えるのか。これまで派手な黄色いスズキで、1万kmを超える距離を走ってきた。
これまで順調に、難なく距離を重ねきた。しかし、一切の不満もなく褒めているだけでは、レポートは退屈なものになってしまう。筆者が気になる部分を挙げてみよう。
エアコンのダイヤルと赤いレブカウンター
例えばエアコンのダイヤル。ダイヤルが3つ並んでいるように見えるが、中央の丸い膨らみはダイヤルではない。両脇は、風量と温度を調整する実際のダイヤルだが、中央は同じ形状をしたエアコン用のモニターだ。
筆者は何度も、走行中に手探りで温度を変えようとして、中央のダイヤルの形をしたモニターへ手を伸ばしてしまった。走行中はできるだけ進行方向から目をそらさず、直感的に操作できるべきだと思う。
もう1つ、ホットハッチらしさを求めるあまり、スズキはスイフト・スポーツへ少々旧式的な手法を与えすぎたように感じる。スポーツカーには、赤いレブカウンターの文字盤が必要だとは限らない。50rpm刻みの細かい目盛りも、本当にいるだろうか。
相当にホットな気持ちを持ったドライバーでも、走行中の2150rpmと2200rpmの違いは感じ取ることができないだろう。もっとシンプルで良い。
前回記したタイヤの空気圧センサーだが、一転して最近は鳴らない。センサーが誤検知していただけのようだ。
先日、筆者はスイフト・スポーツにパーキングセンサーも付いていると勘違いして、立体駐車場のフェンスにぶつけてしまった。幸い、鉄やコンクリートではなく木製だったから、特に跡は残らなかったけれど。
いい訳がましいが、パーキングセンサーは小さなクルマにも付いていて良い装備だと思う。オプションのリバースカメラを装備すれば済む、とスズキは弁明するかもしれないけれど。
細かい課題も忘れさせてくれる走り
仮にリバースカメラがあれば、確かにぶつけずに済んだと思う。同時にセンサーが付いていても、スイフト・スポーツの販売が鈍る、という理由にはならないはずだ。
もっとも、スイフト・スポーツのような個性的で魅力溢れるホットハッチの場合、こんな些細な部分を多くのドライバーは気にも留めないはず。郊外の道を流れるように走る喜び。クルマが訴えかけてくるようで、細かな問題はすぐに脳みそから消えてしまう。
気になる点をあげようとして、重箱の隅を突っつく内容になってしまうという事実。スズキ・スイフト・スポーツが素晴らしいホットハッチだといえる、証拠でもある。
テストデータ
気に入っているトコロ
大きなステアリングホイール:小さなステアリングホイールの方がフィーリングに優れる、という意見を否定する仕上がり。むしろ、扱いやすい大きさだ。
気に入らないトコロ
高速道路での快適性:郊外の一般道を飛ばす時と同じくらい楽しい。でも長時間になると、うるさく落ち着きがなく感じられる。
テスト車について
モデル名:スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)
新車価格:1万7999ポンド(237万円)
テスト車の価格:1万7999ポンド(237万円)
テストの記録
燃費:15.4km/L
故障:なし
出費:なし
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