ハンガリーのM1RAチームが2019年のTCRヨーロッパ参戦に向けた体制を発表し、残留のダニエル・ナジーに加えて19歳のルカ・エングストラーを起用。ヒュンダイi30 N TCRは高性能部門“N”のロゴを大きくあしらうトップカスタマー待遇のカラーリングを採用した。またTCRドイツ連覇のジョシュ・ファイルズや、WTCR、TCRインターナショナル優勝経験者マット・オモラなどの実力派に加え、トム・コロネルがWTCR世界ツーリングカー・カップと並行してシリーズに参戦することもアナウンスされた。
元B3レーシング代表のダビド・バリとWTCRドライバーのノルベルト・ミケリスが立ち上げたM1RAチームは、2017年の創設以来JASモータースポーツ製のホンダ・シビック・タイプR TCRで、TCRインターナショナル・シリーズなどに参戦。昨季からマシンをヒュンダイにスイッチするとともに、シリーズ戦へと変貌したTCRヨーロッパへの挑戦を続けてきた。
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現在20歳の新鋭ナジーは、昨季TCRヨーロッパと並行してWTCRのハンガリー戦にもワイルドカード枠で参戦。同チームのヒュンダイで表彰台を獲得する高いパフォーマンスを披露した。
「もちろん、今季もM1RAとともに戦えるのは本当にハッピーだよ」と、ハンガリーの期待を一身に背負うナジー。
「WTCRでの表彰台は感動的だったけど、僕はまだ向上して学習を続ける段階にある。一貫性がカギになるし、TCRヨーロッパでは表彰台の常連となって願わくばタイトル争いにチャレンジしたいね」
そして今季はTCRマレーシアにも参戦中で、一昨年の中東シリーズに続いてTCRアジアのタイトルも獲得したエングストラーは、父フランツ・エングストラーのチームでアジア・シリーズの防衛に挑むと同時に、この新興ハンガリー・チームのシートも獲得する形となった。
「M1RAと働けることは僕のキャリアにとって次のステップを意味する。チームに加入できて本当に光栄だ」と、すでにTCR規定ツーリングカーでは長いキャリアを誇るエングストラー。
「このM1RAが選手権で最高のチームのひとつであるのは間違いない。テストの結果から僕のペースが悪くないことはわかっているし、新しいトラック、新しいシリーズ、新しいチーム、できる限り多くのことを学びたいと思っている」
一方、昨季のTCRヨーロッパではKCMGのFK8型ホンダ・シビック・タイプRをドライブしたジョシュ・ファイルズは、チームのWTCR昇格に合わせて移籍を決断。かつてTCRドイツでともに栄光の時代を築いたターゲット・コンペティションに復帰し、ドゥサン・ボルコビッチ、オモラ、そしてTCR UKからスイッチしたアンドレアス&ジェシカのバックマン兄妹とともに5台のヒュンダイi20 N TCR艦隊の一翼を担う。
「彼らの元に戻ってこれて興奮しているよ。TCRドイツでともに連覇を成し遂げたチームだからね。ホンダとは3シーズンの素晴らしい経験を共有したが、こうして再びチームに加わってヒュンダイをドライブできるのも最高の気分だ」
そして2018年WTCRではDGスポーツ・コンペティションのプジョー308TCRをドライブし、スペイン戦で勝利を飾ったオモラも、この強豪ターゲット・コンペティションに移籍しTCRヨーロッパ・シリーズへと主戦場を移すことになった。
「このチームは本当にオーガナイズが素晴らしく、統率の取れたモチベーションの高い組織だ。その一員に加われて本当にうれしいよ」と、母国スロバキアでは新たにヒュンダイ“N”部門のアンバサダーにも就任したオモラ。
「チームの雰囲気は素晴らしく、家庭的な空気もある。それにセアト、オペル、プジョーと長年僕をサポートしてくれたレースエンジニアも帯同することができた。引き続きここでも成功を収めることができると信じている」
そしてWTCRではComtoyouレーシングに移籍しセアト・クプラTCRに乗り換えることをアナウンスしたトム・コロネルは、そのプログラムと並行してTCRヨーロッパへの参戦も表明。同シリーズでは昨季までWTCRでともに戦ったブーツェン・ジニヨン・レーシングに加わり、ふたたびFK8シビックのステアリングを握ることになる。
「僕はまたホンダと次の挑戦に向かえることをうれしく思う。チームとは長い付き合いで、マシンの外観も昨季と同じになる。これはホンダ・モーター・ヨーロッパやチーム、僕を支えてくれる多くのサポーターのお陰だ」と語ったコロネル。
「ホンダとブーツェン・ジニヨンは欧州レベルで過去数シーズンにわたって良好な関係を築いてきた。これは素晴らしいことだ。ドライバーとしては可能な限り最高のレベルでレースをすること以外に何も望んでいない。TCRヨーロッパ参戦でスパ、モンツァ、ホッケンハイム、バルセロナなどのクールなトラックでレース出来るのは最高だね」
コロネルはこのWTCRプログラムとの兼ね合いで、同週末に同サーキットで併催となるハンガロリンク戦のみ、WTCRのスケジュールを優先させる意向を示している。
また、すでにTCRヨーロッパへのフル参戦を発表済みのブコビッチ・モータースポーツと新型ルノー・メガーヌR.S.TCRは、オッシャースレーベンを皮切りにスパ・フランコルシャンでも数日間のプライベートテストを実施し、レギュラーに起用したジョン・フィリピとともに精力的なテストプログラムを進めている。
「オッシャースレーベンでは250km、スパでは300kmを走破した」と語るのは、チームマネージャーを務める元WTCC世界ツーリングカー選手権シボレーワークスのエリック・ニーブ。
「我々は予選とレース両方の構成でテストを行い、さまざまな技術ソリューションとセットアップをテストした。今後数週間のうちにホッケンハイムとレッドブルリンクでもテストセッションを追加する予定だ」
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