新型「#2」 他社とのプラットフォーム共有を検討
スマートは、数か月以内に「フォーツー」の後継車開発にゴーサインを出す可能性がある。ただし、採算性の課題が残されている。同社の欧州部門責任者が明らかにした。
【画像】超コンパクトな欧州車、復活か【スマートEQフォーツーを写真で見る】 全17枚
フォーツーは1998年に発売された同社初の市販モデルであり、欧州における最小クラスの乗用車であった。26年間の生産を経て最近引退し、すぐには後継車の予定はなかった。しかし、スマート・ヨーロッパのディルク・アデルマンCEOは、後継車となるバッテリーEVの開発計画が進行中であることを認めた。
「計画に取り組んでいるところです。現行フォーツーの生産終了は今から2か月前でした。直接の後継車があれば最高でしたが、叶いませんでした。しかし、現在は取り組んでいます」
アデルマンCEOはAUTOCARの取材に対し、新世代の都市型コンパクトカーの必要性を語った。
「欧州だけではありませんが、特に欧州においてはコンパクトカーの販売が理にかなっています」
後継車は社内で「プロジェクト2」と呼ばれ、市販モデルでは「#2」と命名されると予想されている。フォーツーの名を現代のネーミング方式で受け継ぐことになるだろう。
ただ、スマートはすでに#1というクロスオーバーを販売している。#2では数字は増えるのにボディサイズが小さくなることから、販売面で混乱が生じる可能性もある。これについてアデルマンCEOは、「2」という数字は「ブランドの象徴的な番号」であり、フォーツーの後継車に使用されるべきものであるため、「あえて」残していたと説明する。
また、ラインナップが拡大するにつれて、奇数番号がSUVやSUVクーペに使われ、偶数番号が「その他の製品」に使われるというパターンも出てくるだろうと語った。
しかし、ボディ形状やスタイリングよりも重要なのは、確実に利益を上げることである。そのためにスマートは開発・生産コストを共有できるパートナー企業を探している。
「欧州では(小型車の)セグメントは大きくありません。フォーツーの年間販売台数は最高10万台程度であり、プラットフォームを正当化するには十分ではありません」
「このプラットフォームをパートナーと共有すれば、また検討段階ですが、投資コストや生産拠点なども共有できるようになります」
「採算の取れないクルマの生産は誰もが避けたいこと。そのようなクルマは長くは持ちません」
「当社と小売業者、そしてお客様にとってもプラスになるようなビジネスケースにしたい」
スマートは、中国の吉利汽車が50%を保有している。吉利汽車は多種多様なサイズとセグメントにまたがる自動車ブランドを所有している。それらがスマートと提携できるかどうかはまだ不明だが、初代フォーツーにサイズ的に最も近いのは、4人乗りで航続距離200km、全長3mの都市型EV、ジオメトリー・パンダだろう。
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