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「プリウスミサイル」なんて風評被害に負けない! トヨタ「プリウス」はなぜここまで人気なのか

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「プリウスミサイル」なんて風評被害に負けない! トヨタ「プリウス」はなぜここまで人気なのか

■風評被害にも負けない! プリウスが人気の理由とは

 トヨタを代表するモデルとして、日本のみならず世界でも人気の高い「プリウス」。1997年に登場した初代モデルから22年絶ち、4代目となったいまでも圧倒的な新車販売台数を誇ります。

なぜ古いまま販売? プリウス人気復活の陰に隠れる「プリウスα」が存在する理由とは

 しかし、多発する高齢ドライバーの暴走事故で乗っていたクルマがプリウスだったこともあり、インターネット上では「プリウスミサイル」という表現をされるなど、風評被害を受けているようです。

 それでも、プリウスの販売台数は好調で登録車においては常に売れ筋モデルとなっていますが、なぜこれほどまでに人気が高いのでしょうか。

 現行モデルとなる4代目プリウスは、2015年に登場しますが、「歌舞伎顔」ともいわれる垂れ下がったヘッドライトやテールライトのデザインなどについて、日本のユーザーからは不評が相次ぐ結果となりました。

 それでも、軽自動車を除く新車販売台数では、2017年に16万912台で首位に輝き、2018年には、11万5462台となり、首位「ノート」と2位「アクア」に続く3位と人気のモデルです。

 そんななか、2019年4月19日に東京都豊島区東池袋で発生した事故によって、プリウスは突如「危ないクルマ」というイメージを与える報道やSNSの投稿が広まりました。

 これには、池袋の事故やそれ以降にあった高齢ドライバーの事故のクルマがプリウスだったことなどによるものですが、販売現場ではどのような影響があったのでしょうか。
 
 都内のトヨタ販売店のスタッフは次のように話します。

「事件の報道があったあと、来店されるお客さまのなかにはブレーキに関する質問をされる人はいましたが、ほとんどの購入者は気にされていないようでした。ただし、以前よりは安全機能などに興味を持つ人が増えた印象を受けました」

 実際、風評被害となるような情報は出回ったものの、2019年4月の新車販売台数(登録車)は、不動の1位だったノートを破りプリウスが約16ヶ月ぶりに首位の座を奪還。同年の上半期(1月から6月)でも他車を抜いて首位になっています。

 従来、そのクルマに関するマイナスな情報が出た場合、販売台数への悪影響が予想できました。しかし、プリウスにはあまり影響がなかったようです。

 なぜここまでの人気を誇るのか、プリウスのユーザー層や人気の理由についてトヨタは次のように説明します。

――プリウスのユーザー層を教えてください。

 具体的なプリウスのユーザー層はお教えできないのですが、プリウスを購入する65歳以上のシニア層は、全体の約36%を占めています。65歳以上の人の購入比率が高いクルマはプリウスのほかにも存在しますが、購入台数でいえばプリウスが最多です。

――シニア層高齢者に人気の理由はなんでしょうか。

 プリウスは、シニア層だけでなく幅広い年齢層に人気があるクルマです。人気の理由としては、「燃費の良さ」「サイズ感」「運転のしやすさ」「一番売れているクルマ」であると考えています。

※ ※ ※

 また、前出の販売店スタッフは、売れている理由について、「2018年12月のマイナーチェンジで、前後のデザイン変更と『トヨタセーフティセンス』を全車標準したことが、人気に拍車を掛けています。デザインはクルマを選ぶ上での重要なポイントなうえ、近年注目される安全装備も充実したことで販売台数が伸びているといえます」と説明しています。

■積み重ねた歴史は強い! 歴史プリウスを振り返る!

 初代プリウスは1997年に登場します。「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーが印象的な、世界初となる量産型ハイブリッド車として世に送り出されました。

 初代プリウス登場時の資料によると、「燃費を従来のガソリンエンジン車に比べ2倍に(10・15モード走行28km/L)に向上」とあり、当時の燃費性能の常識を変えたといわれています。

 また、驚異的だったのは価格で、当時のハイブリッドシステムは開発や製造に莫大な費用がかかり、「売れば売るほど赤字が出る」といわれていましたが、初代プリウスは215万円で販売されたのです。

 当時、同時期に販売されていた人気車種である同社の8代目「カローラ」が最高グレードでも180万円であったことから決して安くはなかったものの、ハイブリッドカーとしては驚くべき安さだったといわれ、初代プリウスは1997年12月から2代目登場時期の2003年8月までで、約12万台を売り上げました。

 2003年に登場した2代目プリウスは、初代の4ドアセダンから5ドアハッチバックへ、ボディスタイルが大きく変更されました。

 2代目プリウスの燃費性能は、10・15モード燃費で最高35.5km/Lとなり、初代がマイナーチェンジや一部改良を重ねて、10・15モード燃費で最高31km/Lまで伸ばした燃費をさらに上回る数字を記録しました。

 また、縦列駐車時などのハンドル操作を補助するインテリジェントパーキングアシストやEVドライブモードなど先進の電子制御システムを世界で初めて採用しています。

 さらに、当時は世界的にエコ志向が高まり始めていた時期でもあり、ハリウッドスター達がプリウスに乗ることを一種のステータスとして捉えていた時代でもあります。

 その影響もあって、2代目プリウスが登場した2003年9月から3代目登場時期の2009年4月までに約119万台を売り上げました。 

 2代目で高まったプリウス人気を一気に爆発させたといわれているのが、3代目プリウスです。発売開始の2009年5月から4代目へとバトンタッチする2015年11月まで、約227万台を売り上げました。

 2009年4月に施行された「エコカー補助金」の追い風もあり、発売開始から約1か月間の受注台数は月販目標の1万台の18倍にあたる約18万台を受注。納車は最大で約10か月以上待ちとなるなど驚異的な人気を誇ります。

 そして、3代目プリウスは年間販売台数を31万5669台(2010年)、31万7675台(2012年)と過去にもあまり例がない30万台超えを2度も達成。名実ともに「売れているクルマ」でした。

 現行の4代目プリウスは2015年に登場します。外観デザインは大きく変貌を遂げ、トヨタ自身も述べているように「攻めのモデルチェンジ」となっているのが特徴です。

 燃費性能は、より実燃費に近づけた新たな燃費基準であるJC08モード走行燃費で、最高40.8km/Lを記録。3代目プリウスがJC08モード走行燃費で最高32.6km/Lであったのと比べると、4代目ではさらに燃費性能を伸ばして登場しました。

 前述のとおり、4代目プリウスのデザインが不評だったことや、先代の3代目プリウスがあまりにも売れすぎたこと、また他社のハイブリッド車が豊富になったなどさまざまな要因もあって、これまでの販売台数から比べると勢いは落ちていますが、2015年12月から2019年8月までで約87万台を販売しています。

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