程度の良い個体が減っているからこそ今乗りたい!
エンジンの進化は排出ガスとの戦いでもあり、平成12年排出ガス規制では、多くのスポーツカーが2002年で生産を終えたことでも伺い知ることができる。もちろん、2002年で生産を終えた車両も中古車で乗ることはできるものの、良質な個体は当然減る一方だ。そこで完全に絶滅してしまう前に乗っておきたい平成12年排出ガス規制で消えてしまった名エンジンをご紹介したい。
1)日産・RB26DETT
日産がグループAで勝つことを至上命題に生み出したのが、このRB26DETT型エンジンだ。日本の自動車税制から見ると中途半端な2568ccという排気量も、当時のターボ係数を考慮しての数値だったことはご存じの通りだ。
市販車に搭載された同エンジンは最高出力こそ当時の自主規制値いっぱいの280馬力だったが、それは仮の姿。吸排気系をあえて絞ることでパワーを抑えており、ここを改善するだけで軽々300馬力を突破する実力を持ち合わせていた。
そんな特別なエンジンが搭載されていたのは、スカイラインGT-Rとオーテックジャパンが手掛けたステージア260RSのみ。R32GT-Rは25年ルールで北米地域への輸出も可能となり、ライバルはどんどん増えている。
2)マツダ・13B-REW
未だにマツダのアイコンでもあるロータリーエンジン。2003年から2012年まではNAロータリーエンジンを搭載したRX-8が販売されていたが、ロータリーターボとしてはFD3S型RX-7が最後となっている。
当初は255馬力でスタートしたロータリーターボも、通称5型と呼ばれる1999年に登場したモデルからはついに280馬力を達成(MT車のみ)している。そんなロータリーエンジンの魅力はなんといってもその独特のフィーリングだろう。ピストンが往復運動をするレシプロエンジンとは異なり、ローターが回転運動をするロータリーエンジンのスムースな回転フィールは一度体感したら病みつきになってしまうほど。
そんな13B-REWエンジンが搭載されるのは前述のFD3S型RX-7のみ。すでに最終型のスピリットRの低走行車は新車価格を超える値札がついており、そろそろラストチャンスかもしれない。
3)日産・SR20DET
日産の2リッターエンジンとして長きに渡ってさまざまな車種に搭載されたSRエンジン。中でもツインカムターボのSR20DET型は、シルビア/180SXを筆頭に、ブルーバードやパルサーなど、ラリーに参戦した車種にも搭載されていたエンジン。長期に渡って搭載されていたことからもチューニングのベースとしても未だに高い人気があり、仕様によっては500馬力近いパワーを叩き出すことも不可能ではないというから驚きだ。
そんなSR20DETエンジンも排出ガス規制には対策ができず、2002年8月をもって終焉を迎える。当時はS15型シルビアとW11型アベニールに搭載されていたのが最後だった。その後、排出ガスに適合したSR20VE型及びSR20VET型エンジンがリリースされるも、純然たるスポーツカーには搭載されることなく短期間で生産を終了してしまった。
ちなみにスープラも平成12年排出ガス規制によって生産を終了したモデルではあるが、同型の2JZ-GE型及び2JZ-GTE型エンジンを搭載したアリストは規制をクリアして2005年まで販売が続けられていたため今回は除外としている。
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