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マツダ・ロードスター ND発売から約7年 ここにきて販売台数が増えてきたワケ

掲載 更新 7
マツダ・ロードスター ND発売から約7年 ここにきて販売台数が増えてきたワケ

なんと前年比2倍ペース

これは単なる一過性のブームではなく、時代の流れが変わったのか?

【画像】後輪駆動+軽量+オープン【ロードスターとS660を比較】 全136枚

そんなふうに思わせるような出来事がある。

このところ、マツダ「ロードスター」の販売が好調なのだ。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会の調べによると、2022年1月の乗用車ブランド通称名称別順位で、ロードスターは前年同月対比214.9%となる1122台で38位となった。

続く2月も1月とほぼ同数の1120台(198.2%)となり、37位である。

上位50位まで表示がある中、30番台後半だからといって、さほど喜ぶこともないと思う方もいるかもしれない。

だが、ロードスターは言わずと知れた日本車では稀有な存在の小型オープンスポーツカーである。

しかも、ND(4代目)にフルモデルチャンジしてから、早くも約7年の歳月が経っており、ここへきての月販1000台は異例の状況だと言ってよいだろう。

では、なぜいま、ロードスターがよく売れているのか?

直接的な理由は当然、2021年になされた、商品改良に伴うものだ。

特別仕様車「990S」と「ネイビートップ」、そしてカタログモデルとして追加機種となる「RF VSテラコッタセレクション」の3モデルである。

これら商品改良モデルがきっかけとなって、社会の中に隠れていたロードスターへの憧れが花開いているように感じる。

商品改良前から波はきていた?

2022年2月、静岡県内で開催されたロードスター商品改良モデルのメディア向け試乗会に参加した。

そのとき、現地にいたマツダ関係者や、新型コロナ感染症対策のため広島本社とオンラインで結んでの意見交換の中で、ロードスター人気の背景についてあらためて確認した。

実は、筆者(桃田健史)は2021年12月の時点でオンラインによるロードスター商品改良の技術説明を受けていたのだ。

その際、国内営業本部の関係者から、ロードスター販売台数の推移や、予約受注におけるユーザーの変化について詳しい数値を見ていた。

それによると、日本国内での販売代数に変化の兆しが見え始めたのは、2020年後半から。

四半期ごとの受注実績では、2020年第3四半期が前年同期比137%、同第4四半期が114%、

そして2021年にはいると第1四半期で177%、第2四半期で147%、第3四半期で111%、また第4四半期(10~11月)で126%だった。

こうしたロードスター人気上昇の機運があったところに、商品改良が加わり2022年に入ってからは前述にように単月で前年同月比2倍ペースで受注が拡大している状況だ。 

2021年12月のオンライン意見交換の時点で、マツダ側は「基本的にはコロナ禍の影響があると思うが、詳細な市場分析はこれから逐一おこなう」とコメントしていた。

コロナ禍の影響とは……。

ロードスターは中高年のクルマ?

マツダの資料には、ロードスター販売好調とコロナ禍との関係性について「移動手段に対する意識/ライフスタイル/趣味へのお金の使い方の変化が後押し」という視点で捉えている。

そのうえで、ひと目で分かる市場変化が、購入者層の若返りだ。

商品改良を含む2021年9~12月の予約受注状況で見ると、30代未満の構成比が15%から30%へと倍増している。

2020年販売実績で年齢別データでは、最も多いのが50代(35%)で、以下40代(27%)、60代以上(23%)となり、40代以上でなんと85%を占めており、ロードスターは中高年のクルマというイメージが強い。

30代は6%で、20代以下は9%に過ぎないからだ。

こうした状況に変化が見えてきたのだ。なぜだろうか?

2021年12月のオンライン意見交換後、筆者は「これがラストチャンスかもしれない……、という意識を持つ人が若い層も含めて増えているのではないか」という個人的な見解を持ち、各方面で記事化した。 

社会背景として、世の中の急激な電動化が挙げられる。

マツダの将来の技術構想に関係して、「2030年以降の電動化ロードマップに、ロードスターも組み込まれている」とマツダ幹部が明言したことにより、純ガソリン車としてのロードスターはNDがファイナルモデルとなることが確定しているのだ。

純ガソリンはNDが最後?

話を、2022年2月のメディア向け試乗会に戻す。

ND開発総指揮者であるマツダ商品本部主査の齋藤茂雄氏は、電動化となる次期ロードスターについて「わたしはあくまでも現行モデルの主査であり、NDをより良いクルマにすることを最優先しています」と言い切っている。

また、国内営業本部関係者は、ロードスターの販売好調と購入者の若返りの理由については、「(純ガソリン車として)これが最後かもしれない……という想いを持つ人が少なくないようです」と、2021年12月に筆者が想定した市場の動きを裏付ける発言をしている。

最後に、つい先日、マツダ以外のメディア向け試乗会で箱根周辺の有料道路を走った際、高台の駐車場で、若いカップルが乗る北関東地域ナンバーのブリティッシュグリーンのNA(初代ロードスター)に出会った。

こちらのカメラマンらと一緒に声をかけてみると、オーナーは19歳の女性。

「免許をとって初めてのクルマ」だという。購入の決め手は「リトラ(リトラクタブルライト)が欲しかった」そうだ。

車内を見るとMT車。ロードスターの走りを存分に味わっているようだ。

ちなみに、2020年ND販売実績で、女性ユーザー比率は7%にとどまる。

NDのみならず、ロードスターのユーザー層は、まだまだ広がっていきそうだ。

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みんなのコメント

7件
  • 実用性皆無の趣味車で7年も経過している事を考えれば、
    確かに売れてる方だなって思う。
  • 人口ボリュームゾーンの50代。
    子供が大学を卒業したとなれば、ひとつ買ってみるかとなる。
    ところが選択肢がコレしかない!!
    という人が何割かいると思われます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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