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【真夏のスーパーカー特集01】すべてはランボルギーニ ミウラから始まった

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【真夏のスーパーカー特集01】すべてはランボルギーニ ミウラから始まった

スーパーカーの起源には諸説あるが、1966年のジュネーブショーで披露されたランボルギーニ ミウラがその嚆矢と考えるのが妥当だ。大排気量エンジンをリアミッドに搭載するパッケージングは、その後、スーパーカーのアイコンとして世界中で認知されることになる。(タイトル写真:1971年式ミウラP400S)

市販乗用車の常識を覆したランボルギーニ ミウラ
1965年のトリノショーでランボルギーニが展示したベアシャシ「TP400」は、まだボディが被さっていないにもかかわらず来場者の目を釘付けにした。鋼板を溶接して構成されたバックボーンフレーム、そのリアミッドには4LのV12 DOHCエンジンが搭載されていた。

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当時はまだミッドシップはレースカーに採用される特殊なレイアウト。大排気量の市販ミッドシップ車はフォードGT40 マーク3くらいしか前例がなく、しかもル・マン24時間レースのホモロゲ用として製作された市販レーシングカーであった。ゆえに量産を前提にした大排気量ミッドシップは「TP400」が世界初と言えるものだったのだ。市販への期待はまさに爆発的に高まったという。

翌1966年、その期待に応える形でジュネーブショーに出品されたのが「ミウラ」だ。ジャンパオロ・ダラーラとパオロ・スタンツァーニが開発したシャシに、マルチェロ・ガンディーニが架装した優雅なボディ、リアミッドに横置き搭載された3929ccのV12 DOHCエンジンに世界が息を飲んだ。欧州の富裕層を中心に、まだプロトタイプであるにも関わらず、会場では100台を超すオーダーがあったという。もっとも、市販までにはさらなる時間を要した。

待望の市販モデルが発売されたのは1967年。「P400」と名付けられたランボルギーニ ミウラがついに公道を走り始めた。搭載エンジンは3929ccの60度V12 DOHC。エンジンブロックとトランスミッションケースを一体鋳造したユニークな二階建て構造で、エンジンとトランスミッションを同じオイルで潤滑していた。公称最高速は300km/hである。スーパーカー誕生の瞬間だ。

日々進化を続けたパイオニア
ただし、その操縦性にはまだまだ課題を抱えていたのも事実だ。前後重量配分は42:58で、V12 DOHCを横置きに搭載するミウラのハンドリングは、後世レーシングカーの設計・開発で名を馳せるダラーラやカウンタックの開発を手掛けたスタンツァーニをもってしても一筋縄ではいかなかった。

空力にも問題を抱えており、公称値の300km/hはともかく実際に250km/hの巡航をこなす異次元の性能を発揮したが、前後同サイズのタイヤなどがハンドリングを阻害し、いったんリアがブレイクすると制御不能に陥ると言われた。それゆえ「1台生産するごとに改良されていった」と言われるほど、頻繁な仕様変更を行い、操縦性を始めさまざまな改善が行われた。

1969年には、パワーアップバージョンの「P400S」も登場。車名に加えられたSはスピント=チューニングを表し、エンジン燃焼室の形状変更による圧縮比アップ、インテークマニフォールドの径拡大などにより370psまでパワーアップしている。また顧客であった富裕層の嗜好に合わせ、パワーウインドーを標準装備したほかエアコンの装着も可能になった。オーバーヘッドコンソールの採用もP400Sからである。1971年にSVに移行するまで、およそ140台が生産されたという。

そして、日々改善が施されたミウラの最終進化系が、1971年に登場した「P400SV」だ。エンジンは最高出力を385psまで高めた一方で、トランスミッションの潤滑系統と別系統となり、冷間時のギアが入りにくいという悪癖も解消された。タイヤサイズも前215/70VR15・後225/60VR15と前後異サイズとなり、操縦性は大幅に改善された。その生産台数は150台前後と言われる。

スーパーカーという新ジャンルを切り拓いたミウラは、さらなる挑戦を続けるべく1973年に生産を終了。その志は後継車となる「カウンタック」へと引き継がれていった。

スーパーカー図鑑のバックナンバー

ランボルギーニ ミウラP400SV 主要諸元
●全長×全幅×全高:4390×1780×1100mm
●ホイールベース:2504mm
●重量:1305kg
●エンジン:60度V12 DOHC
●排気量:3929cc
●最高出力:385ps/7850rpm
●最大トルク:40.7kgm/5750rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きミッドシップRWD

[ アルバム : ランボルギーニ ミウラ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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