現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハーレー新型「ロードグライド」に感じる 高い完成度と『お得感』

ここから本文です

ハーレー新型「ロードグライド」に感じる 高い完成度と『お得感』

掲載
ハーレー新型「ロードグライド」に感じる 高い完成度と『お得感』

全面刷新された最新のロードグライド

 新デザインのLEDヘッドライトを備えた外装や12.3インチのTFTタッチパネル・スクリーンによるメーターが採用され、ハーレーダビッドソンに新たな時代が到来したことを印象づけたCVOモデル(Custom Vechicle Operation/ファクトリーカスタム車両)「ストリートグライド」と「ロードグライド」。

【画像】全面進化したハーレー「ロードグライド」を画像で見る(19枚)

 2023年6月に販売された同CVOモデルですが、今年はレギュラーといえるツーリングモデルでもそのデザインが踏襲されました。

 ここでは2024年の注目モデルである“ロードグライド”を試乗してみたのですが、最新モデルはルックスのみならず走行性能においてもハーレーというマシンの進化を、多くの人にまざまざと感じさせるものかもしれません。

 現在のハーレー、そのフラッグシップモデルに「ロードグライド」が位置することに異論を挟む人は少ないでしょうが、前述したとおり、2024モデルはタッチパネル仕様となったディスプレイや外装によってイメージが一新され、より高級感溢れる雰囲気に。メーター類が起因となっているのでしょうが、あたかも欧州車の高級セダンを思わせる佇まいです。

 新型ロードグライドに跨ってみると多くの人が感じるのは、その大きさではないでしょう。スペック上の全長こそ同じツアラーモデルのストリートグライドと変わらず2,410mmとなっているのですが、フレームマウントされたシャークノーズフェアリングのサイズ感やグリップ位置が高めとなるエイプハンガー(ハンドルバー)によるポジションなどが影響して、かなり大柄で、ともすれば威圧的な印象すら受けます。

 ハーレーの魅力を威風堂々とした重厚な姿とするならコレはコレでアリでしょうが、正直な意見を言ってしまえば同じツアラーモデルでも街中ではストリートグライドの方が気楽です。

 しかしながら、高速での長距離移動などは、この大きさが一段上の安定感をもたらします。

 車重自体はストリートグライドの368kgに比べて380kgと見た目どおりにヘビーなのですが、例えば重いオンスのボーリングの球が安定してレーンを転がるのと同じように、高い直進安定性に繋がっているように感じさせられます。

 また、エンジンにしても昨年モデルの114キュービックインチ(1868cc)から117キュービックインチ(1923cc)に排気量が高められており、かなりのトルクとパワーを感じる味つけに変更。ストローク自体は114.3mmと昨年モデルと同等なのですが、ボアを従来の102mmから103.5mmに拡大することでパワーとスムースさを両立するエンジンに仕上げられています。アクセルを捻った時に感じる加速はかなりのものです。

 基本、多くの空冷系ハーレーはボアよりもストロークの方が長い『ロングストローク』タイプのエンジンとなっており、それが独特の鼓動感やトルク感を生み出しているのですが、そのボアとストロークの比率の数値が少なくなればなるほど、エンジンがスムースになるのも内燃機の法則であり、ボアとストロークが同等の『スクエア』タイプは、よりスムースな印象をうけるのが正直なところです。

 同じように2023モデルよりも2024モデルのロードグライドの方が、淀みのないエンジンの回転の上昇を感じるのですが、おそらくはこれが現在のハーレーの目指す味つけであるとも推測できます。

ライバルはやはり「BMW Motorrad」

 近年のハーレーダビッドソンの動向を見ると、2021年に登場したアドベンチャーモデル「パンアメリカ」や昨年に発売された「X350」「X500」からも分かるとおり、アメリカン・クルーザーだけではなく、ユーザーに様々な選択肢を与える総合バイクメーカー的な方向にシフトしつつあるように感じます。そしてその先に見据えるライバルとしてあるのがBMW Motorradなのではないでしょうか。

 奇しくもBMW Motorradはハーレーのソフテイル的な機構のリアまわりを備えた「R18」や、それをバガースタイルとした「R18B」、「R18 Transcontinental」などをラインナップしていますが、きっと狙うのはハーレーの市場であり、ファン層です。

 そうした目線で2024年の新型ロードグライドを見ると、「バイク」としての完成度は多くのユーザーから高い評価を受けるBMW Motorradと比較しても遜色ないレベルです。

 ちなみに新型ロードグライドはCVOモデルの562万9800円と比較すると369万3800円とリーズナブルな設定になっており、新デザインでも2023年モデルからお値段据え置きです。

 もちろん、CVOモデルとレギュラーモデルでは排気量(CVOは121キュービックインチ/1977cc)やフロントフォーク、リアサスペンション、ブレーキ、ホイールやスピーカー、ペイントワークなど装備に違いがあり、それ相応の価格差となるのは仕方ないのですが、それでもLEDランプを備えたニューフェアリングとタッチパネル・スクリーンを備える新型ロードグライドは、かなりのお得感があります。

 バイクとしての完成度を考えても多くのライダーにオススメできる1台です。

こんな記事も読まれています

気軽に乗れちゃうハーレーって!? ハーレーダビッドソンの水冷パラレルツインエンジンを搭載した「X500」に、アクティブ女子の指出瑞貴が乗ってみました!
気軽に乗れちゃうハーレーって!? ハーレーダビッドソンの水冷パラレルツインエンジンを搭載した「X500」に、アクティブ女子の指出瑞貴が乗ってみました!
バイクのニュース
カッコよくて気持ちいい! ネオレトロなスズキのカフェレーサー「SV650X ABS」に乗ってみました!
カッコよくて気持ちいい! ネオレトロなスズキのカフェレーサー「SV650X ABS」に乗ってみました!
バイクのニュース
待望のリアサス搭載車が登場! THUNDER MOTORCYCLES「SoftailThunder250」導入 その理由は?
待望のリアサス搭載車が登場! THUNDER MOTORCYCLES「SoftailThunder250」導入 その理由は?
バイクのニュース
スタイルもカラーも個性的! 2024上半期試乗したバイク BEST 3を発表!~小野木里奈の○○○○○日和~
スタイルもカラーも個性的! 2024上半期試乗したバイク BEST 3を発表!~小野木里奈の○○○○○日和~
バイクのニュース
プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する
プレミアムクラスのクロスオーバーモデル、スズキ「GSX-S1000GX」の実走燃費を計測する
バイクのニュース
トライアルブーム再燃!? 世界タイトルを獲得したホンダが作り上げた往年の公道トライアル車とは
トライアルブーム再燃!? 世界タイトルを獲得したホンダが作り上げた往年の公道トライアル車とは
バイクのニュース
ヤマハのスクーター「NMAX」が「TURBO」化? 新型モデル「NMAX "TURBO "」をインドネシアで発表
ヤマハのスクーター「NMAX」が「TURBO」化? 新型モデル「NMAX "TURBO "」をインドネシアで発表
バイクのニュース
カワサキ「Z2」再生 まずは車両の現状を確認 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~
カワサキ「Z2」再生 まずは車両の現状を確認 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~
バイクのニュース
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
バイクのニュース
カッコよくて軽快! スウェーデン生まれのハスクバーナ「スヴァルトピレン250」に乗ってみました! ~夜道雪のちょっと寄り道~
カッコよくて軽快! スウェーデン生まれのハスクバーナ「スヴァルトピレン250」に乗ってみました! ~夜道雪のちょっと寄り道~
バイクのニュース
コンパクトボディとエキサイティングなスポーツライディングを実現! スズキが「GSX-R1000」2025年モデルを北米で発売
コンパクトボディとエキサイティングなスポーツライディングを実現! スズキが「GSX-R1000」2025年モデルを北米で発売
バイクのニュース
インディアンの限定車「FTR×RSD Super Hooligan」に見る メーカーとカスタムの世界を繋ぐ意味
インディアンの限定車「FTR×RSD Super Hooligan」に見る メーカーとカスタムの世界を繋ぐ意味
バイクのニュース
密かな人気車種!? KOVE「450 RALLY」が支持される理由とは?
密かな人気車種!? KOVE「450 RALLY」が支持される理由とは?
バイクのニュース
「この先10年以上愛されるバイクに」インディアン新型スカウト開発スタッフが語る「主力モデル刷新に込めた思い」
「この先10年以上愛されるバイクに」インディアン新型スカウト開発スタッフが語る「主力モデル刷新に込めた思い」
モーサイ
プロトのハーレー・カスタムコンプリート第二弾「フリスコスタイル」 その拘りとは?
プロトのハーレー・カスタムコンプリート第二弾「フリスコスタイル」 その拘りとは?
バイクのニュース
どのバイクが一番好き? ホンダがカスタマイズされた16台の「CL」をWheels and Waves2024で公開
どのバイクが一番好き? ホンダがカスタマイズされた16台の「CL」をWheels and Waves2024で公開
バイクのニュース
KTM Japanがモトクロス&クロスカントリーのMY2025モデルを発表! KTM Factory Racing譲りの進化を実現
KTM Japanがモトクロス&クロスカントリーのMY2025モデルを発表! KTM Factory Racing譲りの進化を実現
バイクのニュース
Sosa Metalworks初の電動バイクカスタム そこに込められた創り手の想いとは?
Sosa Metalworks初の電動バイクカスタム そこに込められた創り手の想いとは?
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村