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なぜもっと早く投入できなかった?? 日産が中国市場向けBEV「N7」を公開

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なぜもっと早く投入できなかった?? 日産が中国市場向けBEV「N7」を公開

2024年11月に開催となった広州国際モーターショーにおいて、日産の合弁会社である東風日産(東風汽車有限公司DFL)は、新型バッテリーEV 4ドアセダン「N7」を公開した。中国市場では、アリアとヴェヌーシアVX6に続くBEVであり、中期経営計画「The Arc」(2024年度~2026年度)期間中に発売されるBEVとしては初となる。

しかしながら、政府によるNEV政策(2025年も継続と発表)が盛んな中国において、BEVが得意であるはずの日産が、これまでさほどBEVを投入できていなかったことは疑問。なぜもっと早く投入できなかったのだろうか。

なぜもっと早く投入できなかった?? 日産が中国市場向けBEV「N7」を公開

文:吉川賢一/写真:NISSAN

【画像ギャラリー】広州国際モーターショーで公開された日産のBEV「N7」(12枚)

中国市場に力を入れていた日産

日産が、中期経営計画「The Arc」を発表したのは2024年3月25日。変化の激しい中国市場で持続的な成長をするため、日産ブランドモデルのラインナップの73%刷新や、NEVを8車種投入、販売台数の20万台増加(2026年に年間100万台達成)など、高い目標を掲げていた。

もともと日産は、中国市場に向けて、日本市場よりも手厚いラインアップを投入している。BEVはアリア、(東風日産開発の)ヴェヌーシアVX6、プラグインハイブリッドのヴェヌーシアビッグV、ハイブリッド車はエクストレイルシルフィ、その他ガソリン車では、シルフィ、旧型シルフィ、パスファインダー、エクストレイル、旧エクストレイル、キャシュカイ、旧キャシュカイ、ジンチン(キックス)などだ。

新旧のモデルを同時に販売しているのは面白いところだが、旧型であっても、大型インフォテイメントモニターを導入していたり、内装素材をこだわっていたり、一部車種ではエクステリアも最新のデジタルVモーショングリルを投入していたりと、きちんと内外装をアップデートして魅力を上げている。

「N7」は、4930×1895×1487mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2915mmのミドルクラスセダン。アルティマよりもやや大きいサイズ感だ

2024年3月25日に発表した「The Arc」の中国市場向けの説明。日産ブランドモデルのラインナップの73%刷新や、NEVを8車種投入するなど、高い目標を掲げている

N7は自動運転レベル3クラスの運転支援搭載か!??

ここに、ミッドサイズセダンの新型N7が加わることになる。新型N7は、BEVとPHEV両用に開発された4ドアセダンで、滑らかな曲線でつないだスタイリングに、細目のLEDヘッドライト、細かい三角模様で形成されたLEDテールランプなど、昨今、中国市場で受けている他社モデルのトレンドに沿ったデザインが取り入れられている。

フロントフェイスにはVモーションデザインが投入されているというが、グリルレス形状なので、日産ブランドロゴを隠したら、正直どこのメーカー製造なのか分からなくなりそう。ただ、他の中国メーカーに紛れて売るには、これくらいがちょうどよいのかもしれない。

インテリアや運転支援システムなどの詳細に関しては未発表だが、N7の頭脳には、アメリカのクアルコム製「スナップドラゴン8295プロセッサー」が搭載されているという。東風日産と中国の大手自動運転技術企業「モメンタ社」とで共同開発した「ナビゲート・オン・オートパイロット」と呼ぶ先進運転支援技術とのことだが、想像するに、既存のプロパイロット2.0を超える、自動運転レベル3クラスの運転支援が織り込まれているのだろう。

発売は2025年上半期を予定しているそうだが、おそらく、2025年4月末の「北京モーターショー2025」前後に発売となるだろう。

細かい三角模様で形成されたLEDテールランプ。昨今、中国市場で受けている他社モデルのトレンドに沿ったデザインに見える

中国の開発スピードについていけなかった

中国市場の自動車関連技術の進化のスピードは、異次元レベル。BYDを筆頭とした新興メーカーが、新型車や新技術を次々に発表しており、しかもどれも超低価格で打ち出している。数年前には、シルフィがたまたま爆売れしてくれ、中国市場でも一躍知名度を上げた日産だが、すでに昔の話。日産はこれまで、北米や中国、欧州、その他日本を含むアジアに向けて、複数の市場で使いまわせる「グローバルカー」をつくってきたが、中国市場向けEV開発については、東風汽車に移管する意思を表明しており、今後は東風汽車が中国専売モデルを開発していくことになる。

おそらく、体力のないいまの日産にとって、中国市場のスピードについていくのは難しく、できれば「地産地消で済ませたい」という思いなのだろう。ここまで時間がかかったのは、日産車は、中国メーカーよりもいいものを、日産自体がつくらなければならない、というプライドが邪魔していたということなのかもしれない。

◆     ◆     ◆

「N7」が初お披露目された2024年4月の北京モーターショーでは、セダン型コンセプトカーが1台、SUV型コンセプトカーが2台発表されており、いずれも東風汽車が開発を担当し、順次、中国市場へ投入される見込みだ。苦しい時期が続いている日産だが、日産にはこれからも、ワクワクする、日産にしかつくれないクルマを、我々に届け続けてほしいと思う。

【画像ギャラリー】広州国際モーターショーで公開された日産のBEV「N7」(12枚)

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みんなのコメント

16件
  • jmk********
    なぜもっと早く投入できなかった??
    日産だからです早く投入できれば日産でなくなります。
  • kqv********
    売れないから急遽東風汽車でOEM作って売り出したんでしょ。
    日産のロゴつけた東風汽車の車だよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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