この記事をまとめると
■インドネシア国際モーターショー2024に合わせて訪れたインドネシア・ジャカルタで定点観測を実施
「カワイイ」で人気だったウーリン・エアEVのブームが終了!? インドネシアで見えたBYDの台頭
■ジャカルタの街なかでは圧倒的にトヨタ車が多い
■ショー会場で勢いのある中国BEVは街中で見かけることが少なくヒョンデのほうが勢いを感じる
インドネシア・ジャカルタでもっとも見かけるクルマは?
筆者が海外へ出かけるとよく行うのが、「クルマの定点観測」である。頻繁に訪れる国には、いくつかの定点観測ポイントを勝手に選び、そこでカメラを片手に自分で時間を決め、そこを通るクルマをウォッチングすることを楽しみにしている。
インドネシアの首都ジャカルタでもいくつかポイントを設けているのだが、今回は日本大使館が近くにある、ジャカルタ市内のまさに中心部の交差点で1時間ほど滞在して通るクルマをウォッチした。
日本車で多く見かけるのは、トヨタのタクシー専用車となる「トランスムーバー」となるが、これはタクシーだから多く見かけるのは当たり前。
タクシーは別としても、それでも街なかで見かけるクルマは圧倒的にトヨタ車が多いのも確か。ほかの東南アジアでも鉄壁の高い人気を誇るアルファードは、今回も先代型に交じって新型を見かけることができた。インドネシアでのスタート価格は約1300万円もするがよく売れており、2024年2月に開催されたIIMS2024(インドネシア国際モーターショー2024)では、ヴェルファイアもデビューしている。
インドネシアというか、ジャカルタで見ていて特徴的なのは、アルファードに負けず劣らずトヨタ・ヴォクシーもよく見かけるということ。スタート価格で約600万円なのでけっして安くはなく、日本のように単純に「ファミリーミニバン」として売れているわけでもなさそうだ。インドネシアの人はヴォクシーのような押しの強い顔つきが大好きなので、それもあるかもしれない。
タイ同様にトヨタ・カローラクロスとホンダHR-V(日本名ヴェゼル)もよく見かける。腰高なクルマは東南アジアで人気も高く、サイズも手ごろなところがウケているようだ。
新興国専売車のMPV(多目的車)である三菱エクスパンダー、同派生モデルとなるエクスパンダークロスは、ジャカルタのみならず東南アジアでは頻繁に見ることができる。
街なかではまだまだ中国BEVは少ない
また、今回はトヨタ・ランドクルーザー300をたまたま見かけることができたが、スタート価格で約2500万円と、かなりハイクラスな人しか乗ることができないのは間違いない。
意外なところではマツダ6セダンもよく見かける。とはいってもこれはほぼすべてがパトカーとなる。IIMS会場ではステーションワゴンのパトカーも停まっていた。
ショー会場では存在感を見せる中国メーカーだが、その得意技となるBEV(バッテリー電気自動車)は意外なほど街なかでは見かけない。というよりも、街なかで見かける中国系メーカーのBEVはウーリン(上海通用五菱汽車)の「エアEV」ばかり。しかし、このエアEVもここ最近は急速に販売台数を落としている。
街なかで見かけるそのほかのBEVといえば、圧倒的に韓国ヒョンデのアイオニック5であった。
そのアイオニック5は「BEVならまぁよく見かける」レベルであり、街なかではいずれも新興国専用車となる、コンパクトクロスオーバーSUVのクレタやコンパクトMPVのスターゲイザー、スターゲイザーベースの腰高モデルスターゲイザーXのほうが多く見られた。
統計上はインドネシアにおける日本車の販売シェアは9割を超えているが、ジャカルタ首都圏に限れば、日本車のシェアはそれを若干下まわる印象を受ける。
毎年のように定点観測を行っていると、そこから見える風景は微速だと感じるものの確実に変化を見せている。現地の業界関係者からは「BEVをラインアップしていないと政府などとの話し合いもなかなかうまくいかない」といった話も聞いている。街なかではまだまだこれからに見えるBEVだが、政府レベルではかなりBEVに前のめりとなっているのは間違いない。
あくまで私見だが、長い間インドネシアの自動車普及に貢献してきた日本メーカーは別としても、ここ最近の新規参入または本格参入に舵を切ったメーカーについては、BEVのラインアップは「お約束」となっているようにも見える。
このような環境下、次に定点観測したときに見える風景がどのように変わっているのかがいまから楽しみである。
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チョンデがスポンサーか。ボローラ小林って。海外定点観測と称して海外旅行に行き、日本車を貶める記事を書く。