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【モトドーウェル】の「カタナ フォーエバー」は、現行カタナの操安性をそのままに元祖スタイルを表現!  

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【モトドーウェル】の「カタナ フォーエバー」は、現行カタナの操安性をそのままに元祖スタイルを表現!  

ハヤブサのトップブリッジ周りを、うまく流用したり……

現行ベースのスズキ・カタナ。ハンス・ムート氏がデザインした初代カタナの系譜から動力系も足周りも全てが近代的に作り変えられた優秀なバイクだ。それは賛否両論を受けるも、現行のデザインはムート流の形状からは若干離れたものとなっていた。
その現代風運動性やメカ的機能を損なわず、かつてのカタナのイメージをさらに違った発想で形状変更を加えて「カタナ フォーエバー」製作を試みたのが横浜「モトドーウェル」のCEO、菅野博菜氏であった。
菅野氏と初めてお会いしたのは意外なことにバイク関係ではなく、同氏が長年楽しんでいるラジコンカーのイベント会場であった。筆者もまた、「モーサイ」関連の編集部と社屋を同じくするラジコン媒体の撮影も長年行っており、ラジコンの編集部からは菅野姐さんという愛称を伝え聞いていたし、その後はXのほうでのつながりもあった。
実際にお会いしてみると、実行力があり根性の据わった人だなという印象を受けた。
さて、そんな菅野氏、元々はラジコンと同様にモトクロスなどオフロードが大好きだったという。怪我をしても少々の骨折では仕事を休まないというから筋金入りのバイク乗りなのだろう。ご本人の数多い経験と考え方に基づいたポジション形成が、この「カタナ フォーエバー」に反映されているのが撮影を進めるにつれてよく理解できた。
ラジコンの発想でバイクを好きなように(安全に)いじってきたという。
言ってみれば1/1のプラモともいえる。いうのは簡単だが、実行は難しいものだ。
氏の発想の基本は、ノーマルに戻すのが容易であること。基本ジオメトリーには手を付けないとのことで、この車両の操安性はスタンダードの近代カタナの良さをスポイルしていないのだ。
元祖カタナのハンドルの低さや遠さを思い出すと随分コンパクトでありライディングポジションが楽である。使用した部材はハヤブサのトップブリッジ周りを流用しコスト低減を考えている。純正部品ならではの信頼性も重視されている。横から見ると分かるが、FRPのタンクは全長を短くややデフォルメしたもの。シートとハンドルの距離は近い。個人的には、この試作車にはほんの少しGS650Gカタナを思い出させる天地&前後の比率の近さを感じた(かなり昔、筆者は一時所有していた)。
メインキーは容易にアクセスできるタンクカバーの“ドア”の下に収まるようにデザインされているため、雨の日などは直接キーシリンダーassyが雨に打たれることはほぼない。
取材にうかがった際に撮影したのは試作車であり、モトドーウェルの社用車。この仕様からよりブラッシュアップされた市販バージョンは、タンクからサイドカバーまでのつながりが、さらに改良されるとのこと。すでにこの外装キットは予約が多数入っているそうだ。
次回、天候の良い日にうかがえる機会があったら、少し長めに拝借してショートツーリングで横浜港あたりまで行ったみたくなる……そんな「カタナ フォーエバー」だった。

【 画像ギャラリー 13枚】【モトドーウェル】の「カタナ フォーエバー」は、現行カタナの操安性をそのままに元祖スタイルを表現!……の写真を見る!

○「カタナ フォーエバー」(新型KATANA1000用外装キット)概要
基本セット内容
・アッパーカウル
・タンクカバー
・サイドカバー左右
・シートカウル
・シートレールカウル
(外装はすべて白ゲルコート)
・シート
・アッパーカウルステー
・メーター+スクリーンステー
・テールランプステー
・タンク+シートレールステー
・ボルト類
基本セット価格 374,000円(送料別)
※シート表皮には、色設定とディンプル設定のオプションがある。

※以下「■~」は写真の説明文。写真は【画像ギャラリー】にまとめてある。

■斜め後ろからの姿も軽快そうなイメージだ。

■ステアリング周りの構成とメインキーへのアクセスドアが分かるカット。

■このドアを開けるとメインキーの操作が可能。

■エンジン、排気系のエキパイまではノーマルで、乗りやすさを重視。この試作型ではステップをアルミ製に変更している。

■シート下で雨などの跳ね上げをカバーするFRPのアンダーカバーは今後仕様変更の予定とのこと。後部にキーを備え、シートへのアクセスが可能となっている。

■「細かいところだけど、フェンダーを丸くしました」とのこと。分かる気がする小変更。

■よく考えられたフロントからシートまでのつながり。座面からハンドルまでの距離は、例えば年配のリターンライダーにも無理を感じさせないことだろう。シートは自社製。

■この写真アングルでは、スタンダードのトップブリッジとハンドルの付いている位置の高度差が分かりやすい。ウインカーは小型のものを採用。

■愛おしそうに雨粒を拭き取る菅野さんの横顔に、この車両への熱意と愛着を感じる。

■ラジコンレースのみならず、ミニバイクレースでも桶川に参戦するなど、いつも積極的に活動する菅野さん。XSR900用カウルミラーなど創意工夫も多く、次作が楽しみだ。

レポート&撮影●小見哲彦 取材協力●モトドーウェル

プロフィール●小見哲彦

無類のバイク好きカメラマン。
大手通信社や新聞社の報道ライダーとしてバイク漬けになった後、写真総合会社にて修行、一流ファッションカメラマン、商品撮影エキスパートのアシスタントを経て独立。神奈川二科展、コダック・スタジオフォトコンテスト等に入選。大手企業の商品広告撮影をしつつも、国内/国外問わず大好きなバイクを撮るように。『モーターサイクリスト』誌ほか多数のバイク雑誌にて撮影。防衛関係の公的機関から、年間写真コンテストの審査員と広報担当人員への写真教育指導を2021年より依頼されている。

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