アルピーヌに所属し来季はハースへ移籍するエステバン・オコンは、FIAが2026年のF1空力レギュレーションを厳しく取り締まることで、より多くのチームが勝利を目指せる状態が生まれることを望んでいる。
F1は2026年から新たなテクニカルレギュレーションに移行し、次世代パワーユニット(PU)だけでなく、シャシーの空力面も大きく変更される。フロントウイングとリヤウイングは可動式のアクティブエアロが導入される他、ベンチュリトンネルの効果を制限するためにフロアが浅く設定される。
■2026年F1新PU規則は、“ハイブリッド元年”のような勢力図変化を起こさない?「ひとつの領域で大きな差別化は難しい」とレッドブル
またマシンの全体的な俊敏性を向上させるために、2026年以降は全幅・全長ともに小さくなる予定だ。
今年のカナダGPに先駆けて発表された次世代シャシーのレギュレーションだが、FIAが提示したいくつかの提案に対しては反対の声が上がり、一部チームから取り締まりが厳しすぎると批判を浴びた。
しかしオコンは厳しい取り締まりを歓迎している。2026年シーズン開幕時点で様々な開発アプローチが生まれ勢力図に大きな開きが生じるよりも、各チームの実力が拮抗するようにレギュレーションが厳しい方が良いと考えているのだ。
「(現状では)異なるウィナーがいるという意見には同意できない」
オコンは開口一番、そう語った。
「マクラーレン、レッドブル、メルセデス、フェラーリ……彼らは昔も今も同じだ。マクラーレンがそこ(上位チーム)に加わったから、基本的には(2022年の)レギュレーション変更で1チームがなんとか上に登れたということだ」
「コンストラクターズ選手権があり、そのチームがベストなのかが重要なのは変わらない。でも、全車が0.3~0.4秒以内に収まっていなければならない」
「(新レギュレーションでは)空力的に様々なことが制限されているけど、いくつかのチームはよりオープンにしようとプッシュしている。FIAが『これ以上緩くするのはダメだ』と言ってくれると良いね」
「もしそうだとしたら、マシンの全体的な開発よりも、その週末の中で誰が最高の仕事をするかにかかっているからね」
「ファンとして何が好きか? 僕らはバトルが大好きで、ホイール・トゥ・ホイールの接近戦、レースが終わるまでトップ争いが続く展開が大好きだ」
「誰がシーズンを通して最も成長したかなんて、あまり気にしていない。日曜日にTVで見るには、あまりクールではないことだ」
さらにオコンは、理想的なシナリオがF3やドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦していた時に経験したような拮抗具合だと語り、現在のフォーミュラEも理想的なシナリオに近いと示唆した。
また、無制限の空力開発に比べれば、2026年の次世代PU開発ははるかに小さな差別化要因になるとオコンは考えを語った。
「このスポーツのファンとして、そしてドライバーとして、僕が見たいのは10台のマシンがその週末で勝てるかもしれないという展開だ。F3やDTMで何度か見られたようなモノだ」
「2026年のPUには若干の違いがあると良いね。でも空力的はかなり固定されそうだ。(ワンメイクシャシーの)フォーミュラEのようにはならないけど、ほぼそうなってほしい」
「(PUは)思っているよりもずっと影響が少ない。パフォーマンス要因ではあるけど、空力開発やそのほかの要素に比べれば大したことはない」
「パッケージ全体の10%だ。僕が言いたいのは、PUは良いけど、それ以外は規制しておくべきということだ!」
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