2023年10月27日(現地時間)、F1第20戦メキシコGPがメキシコシティ郊外のアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕する。南北アメリカ大陸3連戦の2戦めは、通常のレースフォーマットで行われる。はたして今年はどんなレースになるのだろうか。
母国メキシコでペレスがどんな走りを見せるか注目
前戦第19戦アメリカGPではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが6番グリッドから鮮やかな逆転優勝。今季15勝目と、ドライバーチャンピオンを決めてからも、まったく手を緩めない快走を続けている。
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優勝候補はここでもレッドブルのふたりとなるが、このところ元気のないセルジオ・ペレスが熱狂的な地元ファンの声援を受けて、どんな走りをするのか注目したい。シーズン前半戦ではフェルスタッペンとランキングトップの座を争っていたが、いまやランキング2位が危うい状態となっているだけに、このメキシコGPを機に再び上昇気流に乗りたいところだろう。
前戦第19戦アメリカGPでファステストラップも記録し、5ポイントをゲットした角田裕毅(アルファタウリ )の走りにも注目したい。アメリカGPからの連戦で、どのチームも大きなアップデートが望めないだけに、再びポイント獲得のチャンスと言えるだろう。
ランキングを見てみると、ドライバーズ/コンストラクターズともに2位以下は混戦模様で、メキシコGPの結果次第でまだまだ順位変動はありそうだ。
2023年F1ドライバーズランキング(第19戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)466
2位 S.ペレス(レッドブル)240
3位 L.ハミルトン(メルセデス)201
4位 F.アロンソ(アストンマーティン)183
5位 C.サインツ(フェラーリ)171
6位 L.ノリス(マクラーレン)159
7位 C.ルクレール(フェラーリ)151
8位 G.ラッセル(メルセデス)143
2023年F1コンストラクターズランキング(第19戦終了時)
1位 レッドブル706
2位 メルセデス 344
3位 フェラーリ 322
4位 マクラーレン 242
5位 アストンマーティン 236
高地に位置するため空気が薄いことが特徴のサーキット
では、メキシコGPが行われるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキット(Aut dromo Hermanos Rodriguez)はどんなコースなのだろうか。
メキシコシティ西に位置するこのサーキットの最大の特徴は、標高約2300mの高地に位置するため空気が薄いこと。空気抵抗の減少によりストレートスピードが上がる一方で、ダウンフォースが減少するためコーナリング時のグリップが低下しブレーキに負担がかかるなど、車両セッティングは通常のサーキットの場合とかなり違ってくる。また、酸素が少ないためエンジンの燃焼効率が落ち、ドライバーにとっても体力的に大きな負担となる。さらに冷却効率が低下することも指摘される。
全長4304mのコースは、長い直線2本があるセクター1、中速コーナーが連続するセクター2、低速コーナーが中心となるセクター3で構成される。さまざまな要素が組み合わされたバランスのいい設定で、空気抵抗が小さいためホームストレートエンドで最高速360km/h以上に達する一方、減速に必要なダウンフォースも少ないためブレーキングが長くなる。また、ピットレーンが650mと長いためピットでのタイムロスが大きいこともポイントとなる。
このサーキットがもともと野球場があった場所を生かして設計し直されたことは、最終セクションの大きな観客スタンドからうかがえる。
このサーキットではレッドブルが他のどのチームよりも多くの勝利を収めているが、なかでもマックス・フェルスタッペンは7回の出場で4勝をあげている。
2022年のメキシコGPではフェルスタッペンが1ストップで逃げ切り
昨年2022年のメキシコGPでは、ポールポジションからソフトタイヤでスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝している。
フェルスタッペンはソフトタイヤをギリギリまで引っ張って25周目にミディアムに交換。残り46周のあることから、もう1度タイヤ交換が必要かと思われたが、意外とタイヤのタレが少なく、なんと1ストップのままレースを走り切ってしまった。
スタートでミディアムタイヤを履いたメルセデスのルイス・ハミルトンは、予定どおり30周目にハードへと交換し、フェルスタッペンを追っていた。戦略上では、フェルスタッペンがもう1度タイヤ交換に入って、そのタイミングで首位に立てるはずだったが、その思惑は外れ、フェルスタッペンの逃げ切りを許すことになった。
【参考】2022年 F1第20戦メキシコGP 決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)71周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+15.186s
3位 11 S.ペレス(レッドブル)+18.097s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +49.431s
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)+58.123s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+68.774s
7位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+1周
8位 31 E .オコン(アルピーヌ・ルノー)+1周
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1周
10位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+1周
・・・・・・・・・・・・・
13位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+1周
リタイア 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )+70.919s
ファステストラップ: 63 G.ラッセル(メルセデス)
ピレリの分析「ソフトなタイヤの供給で2ストップ戦略も有効な戦略に」
タイヤを供給するピレリは、メキシコGP開幕にあたって「このサーキットは空気が希薄なためダウンフォースが減少しますが、タイヤへの影響は少なく、路面は比較的平滑で、グリップも平均よりも小さいのが特徴です。昨年はメキシコGPにC2、C3、C4のコンパウンドを供給しましたが、多くのドライバーがソフトとミディアムの1ストップを選択しました。今年は、昨年のデータと最新のシミュレーションを慎重に検討した結果、最も柔らかい3つのコンパウンド、C3、C4、C5 を供給することにしました。 これにより戦略の選択の幅が広がり、2ストップ戦略への扉も開かれるはずです」と分析している。
さて2022年のメキシコGPはどんなレースとなるのか。メキシコGPは、10月27日金曜日12時30分(日本時間28日土曜日3時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は10月28日15時(日本時間29日 日曜日6時)、決勝は10月29日14時(日本時間30日月曜日早朝5時)に開始される。
2023年F1第20戦メキシコGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:10月27日12時30分~13時30分(日本時間10月28日03時30分~04時30分)
フリー走行2回目:10月27日16時~17時(日本時間10月28日07時~08時)
フリー走行3回目:10月28日11時30分~12時30分(日本時間10月29日02時30分~03時30分)
予選:10月28日15時~16時(日本時間10月29日06時~07時)
決勝(71周):10月29日14時~(日本時間10月30日05時~)
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