新車試乗レポート[2020.08.21 UP]
MAZDA CX-3(1.5Lガソリン車)試乗レポート マツダのコンパクトSUVに、1.5Lガソリンモデルが追加設定された。その走りは?動力性能は? 気になる乗り味を、川島茂夫がチェック。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
アルファ ロメオのジュリアとステルヴィオが改良を受けて登場。ナビの搭載など装備や質感が充実
●発売日:2020年6月4日
●価格:189万2000~222万1200円
●販売店:マツダ全店
●問い合わせ先:0120-386919
操る手応えを楽しめるモデル
過度な演出を控えた内外装の大人プレミアムや高速長距離を軸に置いた走行性能はマツダ車の欠かせないセールスバリュー。これに沿ってCX-3のウェルバランスを求めればガソリン2Lと1.8Lディーゼルの設定は妥当だが、雰囲気とアシのよさを求めるユーザーには価格が気になりやすいバリエーション展開だった。そこに新たに加わった1.5L車は内外装の雰囲気に惚れてCX-3を考えているユーザーにかなり魅力的だ。
ただし、動力性能と運転支援機能は妥協が必要である。
高速では巡航ギヤ維持の余力が少なく、登坂やちょっとした加速でダウンシフト。加速中の回転域も高め。トルクの余裕のなさが変速頻度や使用回転域に現れている。見方を変えるなら中高回転域を積極的に使うため、操る手応えや性能を引き出している感覚が高く、古典的なファントゥドライブを求めるドライバーには好まれる特性でもある。
同仕様で最も気になるのは運転支援機能。1.5L車にはACCと操舵補助LKAが設定されない。他には標識認識やHUDも非設定である。2L車はベーシックとなるプロアクティブSパッケージから標準装着。ちなみにマツダ2は上級グレード限定だが1.5L車にもACCやLKAを採用している。
2L車との価格差はざっくり50万円。街乗り中心でCX-3の雰囲気を楽しむならコスパ高のモデルと言えるのだが、ACCやLKAの普及や効果を考えると、CX-3の2L車やマツダ2との比較検討を行うほうが賢明と言えるかもしれない。
主要諸元(15S ツーリング)
●全長×全幅×全高:4275×1765×1550mm●ホイールベース:2570mm●車両重量:1210kg●駆動方式:FF●パワートレーン:1496cc 直4DOHC(111PS/14.7kg・m)●トランスミッション:6AT●WLTCモード燃費:17.0km/L●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:215/60R16
15Sはブラックの、15S ツーリング(写真)はシルバーのフロントグリルとなり、ツーリングにはグロスブラックのフォグランプカバーも付く。ホイールは両グレードとも同じ。
新たに追加された1.5LのスカイアクティブG。1.8Lディーゼル、2.0Lガソリンに対してエントリーモデルという位置付けになる。
7インチのWVGAセンターディスプレイ&コマンダーコントロールは標準装備。15S ツーリングにはデジタルタコメーターが付く。
インテリアはブラックドアトリムやソフト形成・ブラックのフロントドアアームレストなどディーゼルのエントリーグレードであるXDに近いコーディネート。
後席は6:4分割可倒式のシートバック。15S ツーリングにはカップホルダー2個付きのセンターアームレストが装備される。
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