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【特別なロードスター M2編01】M2の初号機「1001」は超スパルタンなリアルスポーツカーだった

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【特別なロードスター M2編01】M2の初号機「1001」は超スパルタンなリアルスポーツカーだった

1980年代後半、時代は好景気に沸くバブルの真っ只中、マツダは販売チャンネルを5つに拡大するなど、次々に革新的な取り組みを実践していた。その中のひとつが、1991年に設立した「M2(第2のマツダの意)」という子会社で、そこから1001/1002/1028という名車と呼ぶべき3台のコンプリート車が誕生した。ここではその第1弾、「M2 1001」を紹介する。

第2のマツダを具現化する実験工房として誕生したM2
M2は東京都世田谷区を本拠地として「感動のあるクルマ・生活」を提案する新商品企画会社だったが、マツダの経営危機のため1995年ごろに閉鎖してしまった。具体的にはコンプリートカーの企画・販売にはじまり、コンセプトカーの開発、オリジナルパーツの開発・販売、イベント主催などを実施。そこでは、一般ユーザーと開発者が触れあう機会を作ることで、そこで得た声を製品づくりにフィードバックさせる狙いもあった。ある意味、実験工房という意味も兼ねていた。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

1991年11月28日、ついにM2にとって第1弾となるコンプリートカー「M2 1001」が発表され、翌年の3月に限定300台という小ロットで発売された。プロジェクトリーダーは、当時M2の常務であった立花啓毅氏。初代FFファミリアやRX-7(FC)、そしてユーノスロードスターなどのプロジェクトリーダーを務めてきたエンジニアだ。その立花氏の「理想を実現する」というコンセプトで開発されたのが1001で、当時のリリースには「本格的硬派なライトウエイトスポーツ」と記載されていた。

購入希望者はM2本社ビルに来訪し、直接申し込みをする必要があったにもかかわらず7倍の応募があった。厳選な抽選後、幸運にも当選したオーナーは、再度本社まで出向き、クルマを引き取る必要があった。これはM2社のブランドを高める実に上手な演出だった。

エンジン、外装、インテリア、そのすべてにM2の手が加えられた
ロードスターの標準車からの変更点は非常に多岐にわたる。外観はフォグランプ付きの専用バンパーをはじめ、専用レザーカバー付きのアルミロールバー、カギ付きのアルミ製フューエルリッド。そしてインテリアは、メーター、シート、ドア内張と隅々まで手が加えられていた。

エンジンの排気量はそのままだったが、ハイカム、ハイコンプピストンなどで圧縮比を10.67に高め、さらにポート研磨を施したことで、最高出力は130ps、最大トルクは15.1kgmまで高められた。また専用のエキマニ、軽量フライホイール、そして専用のECUを搭載し、ノーマルのB6とはまったく異なるチューンドエンジンに仕上げられていた。

足回りはスプリングレートを20%アップし、車高を約10mmダウン。ショックはSHOWA製の別注品を装着したほか、専用スタビライザーやブッシュなども強化タイプが採用された。またステアリングギア比(パワーステアリングは取り外されている)とギアマウントの硬度まで変更されていた。さらにノーマルのビスカス式LSDに対し、1001は機械式LSDを搭載したことで、アクセルワークで挙動をコントロールできる楽しみが増加した。

「走る機能以外は必要なし」という強烈なメッセージがファンを惹きつけた
実際に1001のハンドルを握ると、リリースに記された「本格的硬派」が大げさではないことがよくわかる。ズシリと重いステアリングフィールと、それに反比例するかのように軽快に吹け上がるエンジン。向上したコーナリング性能とトルクアップしたエンジンによって、ノーマルよりも確実にワンランク上のスピードでコーナーを駆け抜ける。また、目の前ではクラシカルなメーターの針が踊り、脇に目をやればレザーとシルバーを多用した室内空間が広がる。ノーマルのロードスターとは、まったく異なる世界を実現していた。

ストイック&スパルタンというパワーステアリングもパワーウインドーもエアコン(オプション)もなければ、当然、ドリンクホルダーもない。「走る機能以外は必要なし」という強烈なメッセージを放っていた。

その結果、340万円という高額な価格ながら、限定300台はあっという間に売り切れた。そして、現在の中古車マーケットにおいてもカリスマ的な人気を誇り、高額で取引されている。

新車価格(当時・税別)
●340万円  5速MT

M2 1001装備リスト
専用フロントスポイラー/リアスポイラー
アルミ製ロールバー
アルミ製ドアミラー
モモ社製ステアリング
専用バケットシート
サスタワーバー
機械式LSD
15インチタイヤ&アルミホイール
専用チューニングエンジン(ベース比+10ps)

M2 1001 主要諸元
●全長×全幅×全高:3980×1675×1225mm
●ホイールベース:2265mm
●重量:960kg
●エンジン型式・種類:B6-ZE・直4 DOHC 改
●排気量:1597cc
●圧縮比:10.67
●最高出力:130ps/6500rpm
●10 モード燃費 :10.5 km/L
●燃料 ・タンク容量 :プレミアム45L
●トランスミッション:5速MT
●ステアリングギアレシオ:18:1
●スプリングレート:F2.2kg/mm、R2.0kg/mm
●スタビライザー: Fφ20 mm、Rφ11mm
●タイヤサイズ:195/50R15
●ホイールサイズ:15×6.0JJ
●車両本体価格:340万円

マツダ ユーノスロードスター(NA型) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3970×1675×1235mm
●ホイールベース:2265mm
●重量:960kg
●エンジン型式・種類:B6-ZE・直4 DOHC
●排気量:1597cc
●圧縮比:9.4
●最高出力:120ps/6500rpm
●最大トルク:14.0kgm/5500rpm
●10 モード燃費 :12.2
●燃料 ・タンク容量 :レギュラー45L
●トランスミッション:5速MT、4速AT
●ステアリングギアレシオ:15:1
●スプリングレート:F1.6kg/mm、R1.4kg/mm
●スタビライザー: Fφ19 mm、Rφ12 mm
●ホイールサイズ:14×5.5JJ
●タイヤサイズ:185/60R14
●車両本体価格:170万円



[ アルバム : M2 1001 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

5件
  • 当時M2の常務取締役だった 立花 啓毅氏が 限りなく妥協なく仕立て上げられた 究極のNAロードスターがこの M2-1001
    コンセプトは“カフェレーサー” 
    発表後二回に分けて受け付けられた 300台の抽選販売に1000名以上の購入希望者が殺到した 伝説のM2ロードスター
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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