■見た目以上にハードなオフロード走行に対応したクルマたち
2021年6月10日、トヨタは新型「ランドクルーザー」(300系)を世界初公開し、今夏から販売を開始すると発表しました。
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ランドクルーザーというと日本を代表する本格的なクロスカントリー車ですが、ほかにもスズキ「ジムニー」や海外専用モデルの日産「パトロール」と三菱「パジェロスポーツ」などのクロカン車があります。
こうしたクロカン車は堅牢なラダーフレーム構造のボディの採用や、大径のオフロードタイヤを装着するなど、オフロード走行を重視したモデルです。
一方、現在高い人気を誇っているSUVはオンロード走行を重視したクロスオーバーが主流ですが、そんなSUVのなかにはクロカン車並にオフロード走行を重視したモデルも存在。
そこで、非クロカン車ながら優れた悪路走破性能の4WD車を、5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「デリカ D:5」
三菱は「ジープ」や「パジェロ」といったクロカン車を古くから展開していたメーカーで、そこで培われた技術を応用して誕生したのが、ワンボックスワゴンの「デリカ」をベースにした4WD車「デリカスターワゴン」でした。
デリカスターワゴンは高い悪路走破性能を実現し、それまでにないジャンルのクルマとして人気を博しましたが、その系譜を受け継いだミニバンが2007年に登場した「デリカD:5」です。
2018年11月のマイナーチェンジでフロントフェイスを中心に大胆なデザイン変更がおこなわれ、三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を取り入れました。同時に乗り心地やハンドリングも改善され、ミニバンとしてのポテンシャルも向上。
デビュー当初のエンジンは2.4リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッターガソリンと2.2リッターディーゼルが加わり、現行モデルではディーゼルエンジンに一本化され、ミニバンとして唯一のディーゼル車です。
かつては2WD車も設定されていましたが現行モデルは全グレード4WDで、4WDシステムは3つの走行モードが選べる電子制御式となっており、様々な路面状況に対応。最低地上高も185mmと余裕があるので、新雪路や不整地での走行が可能となっています。
他メーカーのミニバンでも4WDをラインナップしていますが、あくまでも圧雪路などに対応するにとどまり、デリカD:5の悪路走破性能は唯一無二といえ、現在もアウトドア派のファミリー層から絶大な支持を得ています。
●スバル「アウトバック ウィルダネス」
スバルが1972年に発売した「レオーネ エステートバン4WD」は、クロスオーバーSUVの先駆けでした。その系譜を受け継いだのが「レガシィ アウトバック」ですが、残念ながらすでに国内向けの生産を終えています。
しかし、北米では「アウトバック」の名で継続して新型が販売されており、さらに2021年3月にはオフロード性能をさらに高めた「アウトバック ウィルダネス」が登場しました。
アウトバック ウィルダネスはアウトバックをベースに、最低地上高が標準モデルの8.7インチ(約220mm)から9.5インチ(約240mm)まで高められ、前後バンパーの形状変更でアプローチアングルとデパーチャーアングルを改善。
さらにフロントグリル、大型化されたホイールアーチ・プロテクター、フロントスキッドプレート、六角形のLEDフォグランプなどの専用アイテムが装着され、機能的なドレスアップが施されています。
搭載されるエンジンは最高出力263馬力(米規格から仏馬力に換算)を発揮する2.4リッター水平対向4気筒ターボで、トランスミッションはCVTの「リニアトロニック」のみ。
駆動方式は路面状況で走行モードを選択できる「X-MODE」を備えたAWDを継承していますが、標準モデルに対し極低速時のトラクション性能が強化されています。
また、専用セッティングのサスペンションに加え、オールテレーンのオフロードタイヤとスペアタイヤもフルサイズを標準装備するなど、本格的なクロカン車並の装備です。
アウトバック ウィルダネスは北米市場専用モデルで今のところ日本で販売される予定はありませんが、もし日本でも発売されれば人気となりそうです。
●ダイハツ「ビーゴ」
かつてダイハツは「タフト」「ロッキー」「ラガー」といった本格的なクロカン車を販売しており、タフトは軽自動車、ロッキーはコンパクトSUVとして復活を果たしました。
このロッキーが登場する以前に、同じくコンパクトSUVとして1997年に発売されたのが「テリオス」で、さらにテリオスの後継車として2006年に登場したのが「ビーゴ」です。
ビーゴはトールワゴンタイプのクロスオーバーSUVですが、シャシはラダーフレーム状の構造体をモノコックシャシと結合させた「ビルトインラダーフレーム式モノコック」を採用。サスペンションはフロントがストラット、リアは5リンクのリジッドアクスルと本格的です。
また、最低地上高は200mmを確保しており、現行モデルのスズキ「ジムニー シエラ」の最低地上高が210mmですから、オフロード走行を重視していることがうかがえます。ほかにも前後のオーバーハングを短くすることでアプローチアングルとデパーチャーアングルも考慮され、フルサイズのスペアタイヤをリアゲートに設置するなど、完全にオフロード志向のモデルといえます。
エンジンは縦置きに搭載された1.5リッター直列4気筒自然吸気で、トランスミッションは5速MT(4WDのみ)と4速ATを設定。駆動方式はFRをベースとしたフルタイム4WDと2WDを設定するなど、やはりクロカン車に近い設計です。
ビーゴはトヨタにもOEM車「ラッシュ」として供給され、2016年に生産を終えました。しかし、オフロード車向けのシャシは、現在でもアジア圏や南米で販売されているミニバンに継承されています。
■輸入車にもあった! 実力派のオフロード車とは?
●フィアット「パンダクロス」
フィアットは1980年に新時代の大衆車として初代「パンダ」を発売。内外装は巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインで、シンプルながら秀逸なパッケージングと安価な価格で大ヒットを記録しました。
その後、一旦は系譜が途絶えました2003年にすべてを一新した2代目が登場し、現行モデルのパンダは3代目で、日本では2013年に上陸。
3代目では4WDモデルの「パンダ4×4」が遅れてラインナップされ、さらにパンダ4×4をベースに本格的なオフロード車に仕立てられたモデルが「パンダクロス」です。
外観はパンダ4×4から大きく変更され、とくにフロントフェイスはパンダクロス専用のワイルドなデザインを採用。
アンダーガードを模した形状の前後バンパーや、独自のデザインとなっているヘッドライトまわり、最低地上高15mmアップなど、見た目にも力強い印象です。
エンジンは85馬力を発揮する900cc直列2気筒ターボ「ツインエア」を搭載。トランスミッションは6速MTが組み合わされ、フルタイム4WDシステムにはセンターデフに電子式デフロックを採用するなど、本格的な悪路走破性能を実現しています。
パンダクロスは当初、日本には導入されませんでしたが、2020年10月に150台限定で発売され、さらに2021年4月には第2弾として215台が限定販売されました。
●フォルクスワーゲン「ゴルフ カントリー」
1974年に誕生したフォルクスワーゲン初代「ゴルフ」は、同クラスのベンチマークとなるほど優れたパッケージングと走りの良さで大ヒットを記録し、代を重ねてもコンセプトがブレることなく、2021年6月には8代目が日本でも発売されました。
歴代ゴルフのなかでも1983年に登場した2代目では、1986年にシリーズ初の4WD車「ゴルフ シンクロ」が加わり、センターデフにビスカスカップリングを用いたフルタイム4WDシステムを搭載して、主に濡れた路面や雪道などにおける走破性を高めています。
そして1990年には、このゴルフ シンクロをベースにした派生車「ゴルフ カントリー」が登場。
ゴルフ カントリーは最低地上高210mmまで車体がリフトアップされ、フロントにスチール製のグリルガードとエンジンの下まわりを保護するアンダーガード、リアにはスペアタイヤキャリアが装着されるなど、見た目には本格的なクロカン車に仕立てられています。
また、実際に悪路走破性も高められており、シャシは各部が補強されて剛性がアップし、タイヤはブロックパターンのオフロードタイヤを標準装備。
開発と生産は、現行モデルのメルセデス・ベンツ「Gクラス」やトヨタ「スープラ」の生産をおこなっている、オーストリアのマグナシュタイアーが担当し、1991年には日本にも正規輸入されました。
しかし、日本では販売的には成功したといえず、わずかな数が輸入されたにとどまり、今では滅多にお目にかかれない激レアなモデルとなっています。
※ ※ ※
前述のとおり新型ランドクルーザーがもうすぐ発売されます。ラグジュアリーなクロカン車ということで、中東をはじめ世界中で注目されている状況です。
かつて、1990年代のRVブームの頃は各メーカーがクロカン車を販売していましたが、現在はラインナップが極端に激減してしまいました。
ニーズの変化もありますがランドクルーザーやジムニーの存在感が大きすぎるため、他社が改めて参入するのは、かなり難しいということでしょう。
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大抵がファッション感覚でガチ勢は林道荒らしたり、沢や砂浜を走ったり
マナーの悪いのが多い