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【比較インプレ】ホンダCB1300SF・CB1300SB SP(2021年)|伊藤真一のロングラン研究所

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【比較インプレ】ホンダCB1300SF・CB1300SB SP(2021年)|伊藤真一のロングラン研究所

ホンダ製ネイキッドのフラッグシップモデルといえるCB1300シリーズがモデルチェンジを果たし、2021年3月に発売された。この記事では新型「CB1300SF」「CB1300SB SP」の2台を比較。伊藤真一さんは何を語るのか? ぜひ最後までお楽しみください。
語り:伊藤真一/写真:松川 忍/まとめ:宮﨑健太郎/モデル:大関さおり

ホンダ「CB1300SUPER FOUR/SUPER BOL D'OR SP」インプレ(伊藤真一)
スロットルバイワイヤの採用で、よりジェントルになった新型CB1300シリーズ

250ccアドベンチャー&オフロードバイクの燃費を比較

ついにCB1300SFとSBも、TBW=スロットルバイワイヤとライディングモードを採用しましたね。一体どのような制御になっているのか? それが一番興味がありました。

CB1300系のTBWとライディングモードは、スーパースポーツのCBR1000RR-Rや、CBR600RRとは、かなり異なる「味付け」になっていますね。スーパースポーツ系に比べ、CB1300系のエンジンはそんなに高回転まで回りません。

大排気量が生み出す、トルクで走ることを楽しむタイプのエンジンですね。車体も鉄フレームのダブルクレードルで、ネイキッドらしいオーソドックスな車体構成なので、モデルの性格に合わせた設定だと思いました。

スーパースポーツ系の場合、公道では主にスタンダードを選択することが多いですが、CB1300ではスポーツを選んで走る方が自分のフィーリングには合いましたね。

スポーツの方が、スタンダードに比べるとスロットル戻し側のエンブレの効き方が弱いです。一方スタンダードの方は、もうちょっとゆっくり戻ると良いのに、と思いました。

前の型の1300はむしろエンブレが弱い印象でしたが、新型ではスロットル戻したときにかなり段差のある回転の落ち方をするので、燃料カットをしているのかもしれません。減速のときに燃料カットの制御をするのは、触媒の問題があります。

カットしないと、触媒の温度が上がって駄目になってしまうのです。エンブレの効き方は人それぞれの好みもありますが、スポーツを選択したときはエンブレの効き方がスタンダードと同じ傾向にはあるものの、スタンダードよりはガクンと落ちないので、ギクシャクせずにスムーズに乗れました。

スロットルを開けたときは、前の型のようにトルクがドンと出る感じがなくなりましたね。それはスポーツもスタンダードも同じでした。前の型よりもスムーズで、ジェントルになった印象です。

スーパースポーツ系や初代からTBWを採用していたCB1000Rに比べると、1300は市街地での移動などの普段使いやツーリングで走らせたとき、扱いやすいトルクの出し方にしているのでしょうね。TBWで低回転から高回転まで上手くつないだという印象です。

SPとスタンダードを乗り比べて改めて気づいた、スタンダードの足まわりのバランスの良さ⁉

トルクがドンと出る感じをTBWで抑えるというか、上手くつないだと言うと、バイクとして面白くなくなったと受け止める人もいると思います。

ですが、いつもこの連載でも言っているように、それは使い方の問題ですね。スロットル開ければトルクはちゃんと出るので、なかったら開けてください、という話です(笑)。

新型はHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)も新採用していますが、1300はいつ効いているのかわからなかったです。

他のスーパースポーツ系に乗っているときは、バリバリトラコンに当てて…みたいな感じになるのですが、1300ではいつ介入しているのか? という感じでした。

走らせている最中に違和感を覚えることがないので、良いことだと思います。あと印象的だったのは、ギアの精度が上がっていますね。

ニュートラルに入れやすいし、バックラッシュも少ない。アシストクラッチのフィーリングも良くなっていますし、燃費も前の型よりも向上していますね。

車体に関しては、スーパーボルドールはSP、スーパーフォアはスタンダードを試乗しましたが、足まわりの違いやカウルの有り無しでの走りの違いを、それぞれチェックすることができました。

SPモデルに乗るのは前の型のCB1300スーパーフォアSPを取り上げたとき以来です。前回の試乗では峠道でスーパースポーツを走らせるようなハイペースのときに、ハンドルバーを固定するホルダーのラバーマウントによって、ステアリングまわりのダイレクト感の薄れが気になりました。

ですが、今回の試乗ではラバーの存在は意識するものの、かなり締め込まれた感じがしました。

ただ、やっぱりCB1300のSPモデルは、スーパースポーツのように激しく攻めて走らせるモデルではありませんね。ハンドルをリジッドマウントではなく、振動を抑えるラバーマウントにしているのは、快適性の方を優先しているわけですから。

SPはオーリンズの前後サスペンションと、フロント側にブレンボのブレーキを採用するのが特徴です。スタンダードと比較すると、ブレーキはブレンボの方が初期タッチが良いですね。

1300は車重がありますが、SPのブレンボは峠道をガンガン攻めてもフェードするようなことは全然ありませんでした。オーリンズの前後サスは路面からの衝撃のいなし方とか、乗り心地がスタンダードよりも良いですね。

ハイペースで走らせたときに少し接地感が足りない気がしたので、アジャスターを調整してみたのですが、いろいろ細かく自分のフィーリングや走り方に合った設定に幅広く調整できることは、オーリンズを採用することの大きなメリットです。

ただ今回、SPとスタンダードの足まわりを乗り比べてみて感じたのですが、スタンダードはスタンダードでちゃんと接地感もしっかりあって、非常にバランスの良い足まわりに仕上がっていると感じました。

こだわって、サスペンションセッティングを楽しめるのがSPの魅力!

スーパーボルドールSPで峠道を走った際、オーリンズ製サスはフロント3段ずつ、リア2段ずつコンプレッションを上げました。

その結果、自分のペースではだいぶスポーティに走れるようになりましたね。フルアジャスタブルサスの中には、設定をイジるとここは良くなるけど、ここが悪くなる…みたいな製品もありますが、このSPに採用されたオーリンズはそういうことがない。サス調整にこだわりたいタイプの方には、SPをお勧めしたいですね。

「ホンダネイキッドの旗艦モデルに乗っている誇らしさ」を感じさせてくれるCB1300

スタンダードの足まわりの印象は、前の型の1300と基本変わらないのですが、今回カウル有りとカウル無しで乗り比べたことで、改めてスタンダードのバランスの良さに気付かされた感じですね。

以前、カウル無しのCB650Rとカウル有りのCBR650RRを乗り比べましたけど、前の型の650ではカウルまわりの重量物がハンドリングに良い方向で作用していたカウル有りの方が好みでした。

ですが、新型を比較試乗したときはカウル無しの方が好印象でした。ストリートファイタースタイルのCB650Rに、新型の足まわりは合っているなと感じたのです。

同様に1300も、今回の試乗ではカウル無しの方が軽快感があって好ましく思えました。CB400SFもそうですけど、ネイキッドのCBシリーズはカウルの有り無しが結構ハンドリングの違いに大きくあらわれます。

有り無しの、どちらが良いかは個人の好みなので、どちらの良し悪しの話ではありませんが、今回の比較試乗では車体がコンパクトに見えることもあって、気楽に乗れるCB1300SFの方が好ましいなぁと思いました。スタイリングの好みで選ぶなら、自分は断然カウル付きのスーパーボルドールなんですけど…。

ラインアップ全4台のうち、一番価格が安いSFのスタンダードが税込156万2000円で、一番高額なスーパーボルドールが税込204万6000円ですが、どのモデルも仕上げが良く、車格もあるので高くて立派なモノに乗っているというのが、バイクに詳しくない人にもすぐにわかるのは良いですね。

CB1000RやCB1100系より、見る人に高額車であることが伝わりやすいとも言えますね。ホンダネイキッドのフラッグシップに乗っている、という満足感を与えてくれる仕上がりであり、こういう要素は非常に大事だと思います。

エンジンがジェントルになって、ライディングポジションが非常に快適で、高速道路などの巡航時に便利なクルーズコントロールを新採用した新型CB1300系は、ツーリングメインでバイクを楽しむ人には最適な大型ネイキッドです。

新しい排気系のエキゾースト音も静かになっているので、長く乗っても疲れないと思います。個人的には前の型の勇ましい音も、それはそれで好きだったのですけど(笑)。

「SPの方がスタンダードより、10mmシート高と最低地上高が高いんですよね」。伊藤さんの探究心は、尽きることがありません!

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元サイトで投票・回答ホンダ「CB1300SUPER FOUR/SUPER BOL D'OR SP」各部装備・ディテール解説
CB1300 SUPER BOL D'OR SP

CB1300SUPER FOUR/SUPER BOL D'OR SPの比較

ホンダ「CB1300 SUPER BOL D'OR SP」足つき性・ライディングポジション
伊藤さんも絶賛!「このライポジは最高だね!」

「CB1300のライポジは、最高ですね。乗る人の体型によって評価は変わると思いますが、自分としてはネイキッドの中で一番良いんじゃないですか? と思いましたね 。長距離ツーリングには最適で、疲れ知らずでずっと走らせることができそうです」と伊藤さんは太鼓判を押しました。

一方タンデムシート側を評価してくださった大関さおりさんも、グラブレールの握りやすさ、ステップの位置、シートの座り心地、前のライダーとの距離感など、いずれも好印象とのことでした。

ホンダ「CB1300SUPER FOUR」主なスペックと価格
※《 》内はCB1300 SUPER FOUR SP

[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

ホンダ「CB1300 SUPER BOL D’OR」主なスペックと価格
※《 》内はCB1300 SUPER BOL D’OR SP

[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

[ アルバム : 【写真19枚】ホンダ「CB1300SUPER FOUR/SUPER BOL D'OR SP」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

語り:伊藤真一/写真:松川 忍/まとめ:宮﨑健太郎/モデル:大関さおり

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