9月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われている2024年WEC世界耐久選手権の第7戦『富士6時間耐久レース』の走行初日にプレスカンファレンスが実施され、87号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム)の木村武史が出席した。
そのなかで木村は、3度目のWEC地元戦へ向けての意気込みを語った。
AO・バイ・TFが1秒差で辛勝、宮田莉朋組は終盤に表彰台を失う。木村武史組が乱戦LMGT3を制覇/ELMSスパ
■FP1で得た手応え。「結構いけるのでは」
「今回の富士スピードウェイはホームコースということで、経験値として自信があります。これまでよりも、少しは(ライバルに)挑むことができるのではないかと思います」(木村)
また、今シーズンは最高順位がル・マン24時間レースでの10位と、苦戦していることを尋ねられると、「レクサスのRC Fは、少し古い部分もあります」としつつも次のように続けた。
「ですがご存じのように、ル・マン24時間レースではスタートから23時間まではトップを争うことができました。ル・マンは6度目の参戦ということもありましたが、今回は地元ですので地の利も活きてくるのではないかと思います」
そして、プレスカンファレンス後の木村に、今大会へ向けた取り組みやフリープラクティス1(FP1)での手応えについてさらに聞く。
「今週に向けた準備としては、まずは、しっかりとした壊れないクルマを用意するということ。あとは、初めて富士を走るチームメイトもいますが、彼らの準備もしっかり進めてきています」
「自分も、富士スピードウェイをレクサスのRC Fで走るのは初めてですが、シミュレーターを使ってちゃんと準備を進めてきたので、そこそこやれるのではないかなと。」
そう語る木村からは、地元の富士スピードウェイだからこそ、より一層の事前準備が図られてきたことが伺える。
会見ではマシンの古さについて触れる部分があったが、マシンと富士スピードウェイとの相性についてはどう感じているのだろうか。
「レクサスのRC Fは、(運動特性として)小さいコーナーが苦手な傾向にあります。ここではセクター3で小さいコーナーが続きますが、この区間は上り坂が続くので、フロントエンジン車のトラクションを活かしながら走ることができるのではないかと思います」
「なので今回は、セクター3でエンジンパワーをうまく使えるようなセッティングがキマれば、結構いけるのではないかと感じています」と、弱点はあるものの、その解消がうまく進めば望みはあると意気込む。
レクサスRC Fで初の富士スピードウェイを走ったフィーリングについては、かなりいい感触を得られたという。
「ドライビングとしても、実際にFP1では想定していたタイムが出ていて、他のブロンズドライバーたちに対してこれまでよりも離されていないので、手ごたえを感じています」
さらに木村は、8月末にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第4戦の4時間レースにて、LMGT3クラスでケッセル・レーシングの57号車フェラーリ296 GT3をドライブし、クラス優勝を飾っている。
「今回も、勝利の勢いを持ってここに来ることができています。あの時は、マシンがものすごくキマっていました。他のチームの同じマシンよりもかなり速くて、エンジニアさんがいい仕事をしてくれたな、と思っています」と振り返る。
ELMSでの勝利でマシンセッティングの重要性を肌に感じた木村は、ドライバーとしてのレベルを一段上げてきた様子だ。午後のFP2では、FP1での11番手からポジションアップの5番手につけるなど、走行初日だけを見ても着実に向上している。昨年は宮田莉朋とともに3位表彰台を獲得したこの富士スピードウェイで、さらに力強い走りを披露することができるだろうか。
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