■うっかり縁石に乗り上げた!
市街地でも、ちょっとした段差や縁石に乗り上げたり、車高の高いSUVだからと過信し、アウトドアで未舗装の荒れた路面を走行するなどして、誤ってタイヤのサイドウォール(側面)に傷をつけてしまうことがあります。
そのまま放置していると亀裂が広がったり、最悪の場合パンクしてしまう可能性も否定できません。
【画像】「これはアウトーー!」 これが交換すべき「危険なタイヤ」です!
一見、ゴムを成型しただけのように見えるタイヤですが、実際は内側に金属や特殊繊維のケーブルとベルト(帯)によって形状が支えられています。
これは建物でいうところの「鉄筋」や「鉄骨」のようなもので、「カーカス」または「カーカスコード」と呼ばれ、タイヤの種類によってポリエステルやナイロン、レーヨンコードなどで構成され、タイヤ全体の骨格を作っています。
この表面にコンパウンドなどを練り込んだゴムを主成分とする外皮でカバーしています。
タイヤを部分別にすると、路面と接する部分を「トレッド」、操舵などで変形しやすい「ショルダー」、側面部分は「サイドウォール」、ホイールと接触しタイヤを固定する「ビード」に分別できます。
そして、最も路面と接触し荷重がかかるトレッドの下には、スチールコードなどを使用して補強する「ベルト」と呼ばれる帯が配置されているのですが、サイドウォール部分にはベルトのような補強材が入っていません。
その理由を、都内のタイヤ専門店スタッフS氏に聞いてみました。
「サイドウォールに補強材が入っていないのは、路面からの衝撃を(サスペンションと協力して)たわませて吸収する役割を担うために、ある程度の柔らかさが必要だからです。
一方でトレッド部分は常に大きな荷重や路面との摩擦が生じるため、形状を崩れにくくする必要があるので補強材が入っています。
構造上、サイドウォールには(横からの)衝撃に対する防御が強くありません。サイドをぶつけてしまうと表面に亀裂が入ったり、劣化でヒビが生じやすいだけでなく、内側のカーカスを傷めてしまうこともあります」
段差の乗り越えや縁石にタイヤをヒットさせるなどしてサイドの内側にあるカーカスを破損してしまうと、一部が盛り上がったように変形してしまうこともあります。このコブのような症状を「ピンチカット」と呼びます。
「サイドウォールにできたピンチカットは、たいてい内部のカーカスが断裂してしまった状態です。
そのまま走行を続けるとバーストする危険性が高いので、見つけたらすぐにタイヤを交換してください」
ピンチカットだけでなく、サイドウォールはその構造上、接触などがなくても経年劣化だけでもヒビや亀裂が入りやすい部分。古いタイヤを履いている場合、チェックしてヒビがないか確認してみてください。
では、どうすればタイヤを傷めずに段差を乗り越えることができるのでしょうか。
「状況にもよりますが、段差は避けるのが一番。どうしても段差を乗り越える必要がある場合は、側面からアプローチするのではなく、できる限りトレッド面から段差に乗るようにします。
また速度を極低速まで落として乗り越えるなど、衝撃を最小限に抑える工夫することで、タイヤを長持ちさせることができると思います」(タイヤ専門店スタッフS氏)
※ ※ ※
縁石ヒットはタイヤのサイドウォールだけでなく、ホイールを傷つけたり、割れを招くだけでなく、タイヤの向きや角度といったアライメントを狂わせ、衝撃が強ければ変形してしまうこともあります。
この変形がサスペンションやボディにも悪影響を及ぼしてしまうこともあるので、縁石へ接触しないように十分注意しましょう。
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みんなのコメント
工事で片側規制でセンターラインにコレが有るとチョットねぇ。縁石も出入口の斜めもたまに乗ってしまう、妙に角度キツイ時あるよね
下廻りまで擦ったらオイル漏れも。
周りをよく見て、集中して運転しましょう。