■1941年に登場した「ウィリスMB」がその起源
2021年は、ジープにとっては特別な年となる。それがブランド生誕80周年だ。
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ジープ誕生のきっかけは、アメリカ陸軍が1940年6月に135社の自動車メーカーに対して「軽量偵察車」の受注入札を要請したことになる。それに応えたウィリス・オーバーランド社が1941年に生み出したのが、初代のジープ「WILLYS MB」であった。
タフで使い勝手に優れた初代ジープは、陸軍兵の「最良の友」と呼ばれるほどに大活躍。そして第2次世界対戦後は、民生向け車両としての道を歩み出す。
1960年代には“ラグジュアリーSUV”の始祖となるジープ「ワゴニア」を発売。4WD車でありながら乗用車と同様のスタイリングや快適性を持ち合わせたクルマとして超ロングセラーとなる。
また、1970年代には、スポーティなジープ「チェロキー」が誕生。1980年代まで続く、大ヒットモデルとなった。その後も、ジープは「グランドチェロキー」や「コンパス」、「レネゲード」など人気の4WDモデルを追加。堅調な成長を遂げている。
そんなジープ誕生80周年を迎える今、ジープの日本における販売は非常に好調だ。
まず、2020年1月から12月のジープブランドの新車登録台数は1万3588台であった。年間3万台から5万台も売る、ドイツブランド(メルセデス・ベンツやVW、BMW)と比べればその数はささやかではあるが、それでもジープは前年比101.7%を達成。
コロナ禍の影響もあり、外国メーカー全体では前年比85.3%のなかで、前年比100%以上を達成できたのは、ジープ、プジョー/シトロエン/DS、ポルシェなど少数派。ジープの成績は立派な数字だ。
しかもジープの快調さは2020年だけではない。過去10年を振り返ると、前年比100%を下回ったのは2013年の99.0%のみ。それ以外の9年間は、すべて前年比プラスで推移している。
ちなみに2009年の年間販売台数は、わずかに1010台。それを10年間で13倍以上に増加させてきたのだ。
■日本市場でもジープ・ブランドが絶好調の理由とは
その成功の理由はふたつ考えられる。
ひとつは継続的な新型車の投入だ。ジープは日本市場に対して、2013年のグランドチェロキー、2014年のチェロキー、2015年のレネゲード、2017年のコンパス、2018年のラングラーといったように、定期的な新型車の投入をおこなってきた。
これにより、ジープはライトなシティ向けモデルから、ラグジュアリーなモデル、本格オフローダーまで幅広いラインナップを揃えることに成功している。4WDを求めるユーザーに対して、幅広い提案ができることは販売数を伸ばす理由となるだろう。さらに、2020年にはジープ史上初のプラグインハイブリッド、「レネゲード4xe」も日本に上陸している。
もうひとつの理由は販売網の充実だ。
ジープを日本で輸入販売するFCAジャパンは、ジープ販売網の整備・拡大に非常に熱心だ。
2016年より新たなCI(コーポレート・アイデンティティ)を導入して、販売店舗のデザイン統一を進めている。販売拠点の数も着実に増えており、2016年の全国69店舗から、現在は90店舗に迫ろうというところまで数を伸ばしているのだ。販売網の拡充は、お金もかかるし地味な作業だが、そうした努力が新車販売台数前年比プラスの大きな力になっていることは間違いない。
そんなジープが誕生80周年を迎えるということで、数多くのイベントや特別仕様車の導入が予定されている。ジープの本拠地であるアメリカにおいては、80周年特別仕様車がレネゲード、コンパス、ラングラー、ラングラーグラディエーターに設定されるという。当然、日本においてもそれらの80周年特別仕様車が販売されることだろう。
しかも、日本においては、2020年に「80周年限定車」に関するボディカラー投票キャンペーンが実施された。ボディカラーがモデルごとの限定車に採用される。2021年2月1日に登場した、レネゲード、ラングラー/ラングラー・アンリミテッドチェロキーの「80th Anniversary Edition」は、その約4万件の投票の結果を反映して選ばれたボディカラーを持つ限定車になる。
* * *
これまでにも、日本ではジープのオーナー向けのイベントが、いくつも開催されてきた。コロナ禍に襲われた2020年も、クルマの中でイベントを楽しむという、ドライブインシアター形式の花火大会「Jeep HANABI 2020」も実施されている。
80周年を迎える2021年も、数多くのイベントが予定されていることだろう。コロナ禍という逆風の中でも勢いを感じさせるジープに注目だ。
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みんなのコメント
600万出す車だとは思えない。
あのエンジンの匂いとサウンドが好きでした