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間もなく「新型セレナ」登場だけど……ちょっと待って!! モデル末期なのに現行型セレナが好調に売れていたワケとは?

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間もなく「新型セレナ」登場だけど……ちょっと待って!! モデル末期なのに現行型セレナが好調に売れていたワケとは?

 間もなく新型が登場するセレナ。ちょっと前のデータになるのだが、2022年7月の登録実績ではライバルのステップワゴン、ノア&ヴォクシーを上回ってトップセラーモデルに君臨していたのをご存じだろうか。

 同月の登録台数はセレナ6359台、前年同月比19.3%増、ステップワゴン6117台で同118.9%増、ノア5010台で14.7%増、ヴォクシー4034台の36.3%減で、それほどの差はなかったが、セレナが同クラスでのトップセラーを確保。値引き以外でモデル末期でもセレナが売れる要因は何だったのか、渡辺陽一郎氏が分析する。

間もなく「新型セレナ」登場だけど……ちょっと待って!! モデル末期なのに現行型セレナが好調に売れていたワケとは?

本文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部

■モデル末期にしてカテゴリートップとなった底力の要因は?

日産から新型のティザー画像も公開されているが、こちらの現行型セレナもモデル末期とは思えないほどの好調なセールスを記録していたのだ!

 少々古いデータになるものの、2022年7月の販売ランキングを見ると、ミニバンの1位はセレナだった。2位はステップワゴン、3位はフリード、4位はノア、5位はヴォクシー、6位はアルファードと続いていた。

 この1位のセレナは、2016年8月に登場した。今では約6年を経過しているが、新型車のステップワゴンとノア&ヴォクシーを抑えて1位になった。

 なぜ今頃、セレナがミニバンの首位だったのか。販売店ではセレナの売れゆきについて、以下のように述べていた。

「セレナは2022年の11月末にフルモデルチェンジを実施する可能性が高い。そのために2Lのノーマルエンジン(マイルドタイプのスマートシンプルハイブリッド)搭載車は、販売をすでに終了し、その後はe-POWERのみが扱われ、納期は2~3か月かかっていた」。

ノーマルエンジンは先に廃止されていたが、売れ筋のe-POWERは販売が続けられて納期は比較的短かった。

 一方、ライバル車の納期は以下のとおりだった。トヨタの販売店では「ノアとヴォクシーは2022年に入って登場した新型車だから人気も高い。両車とも売れゆきが好調で納期も遅れ、ノーマルエンジンは約7カ月、ハイブリッドは1年近くお待たせしていた」という。

ステップワゴンは「1.5Lターボは5カ月、ハイブリッドのe:HEVは半年かかっていた」とのことだ。

 さらに、アルファードは「2023年の前半にフルモデルチェンジを受ける予定があるが、通常ならまだ現行型を販売しているのに、アルファードは納期が長く、現行型の生産枠がすでに埋まってしまった。そのために販売を中止していた。次に注文を受けられるのは次期型になる」という。

■キャッシュバックキャンペーンが奏功した?

ライバルに比べて比較的納期が短めに推移していたことも、モデル末期の現行型セレナの販売が好調だった要因のひとつ

 以上のようにセレナは、ほかのミニバンに比べて納期が大幅に短かった。特にノア&ヴォクシーで人気の高いハイブリッドは、納期が1年近くに達していて、ステップワゴンのe:HEVも6カ月かかっていた。その点でセレナe-POWERは2~3カ月で、ライバル車に比べて順調に生産していたから売れゆきも順調だった。

 納期が短いことは、セレナの受注にもいい影響を与えていたのか。この点も販売店に尋ねてみた。

「今のミニバンは総じて納期が長く、半年以上の車種も増えていた。そうなるとお客様が使う愛車の車検期間が例えば4カ月後に満了する場合、新車の納車を待っている間に、愛車が車検を迎えてしまう。新たに車検を取り直す手間と出費を要するが、セレナなら納期が短いから車検期間中に納車できた。

 しかもセレナはフルモデルチェンジを控えていたから、値引きも増えた。弊社ではセレナe-POWERを買った場合、値引きとは別に7万円のキャッシュバックを受けられるキャンペーンも実施していた」。

 今は新車需要の約80%が乗り替えに基づく。愛車の車検が満了する時期に合わせて新車を買うから、新車の納期が遅れると、それまでに愛車の車検期間が到来してしまう。ライバル車の多くが納期を遅延させている今、約3か月で納車できることは、セレナの大きなメリットになる。

 ただし、セレナの納期が短く、値引きが増えたりキャッシュバックを受けられたりしても、車両本体の魅力が乏しければ選ぶ価値も薄れる。買うか否かを最終的に決めるのはクルマの魅力だ。

■キャッシュバックキャンペーンが奏功した?

もちろん、再末期モデルに至ってもモデルそのものの魅力もあったのだが、納期がライバル車に比較して短かったのもセールスが好調だった要因

 以上のようにセレナは、ほかのミニバンに比べて納期が大幅に短かった。特にノア&ヴォクシーで人気の高いハイブリッドは、納期が1年近くに達していて、ステップワゴンのe:HEVも6カ月かかっていた。その点でセレナe-POWERは2~3カ月で、ライバル車に比べて順調に生産していたから売れゆきも順調だった。

 納期が短いことは、セレナの受注にもいい影響を与えていたのか。この点も販売店に尋ねてみた。

「今のミニバンは総じて納期が長く、半年以上の車種も増えていた。そうなるとお客様が使う愛車の車検期間が例えば4カ月後に満了する場合、新車の納車を待っている間に、愛車が車検を迎えてしまう。新たに車検を取り直す手間と出費を要するが、セレナなら納期が短いから車検期間中に納車できた。しかもセレナはフルモデルチェンジを控えていたから、値引きも増えた。弊社ではセレナe-POWERを買った場合、値引きとは別に7万円のキャッシュバックを受けられるキャンペーンも実施していた」。

 今は新車需要の約80%が乗り替えに基づく。愛車の車検が満了する時期に合わせて新車を買うから、新車の納期が遅れると、それまでに愛車の車検期間が到来してしまう。ライバル車の多くが納期を遅延させている今、約3カ月で納車できたことは、セレナの大きなメリットになっていたのであろう。

 ただし、セレナの納期が短く、値引きが増えたりキャッシュバックを受けられたりしても、車両本体の魅力が乏しければ選ぶ価値も薄れる。買うか否かを最終的に決めるのはクルマの魅力だ。

■不利な点をモノともせず……

設計の古さゆえ不利な点も否めなかった現行セレナだが、ライバルと比較して負けてなかったポイントも少なくなかった

 そこでセレナを2022年に登場したノア&ヴォクシーやステップワゴンと比較すると、設計が古いために不利な点も多かった。特に走行安定性と乗り心地はステップワゴンが優秀で、ノア&ヴォクシーも良好だった。セレナはステアリングの操舵感が曖昧で、乗り心地にも粗さが感じられる。

 また、セレナは床の位置がノア&ヴォクシーやステップワゴンに比べて70~80mm高かった。そのために乗降用のサイドステップ(小さな階段)が装着され、乗降性もよくなかった。

 床が高いと重心も持ち上がるから、先に述べた走行安定性にも悪影響を与える。安全装備などの先進メカニズムは、ノア&ヴォクシーが新型になって大幅に充実させたから、セレナは相対的に見劣りしていた。

■ライバルに比べて優れていた点も多かったセレナ

現行型セレナの3列目シートにはスライド機能が備わっていたのが大きなセールスポイントになっていた

 しかし、その一方、セレナには設計が古いわりに優れた機能も多かった。最も注目されていたのは3列目のシートで、販売の主力になっていたグレードには、スライド機能を装着していた。多人数乗車時でも荷室の広さを調節できる。ノア&ヴォクシーやステップワゴンの3列目にはスライド機能が装着されないから、セレナならではの特徴になっていた。

 しかも身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節した場合、セレナの3列目では膝先に握りコブシふたつ半の余裕が生じた(3列目のスライド装着車)。ステップワゴンは握りコブシふたつ分、ノア&ヴォクシーはひとつ半だから、セレナはライバル車よりも3列目の膝先空間が広かった。

 3列目シートのサイズも異なり、セレナの座面の奥ゆき寸法は、ステップワゴンに比べて約40mm、ノア&ヴォクシーと比べても25mmほど長かった。そのためにセレナは、多人数で乗車しても窮屈に感じなかった。

 セレナは前述のとおり床が高く、乗降性や走行安定性では不利になるが、乗員の視線は持ち上がる。サイドウィンドウの面積も広かったため、販売店では「セレナでは見晴らしのよさがお客様の間で好評だった」とのこと。

 シートアレンジも白眉で、セレナのe-POWERは一般的な方式だが、スマートシンプルハイブリッドでは、2列目シートがベンチタイプだった。2列目の中央部分には長いスライド機能が備わり、1列目の中央まで移動させると、収納設備として使える。この状態では、2列目の中央が通路になるから、車内の移動もしやすい。3列目の乗員が2列目のスライドドアから乗り降りできる。

 このほかセレナは、サイドウィンドウの下端を低めに抑えてウィンドウ面積を広げていたから、見晴らしのよさと併せて外観では背の高さも強調されていた。標準ボディは5ナンバーサイズに収まり、e-POWERハイウェイスターVでも全長が4770mm、全幅は1740mmだが、ボディが実際よりも大きく立派に感じられたのも確か。

 以上のようにセレナは、大勢で乗って楽しく移動するという、ミニバンの機能を徹底追求していた。そのために設計が古くなって走りや先進装備ではライバル車に負けても、根強い人気を得ていた。間もなく登場の新型セレナもこの特徴を受け継いで欲しいものだ。

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  • 校正って言葉知ってるのかね。同じ文が2回出てきてるのに、確認もせず平気で記事をアップするいい加減さに恐れ入る。まあ、ベストカーだから仕方がないか。
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