2022年2月8日、アルファロメオはオンラインで「La Metamorforsi」と名付けられたワールドプレミアイベントを開催。その中でコンパクトSUV「トナーレ(Alfaromeo Tonale)」を世界初公開した。トナーレは2019年のジュネーブオートサロンでコンセプトモデルが登場、市販モデルの正式発表が待たれていた。
ステルヴィオよりひと回りコンパクト、パイパワーなPHEVも登場
ファンにとっては「待望の」というべきアルファロメオ トナーレがついに正式発表となった。2019年にお披露目されたトナーレコンセプトから約3年。ステルヴィオの妹にあたるアルファロメオ初のコンパクトSUVは、なかなか興味深いクルマに仕上がっている。
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コンセプトモデルにほぼ忠実なスタイリング、コネクティビティやデジタルデバイスの充実などトピックといえるものはいくつもあるが、多くのクルマ好きが気にするのは、これがアルファロメオ初の電動化モデルであるということかもしれない。一部の国に向けて内燃機関(ICE)のみで走るモデルも用意されるようだが、基本的にはハイブリッドとプラグインハイブリッドの2本立てとなる。
ハイブリッドモデルはFWDで、ブランニューの1.5L 直列4気筒 可変ジオメトリーターボが搭載される。ハイブリッド用に開発されたファイアフライ系エンジンで、12.5の圧縮比や遅閉じのミラーサイクルを採用。ハイパワー版は160hp、エントリー版は130hp/240Nmとなる。トランスミッションは7速DCTで、そこに20hp/55Nmを発生する独自開発の「P2」モーター、48Vベルト駆動式スタータージェネレーターが組み合わせられる。
ハイブリッドシステムは走行状態を問わず介入し、減速時に回生ブレーキでエネルギーを回収、加速時にeブーストでパワーとトルクを増強する。また低速走行時、駐車時、クルージング時などには電動モードでの始動と走行が可能になる。
さらに、発売時までに130hp/320Nmの1.6Lディーゼルと6速DCTを組み合わせたハイブリッドモデルもラインナップに加わる予定だ。
もう一方のプラグインハイブリッドモデル(PHEV)は、アルファロメオがいうところの「Q4」、つまりAWDだ。1.3L 4気筒のマルチエアターボユニットでフロントホイールを駆動し、電気モーターでリアホイールを駆動する。エンジンで180hp、モーターで120hpを発生し、システム総合で275hpと、姉にあたるステルヴィオのスタンダードモデルに匹敵するパワーを発生する。
0→100km/h加速は6.2秒、電動モードでの走行可能距離は市街地で最長80km、複合サイクルで60km以上。急速充電器を使用した場合は満充電まで2.5時間と発表されている。
欧州での発売は2022年6月、では日本市場でのスタートは?
全長4.53m、全幅1.84m、全高1.6mのボディの基礎となるプラットフォームは、旧FCA時代から開発を進めてきた新設計だという。そこにマウントされるサスペンションは、前後ともマクファーソンストラット。基本的にはKONIと共同開発したFSDダンパーを備えるが、オプションでドライブモードにあわせてハンドリング特性を変化させる電子制御ダンパーも用意されている。
ステルヴィオ同様、車両の前後重量配分の最適化に細心の注意が払われていて、ステアリングギア比はCセグメントのSUVとしてはかなりクイックな13.6:1とされている。前輪駆動のモデルには電子制御式セルフロッキングデフやトルクベクタリング機構が備わり、4WDモデルは電子制御とモーター駆動で常に4輪に適正な駆動力を送るシステムが構築されていることを考えると、トナーレがステルヴィオ同様のSUVらしからぬダイナミック性能を持っていることが容易に想像できる。
4Cやジュリア GTA/GTAmといった抜群に楽しいクルマの開発を担ってきたハイパフォーマンスカーの総責任者であるエンジニア、ドメニコ・バニャスコ氏は「アルファロメオは官能的なクルマで、あなたの五感を刺激します。電動化されても、それは変わりません」と語っていた。その言葉を信じて発売を待つことにしよう。
本国では「EDIZIONE SPECIALE」という発売記念エディションの受注が4月から専用サイトでスタートすることになっているが、基本的に販売開始は2022年6月。そこから半年以内に世界の主要国でのローンチをスタートさせる計画だという。
あくまでも予想だが、日本市場でのスタートは年末年始あたりになると考えている。(文:嶋田智之)
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アルファロメオは官能的なクルマで、あなたの五感を刺激します。