かつて日本車はさまざまな外車を模範としつつ、欧米のクルマに負けないレベルに発展してきたワケだが、そんな日本車が師と仰ぐと“思われる”クルマを勝手に紹介するっ!!(本稿は「ベストカー」2013年6月26日号に掲載した記事の再録版となります)
構成:編集部
トヨタセリカ 日産ブルーバード いすゞ117クーペ…… 名車たちが「師」から受け継いだコンセプト・技術
■コンセプト・技術面で影響を受けた日本車たち
フォード・マスタング
トヨタ・セリカ。日米スペシャリティカー元祖の2台!
●師匠=フォード・マスタング/弟子=トヨタ・セリカ、日産シルビア、ホンダ・プレリュード
外車のコンセプトが同時期の日本車に影響を与えたという話はデザイン部門でも出てきたが、その象徴的存在がスペシャルティ・カーの“師”フォード・マスタング。
大衆車のコンポーネンツを利用することで比較的安価にスポーツカーを作るという手法は、日本でも初代セリカやシルビア、プレリュードといった名車を生むきっかけとなった。
この4車、デザイン面ではそれほど似ておらず、まさにコンセプト面での師弟関係と呼ぶにふさわしい!
●師匠=BMW1500/弟子=510型ブルーバード
BMW1500。近代BMWを象徴する1台。ストラット、セミトレは画期的だった
ブルーバードはBMWに劣らない実力で“足回りの日産”の先駆的モデルだ
お次は技術面での師弟関係。
歴代のスカイラインはBMWの影響を受けているのでは? と思い、そのへんの事情を自動車評論家 鈴木直也氏に聞いてみた。すると意外な答えが返ってきた!!
「師弟関係に近いのはむしろBMW1500と510型の日産(当時の正式名はダットサン)ブルーバード。
メカニズム面では1500が足回りに当時として革新的だったフロント=ストラット、リア=セミトレーリングアームを採用したクルマのハシリ。
510型のブルーバードも同じレイアウト。こうした足回りひとつとっても影響を受けていると言えるよね」
このブルーバードを契機に日産が足回りに力を入れ始め、その流れで操安性に優れた初代Zが生まれた。
こうした流れからも510型ブルーバードの登場は、その後の日産のクルマづくりに大きな影響を与えたといえる。
●師匠=アルファロメオ・ジュリア・スプリント/弟子=いすゞ117クーペ
アルファロメオ・ジュリア・スプリント
いすゞ117クーペ。 両車ともデザイン、作りこみがすばらしいクルマだった
アルファロメオのジュリア・スプリントといすゞ117クーペも同じような構図。両車のデザインを手がけたのが、ともにジウジアーロ氏というのは有名な話だが、
「117はDOHCエンジンをはじめジュリアへのオマージュを感じる。アルファのチューナーとして有名なコンレロが117のエンジン開発に関わったという話もあるぐらいだしね」
と鈴木氏。
なんでも117の開発エンジニアの塚崎氏はアルファに強い憧れを持っていたそうだ。クルマのデキに関しても鈴木氏によれば
「ブルーバードも117も1500やジュリアに性能面ではほぼ劣っていなかった」
ということだ。範とする師に迫ってゆく、これぞいい師弟関係の見本ですなあ!
【画像ギャラリー】トヨタセリカ 日産ブルーバード いすゞ117クーペ…… 名車たちが「師」から受け継いだコンセプト・技術(6枚)
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みんなのコメント
プリンス(グロリア)のボールスプライン技術があってこそ生まれた車
販売の日産、技術のプリンス
サファリラリーでも活躍したし、さすが4輪独立懸架だなっと感心していました。
その後 スカイライン(ハコスカ)にも搭載され レースでも活躍しました。
そのころトヨタは、クラウン・コロナ・マークⅡ 共リジットアクスルで、1976年日産に遅れること9年、3代目マークⅡで後輪にセミトレーリングアーム式の独立懸架を出しましたね。
その頃の日産の技術は進んでいたんでしょうね。