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“遊び心”と“走破性”を追加しました──新型マツダCX-5フィールドジャーニー試乗記

掲載 更新 13
“遊び心”と“走破性”を追加しました──新型マツダCX-5フィールドジャーニー試乗記

マイナーチェンジを受けたマツダ「CX-5」に追加された新グレード「フィールドジャーニー」に小川フミオが試乗した。

異なる雰囲気がイイ!

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マツダのSUV「CX-5」がいま北米(ともちろん日本)で販売絶好調という。現行モデルの登場が2017年だから、たいしたロングセラーだ。そして2021年12月に、マイナーチェンジを受け、高い走破性を謳う「フィールドジャーニー」も追加された。「オールアラウンドな性能をめざした」と、開発者が言うとおり、操縦性も高いモデルである。

北米市場での人気の理由は、ずばり“コロナ明け”とはマツダ広報部の弁。本当はもちろん、明けちゃいないのだけど、すこし状況がよくなってきたところで、CX-5を買ってオフロードを楽しんでいるだとか。マツダには朗報である。

今回乗ったフィールドジャーニーは、アウトドアニーズの拡大への対応として設定された。いままでになかったモデルで、オフロード走行性能を重視して開発されている。

ベースは1997cc直列4気筒ガソリン・エンジン搭載の「20S」と、もうひとつ、2188cc直列4気筒ディーゼルターボ・エンジン搭載の「XD」。駆動方式は4WDのみだ。メカニズムもしっかり特徴がある。ドライブモードセレクター「マツダインテリジェントドライブセレクト」に「ノーマル」「スポーツ」そして専用装備「オフロード」3つのモードを設定した。

17インチリム径のホイールと組み合わされたタイヤも、唯一のオールシーズンタイプ。スタイリング上は、バンパー下部にアンダーガードをイメージした加飾を盛り込んだことと、内装にも、ビビッドなライムグリーンなどの挿し色を使う。いいかんじのモデルだ。

力強く走り、気持ちよく曲がる

試乗したのはディーゼルモデル「XDフィールドジャーニー」。147kW(200ps)の最高出力と450Nmとかなり太い最大トルクを持つ。なおディーゼルには、上記スポーツ・モードはない。

スポーツ・モードを設定していない理由がふるっている。「そもそもこのディーゼル・エンジンじたいがパワフルでスポーティなので必要ありませんでした」と、開発を統括した商品本部の松岡英樹氏は説明してくれた。

たしかに、走り出しから力強いエンジンで、全長4575mm、全幅1690mmの車体をぐいぐいと加速させていく。“スパッ”というかんじの加速だとガソリンモデルのほうにより分があると思うものの、「ロングツーリングで高速走行が多いとかいう方には利便性が高いはずです」と、松岡さん。

カーブを曲がるとき、ステアリング・ホイールとボディが“一体感”を感じさせてくれるような、操縦性の高さが印象に残った。それも、今回の改良によるものという。すこし専門的になるけれど、サスペンション・システムのスプリングのバネレートと、ダンパーの減衰力を調整。気持ちよく曲がれることをめざしたという。まさにその通りだった。

もうひとつ、このフィールドジャーニーの最大の特徴はオフロード走行にある。ボタンのひと押しで起動するオフロードモードは、従来の「オフロードトラクションアシスト」をベースにした技術だ。

注目に値する内容は多い。たとえば、従来からの「GVC」(ドライバーのステアリングホイール操作に応じてエンジンの駆動トルクを制御)にオフロードでの制御を追加した。

くわえて、急登坂でのアイドル回転アップによるずりさがり抑制と、発進アシスト機能の追加も便利な機能だ。アイドリング時はトルクが薄いため、逆に焦ったドライバーがアクセルペダルを踏みすぎてタイヤがグリップせずに空転してしまうのは、オフロードにおけるシロウトの“あるある”だからだ。

それを防止するため、事前にけっこうしっかりトルクが出るところまで、コンピューターがエンジン回転を上げておくのが、急坂におけるアイドル回転アップ機能である。

オフロードもOK!

さらに、オフロードモードの特徴としてあげておきたいのが、起動はボタンの一押しで済むこと。メーカーによっては、オフロードといっても、砂地もあれば岩地も雪道も……と、モードの設定を細かくしているケースがある。

それより、ボタンの“ひと押し”ですべて解決するほうが、「クルマを動かすことにドライバーの意識を向けさせたくない」という、現在のマツダのクルマづくりの思想にかなったもの、と、操縦安全性を担当したマツダの山崎章史氏は、試乗会会場で教えてくれた。

オフロードでの走破性の高さは、「北米のナショナルパークなら走れます」と、前出の松岡さんは話す。

北米のナショナルパークは、ものすごい悪路もないけれど、ほとんど舗装路がない。ここに、クルマで出かけるひとは結構多い。そこで北米市場では真っ向からぶつかるトヨタやスバルも、ナショナルパークでも問題なく走れることを喧伝する。マツダが、オフロードモードを新設したのも納得である。

CX-5はオンロードで強い、洗練されたSUVというイメージを持つものの、今回のフィールドジャーニーで、オフロードもいける! というやや忘れられがちなポテンシャルを押しだしていきたいと、マツダの開発者は声を揃える。

価格は、ガソリンの「20Sフィールドジャーニー」が323万4000円、ディーゼルの「XDフィールドジャーニー」が355万3000円だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

13件
  • この内外装のデザインやクオリティに対して、この値段は安すぎるのでは!?
  • マツダがどう足掻いてもスバルに敵わないよ笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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