アメリカン・スポーツの代名詞
アメリカン・スポーツカーの代名詞といえる、シボレー・コルベット。初代、C1の生産が始まってから、2023年で70年が経過する。最も人気の高いモデルは第2世代のC2かもしれないが、それ以降の歴代も、特徴的なドライビング体験を提供し続けている。
【画像】アメリカン・スポーツの代名詞 シボレー・コルベット コークボトルラインのC3からミドシップのC8まで 全123枚
コルベットは、その時代に合わせたアップデートを受けつつ、技術的な特徴は大きく変化してこなかった。繊維で強化された樹脂製ボディに堅牢なシャシー、パワフルなV8エンジン、ライバルより大幅にお手頃な価格。それは最新のC8でも変わらない。
継続的に開発されてきたものの、ファンからは特定の年式が特に高い評価を得ているようだ。確かに好調な時代もあれば、不調に悩んだ時代もあったが、どのモデルも現実的な予算で輝かしい能力を提供し続けてきた。
今回は、ロングノーズでコークボトルラインのC3から、ミドシップへ生まれ変わったC8まで、6世代に渡るコルベットを振り返ってみたい。読者お気に入りの1台は含まれるだろうか。
協力:シウェル飛行場、シウェル航空博物館、クラシック・コルベット・クラブUK
息を呑むような曲線美のコルベット C3(1968~1982年)
コルベット・ファンを悩ませる事実が、最も人気の高い第2世代のC2は、歴代で1番生産期間が短かったこと。1963年から1967年までの、4年足らずしか作られていない。
その後継モデルとなる3代目は、プロトタイプの承認が終わるやいなや、早々に生産が始まった。ただし初代のC1からC2への進化ぶりを踏まえると、C2からC3では、キャリーオーバーといえる部分が少なくなかった。
デザイナーのラリー・シノダ氏が1965年にまとめ上げたコンセプトカー、マーコ・シャークIIは、ロングノーズのシルエットに息を呑むような曲線美をまとっていた。以降のスタイリングの特徴が、ここで誕生したといっていい。
ただし、フロントフェンダーの峰は斜め前方の視界を遮るほど高かった。ボートテールのファストバックは、後方視界が充分配慮されていなかった。空力特性も酷いものだったという。
C3の生産に向けて、欲情的なラインは落ち着きを増し、リアガラスは垂直に立ち上がった。リアピラーのみが後方へなだらかに伸びる、バットレス・スタイルへ改められた。
ルーフはタルガトップの通称「Tトップ」が標準。強固なシャシーにグラスファイバー製ボディを載せるという構成を活かしつつ、頭上の構造材を部分的に残すことで、剛性を保ったままでのオープンエア・ドライブを可能とした。
ビッグブロックに並ぶパワーを、軽いスモールブロックで
シャシー周りは、先代のC2と共通する部分が多い。サスペンションは、フロントがコイルスプリングにウィッシュボーンという組み合わせ。リアは横方向にリーフスプリングをレイアウトした、独立懸架式だった。
当初は、V型8気筒エンジンも先代譲りで、327cu.in(5.3L)のスモールブロックが標準。1969年に350cu.in(5.7L)へ排気量が増やされ、ビッグブロックも7.0Lから7.4Lへ拡大している。
どのユニットがコルベットに最適か、その頃からファンの間で意見は別れてきた。ビッグブロックの力強さは魅力的ながら、重い塊がフロントに載り、操縦性の悪化を指摘する人は少なくなかった。冷却上の課題もあった。
そこへ最適解をもたらしたのが、シボレーの技術者、ゾーラ・アーカス・ダントフ氏。ビッグブロックへ並ぶパワーを、軽量なスモールブロックで叶えようというアイデアが、LT-1ユニットで実現する。
本来は北米のスポーツカーレース、トランザム・シリーズへ参戦するシボレー・カマロのために開発されたものだったが、1970年からC3のコルベットにも登用。ハイリフトカムに鍛造ピストン、高圧縮比化で、5.7Lの排気量から375psが引き出された。
7.4Lのビッグブロックには20ps届かなかったが、エンジンは83kg以上も軽く、50:50という理想的な前後重量配分を実現。サスペンションも引き締められ、ドライバーズ・チョイスとして瞬く間に注目を集めることになった。
シリアスなドライバーへ向けられた特性
恐らく現在でも、C3で最も注目すべきは、このTL-1ユニットを搭載したモデルだろう。先代より座面の位置は低く、ウエストラインは高い。逆スラントしたダッシュボードと相まって、運転席へ座るとタイトなコクピットに収まったという感覚が湧いてくる。
長距離ドライブへ対応する快適性を備えつつ、車内は明らかにスポーティ。シリアスなドライバーへ向けられた特性は、2023年の英国の湿った路面でも存分に発揮される。
ステアリングの遊びは小さくないものの、2代目と比べて身のこなしは遥かに軽快。今回ご登場願ったC3は、オーナーの好みでローダウンされており、一層機敏に感じられる。
アンダーステアは抑えられ、鋭くフロントノーズが向きを変える。比較的低めのコーナリングスピードでも、テールは横へ流れやすい。50km/h程度でも、雨の日ならドリフトに興じれるだろう。
しかし、1970年代のアメリカは厳しい時代だった。自動車メーカーは強化された排気ガス規制の対応へ追われ、LT-1も1年後にはパワーダウンを余儀なくされた。コルベット全体で、平均30psも最高出力は絞られている。
LT-1は1972年に選択肢から消え、ビッグブロックも1974年に終了。1980年には、202psを発揮するスモールブロックが残るだけになった。最高出力はグロスからネット表示へ改められていたが、動力性能は大幅に低下していた。
望ましい内容のC3はLT-1エンジン
排気ガス規制と同時に、安全規制も強化。1973年に、スチール製のクロームメッキ・フロントバンパーは樹脂製のボディ一体型へ置換され、1974年にはリアバンパーも置き換えられている。
加えて1970年代初頭のアメリカは、不景気に沈んでもいた。コルベットも販売は伸びず、ラインナップの見直しも進められた。
それでも、1974年にコンバーチブルが追加。1980年代へ向けて徐々に販売数は回復し、1979年に過去最高となる5万3807台がラインオフしている。だが次世代へバトンを繋ぐのに望ましい内容といえたのは、LT-1を積んだC3だろう。
シボレー・コルベット C3 スティングレイLT-1(1970~1972年/北米仕様)のスペック
北米価格:5192ドル(新車時)/8万ポンド(約1448万円)以下(現在)
生産数:4977台(LT-1のみ)
全長:4636mm
全幅:1753mm
全高:1214mm
最高速度:196km/h
0-97km/h加速:5.7秒
燃費:5.7km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1395kg
パワートレイン:V型8気筒5736cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:375ps/6000rpm
最大トルク:52.3kg-m/4000rpm
トランスミッション:4速マニュアル(後輪駆動)
この続きは、シボレー・コルベット アメリカン・スポーツの代名詞(2)にて。
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