ホンダは2023年12月21日、新たなコンパクトSUVのWR-Vを発表しました。価格は208万8800円から248万9300円とホンダのSUVラインナップの中でもっともリーズナブル。しかし、力強いエクステリアデザインと上質なインテリア、そして広大な室内空間が特徴の1台です。今回、テストコースで実際にWR-Vのハンドルを握ることができましたが、その走りは非常に頼もしいものでした。
1.5L NAでハイブリッドなし。でも「普通」じゃない
試乗会からさかのぼること約1カ月前の11月16日、ホンダはホームページ上でWR-Vを先行公開しました。そして先日、WR-Vの実車を確認する機会があったのですが、その堂々としたデザインや居心地の良いインテリア、コンパクトSUVのクラスを超えた広大な室内空間に驚かされました。そうなるとやはり気になるのは、その走りです。今回、栃木にあるホンダのテストコースでWR-Vを試乗することができました。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
WR-Vの搭載するエンジンは1.5L直4ガソリンエンジンで、トランスミッションはCVT(無段変速機)を採用しています。
近頃は当たり前になりつつあるハイブリッドではなく、あくまでシンプルなガソリン車。またWLTCモード燃費は16.4km/Lと驚くような数値ではありません。なんとなく乗る前に走りの想像をしてみましたが、驚くことはなさそうだなと正直思っていました。
ですが、エンジンを始動し走り出してほんの数m進んだときに、その走り出しのスムーズさに驚きました。試乗するテストコースに入る手前の、速度にして10km/hほどで走っていた時のことです。低速時のいわゆるギクシャク感がまったくなく、ハイブリッド車のモーター走行のようなスルスルとした動きを見せたのです。この瞬間、一気に走りへの期待値が高まりました。
全域で変わらず保たれる上質なスムーズ感
さて、いよいよコースインです。まずは高速道路の合流を意識して80km/hまで加速させます。
すると、エンジンは一瞬の溜めがあるものの、みるみる速度を上げていきました。その力強さは必要にして十分といえるもので、非力だと感じることはありませんでした。さすがにハイブリッド車のモーターによる加速のようにグイッと前に押し出されるような歯切れの良い加速感ではありませんが、走り出しからの「スムーズさ」に通じるものがあります。
というのも、開発責任者の金子氏によると、WR-Vの開発において「スムーズな操作性」をとくにこだわったと言います。実際に走らせてみるとなるほど、そのこだわりに納得です。
時速は80~100km/hの間を保ちながら高速周回路を進みます。その時にリアシートに座っていた同乗者と会話をしたのですが、走行速度のわりには彼が話す言葉が聞き取りやすいなと感じました。つまり、走行中の車内の静粛性が非常に高いのです。
これはこのあとテストドライブしたどのコースにおいても感じたことです。価格も車格も一部の上級SUVより、さらに静かかも・・・とさえ、思えたほど。
この静粛性の高さは、エンジンノイズを低減するための防振処理や、ロードノイズを低減するためにフロント、リアのいずれにも遮音対策が施されていることが功を奏したものと思われます。さらに、遮音性を高めるためにスプレー式のウレタンフォームをサイドシル付近に施工しているとのことで、WR-Vの遮音に対する並々ならぬ努力を感じました。
運転のしやすさもWR-Vの安心感につながっている
続いて向かったのは、テストコース内に作られた一般道路を模したコース。ここでは見切りの悪い交差点や緩やかな坂道、小刻みに続く右左折を試しました。
このコースを走って驚いたのは、WR-Vの視界の良さです。ホンダはフィットやN-BOXといった人気のコンパクトカーや軽カーから上級なシビックやZR-Vに至るまで、一貫して視界の良さにこだわるメーカーであることは言わずもがなですが、それはWR-Vでも同じでした。
ですが、今言ったモデルたちは運転席から見える柱、すなわちAピラーが細くすることで視界の良さを確保しています。しかし、WR-Vはそれらと比較するとAピラーはそこまで細くありません。ではなぜ、視界が良いと感じたのでしょうか。
理由は、ボンネットフードの盛り上がりです。運転席に座って前方を眺めた時にボンネットの両端が膨らんでいます。そのおかげでドライバーがボディの先端との距離感を掴みやすい、というわけです。
さらに、サイドミラーがAピラーの付け根の近くではなく、ドアパネルに直接取り付けられています。これにより、サイドウインドウの視界も良好なので見晴らしがとても良く感じられましたというわけです。これなら、狭い路地を通り抜けたりや駐車場の出し入れも安心できそうです。
落ち着いた頼もしいステアフィールが好印象
最後に向かったのはワインディング路を想定したコース。起伏の激しい道をWR-Vはどう駆け抜けるのでしょうか。まずは、くねくねとした道を登っていきます。
そこで感じたのは、どっしりとしたステアフィールがもたらす安心感です。ここに来るまでの間にも、少し重めで落ち着いた上質なステアフィールに惚れ惚れしていましたが、ワインディングロードに来るとその魅力がより現れます。
そして坂を下っていく時のブレーキタッチも安心感が高いもので、制動時に車体が前にツンのめるような感覚はありませんでした。また、ワインディング路のような加減速やハンドル操作の多い場面でも動きにギクシャク感はありません。
どこまでもスムーズな乗り味は、重めのステアフィールと相まって非常に上質なものです。また全高が1650mmあるクルマとは思えないほど、車体の動きに安定感がありました。
ちなみにWR-Vは全車FF(前輪駆動)です。タフさ際立つSUVデザインでありながら4WD仕様が選択できないのは積雪地域に住む方にとっては少し残念ですが、ハンドルに緩さがあまりないWR-Vのどっしりとした操作性は常に安心感があるので、滑りやすい路面でも不安を感じることは少なそうです。
「これでいいじゃん」ではなく「これがいい」と思わせる乗り味
こうしてWR-Vのクローズドコースの試乗を終えましたが、最後に少しだけ後席に乗ったレビューも加えてお伝えします。後席の居住空間は驚くほど広く、大人4人がゆったりくつろげるほどです。その詳しい内容はこちらの記事をぜひご覧ください。
そして今回は実際に後席に乗って走った印象ですが、こちらも非常に静粛性が高いことに驚きました。とくに頭上付近やラゲッジルームから聞こえるワゴンタイプ特有のノイズがしっかり抑えられていました。そのため、高速域でも耳障りに感じる音が少なくとても快適でした。
さらに乗り心地は運転席同様、芯のあるカッチリとした印象で欧州コンパクトSUVによく似たドシッとした乗り味です。少し言い過ぎと思われるかもしれませんが、WR-Vの乗り心地や快適性はそう感じるほどに好印象でした。後席にはエアコンの吹き出し口も用意されるので、後席に座ってくつろぐこともできます。
今回の試乗を終えての感動は、おそらく乗る前の期待値がそれほど高くなかったことも大きいと思います。1.5LガソリンNAエンジンでヴェゼルより価格を抑えたコンパクトSUVというと、なんだか味気の少ない安っぽさを感じてしまう気がしたからです。けれど、その想像をはるかに超える上質で「スムーズな」乗り味が好印象で、あえてWR-Vを選びたくなる魅力がありました。
価格帯や大きさを考えるとライバルはトヨタ ヤリスクロスやダイハツ ロッキー(トヨタ ライズ)あたりが想像されますが、それらの手強いモデルたちと比べてもWR-Vはより上級なクルマに仕上がっていました。
価格の安さから「これでいいじゃん」と選ぶのではなく、乗って納得して「これがいい」とWR-Vを選ぶ方も少なくないのでは?と思わせるホンダ渾身の力作でした。発売は2024年3月22日とのことなので、今度はぜひ「リアル」な道でテストした様子をお届けしたいと思います。
ホンダ WR-V Z 主要諸元
●全長×全幅×全高:4325×1790×1650mm
●ホイールベース:2650mm
●エンジン:直4自然吸気ガソリン
●総排気量:1496cc
●最高出力:87kW(118ps)/6600rpm
●最大トルク:142Nm/4300rpm
●トランスミッション:無段変速機(CVT)
●駆動方式:FF
●WLTCモード燃費:16.4km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●車両価格(税込):234万9600円
[ アルバム : ホンダ WR-V はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
典型的な年寄り構文ばかりでさ。
これで騒いでいるのは、
おじいちゃんだけなんだね。
自分が若い頃を物差しにして
理想を並べるくせに、いざ出したら
難癖付けて買わないんだよ。
そんなの若者がわざわざ買うか?
上質と言ってるのは、海外生産の
ネガなイメージを払拭させるためのノルマだろ。
だってどいつもこいつも同じこと言ってるしw
今時これじゃ電動アシスト自転車程度に負けてるわ。
DAIHATSUがあれでもこっちを買うのは定年過ぎた老木位だろw
150万でもイラネ。