MotoGP第12戦アラゴンGPの2日目、スプリントレースではマルク・マルケス(グレシーニ)が勝利した。全盛期を思わせる独走勝利だったが、マルケスはまだ完全に復活を示すものではないと考えている。
アラゴンGPは初日からマルケスが好調だった。プラクティスでは新レコードタイムを記録し、2日目の予選ではライバルに大きな差を付けてポールポジションを獲得した。
■マルク・マルケス、独走でドゥカティ移籍後初勝利! マルティン2位でタイトル争い逆転|MotoGPアラゴンGPスプリント
このコース自体、マルケスが過去に5勝を挙げた得意な場所であることもあり、スプリントレースで初めて勝利することが期待された。
そしてスプリントレースでマルケスはスタートから一度も先頭を譲らないまま、独走態勢を築いてフィニッシュ。グレシーニ移籍後、そしてキャリア初のスプリントレース勝利を達成した。
今回の勝利は、これまで期待されてきた”強いマルケス”の復活を告げるものではないかと、より一層期待する声もある。しかしマルケス本人は、まだアラゴンでの1例に過ぎないと考えているようだ。
「残念だけど、僕としてはここモーターランド・アラゴンだけでの出来事だね」
初日、そして2日目の圧倒的な強さは、関門を突破した証拠だと思うかと問われた際、マルケスはそう答えた。
「今週末はフロントタイヤがすごくいい感じなんだ」
「僕も良い形で乗れている。大きな問題はないよ。明日、一番重要になってくるのはリヤタイヤのマネジメントだろう。チームはもっと安定させるために既に作業に取り組んでくれている。ただ明日はまた違って来ると思うし、僕もさらにプッシュしなくてはいけないだろうと思っている」
「プレッシャーを感じている一方で、明日は僕の仕事を良い形、週末を完璧な形で終える大きなチャンスが有ると感じられている」
今週末ドゥカティの最新型を使用するライバルをも圧倒する速さを見せているマルケスだが、その速さは路面を再舗装しつつも汚れているグリップの低い路面や、雨のあとの難しい状況に適応できる能力によって生み出しているのだと、弟でチームメイトのアレックス・マルケスは語る。
「ここはグリップがかなり低いんだ。それでバイクが似通っていたり、同じブランド同士だったりすると差がなくなって、ライダー次第になってくる。グリップが全然無かったりする状況ではマルクが違いを生み出せるのは知っていることだし、過去にもホンダでそういう場面は見てきた」
アレックス・マルケスはそう語った。
「彼はここにいる誰よりも優れている。大きなギャップを作ることができるんだ。何度もどうやってんだと兄に聞いたよ! でもとても自然にやっていることで、兄としても深く説明するのが難しいことなんだ。何も特別なことはしていないと言うんだよ。兄はただ流れに乗ろうとしている」
なおアレックス・マルケスは兄が1042日ぶりに勝利したことについては、「落ち着け、これはスプリントでしかないぞ!」と冗談も口にしたが、この勝利が兄にとって重要なモノになるのは間違いないとも語っている。
「明日の決勝が大事な1日になってくる。兄もそれは分かっているだろう。でもこのスプリントの勝利が自信を与えるのも間違いないと思う。明日は(優勝すれば)25ポイントだ」
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