■全高1700mm以上×スライドドアが人気の秘訣!
日本の新車市場では、軽自動車の比率が全体の約4割に達するといいます。とくに、全長1700mm以上の通称「スーパーハイトワゴン」は人気の定番ジャンルです。
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今回は、スーパーハイトワゴンにスライドドアを備えたモデルを3台紹介します。
●絶対的王者のホンダ「N-BOX」
現行型のN-BOXは、2017年9月に登場しています。その際に、月間の新車販売台数で1位になって以来、2019年10月までの25か月間連続で首位を継続しているほどの人気モデルです。
N-BOXには、標準モデルのN-BOXと、カスタムモデルのN-BOX Custom(以下、カスタム)というふたつの仕様が存在。それぞれ「ベンチシート仕様」、「スーパースライドシート仕様」、「スロープ仕様」という室内レイアウトが異なっています。
パワートレインのNA仕様は、660ccで最高出力58馬力、最大トルク6.6kg・m、ターボ仕様は同排気量の最高出力64馬力、最大トルク10.6kg・m。カタログ燃費(JC08モード)は、23.0km/L(4WD)から27.0km/L(2WD)です。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790mm(1815mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15。グレード展開は、パワートレインの違いとしてNA仕様とターボ仕様など、N-BOXで8種類。カスタムは、5種類のラインナップです。
ホンダの軽自動車は、他車に比べパワフルなエンジンといわれています。ターボ仕様では、各社64馬力と同等の数値ですが、NA仕様では若干他車よりも高出力なため、市街地などの加減速量が多い場面でもストレスなく運転できます。
N-BOXシリーズが売れる理由について、ホンダは次のように話します。
「お客様の声として、先代から室内の広さを好評頂いています。また、『N-BOXからN-BOX』へ乗り換えされる方も多く、2017年にフルモデルチェンジした現行モデルは走行性能が向上したことや、安全性に対するニーズとして、軽自動車でも普通車と変わらない部分が理由です。N-BOXは、走行性能や利便性、安全性など総合的に普通車と変わらないのが、人気の秘訣といえます」
●センターピラーが無くて室内広々なダイハツ「タント」
ダイハツ「タント」は、軽乗用車で唯一助手席側のセンターピラーが無いモデルのため、同乗者の乗り降りや荷物の積み下ろしが楽々おこなえるのが特徴です。
タントには、標準モデルのタントと、カスタムモデルのタントカスタムというふたつを展開。グレード展開では、タントがダイハツの先進安全装備「スマートアシスト」を装着していない「L」からターボ仕様「Xターボ」の4種類を設定しています。
タントカスタムは、「カスタムL」からターボ仕様「カスタムRS」の3種類となり、福祉車両として異なる3モデルも設定しています。
パワートレインは、NA仕様の660ccエンジン(最高出力52馬力、最大トルク6.1kg・m)、ターボ仕様は同排気量の(最高出64馬力、最大トルク10.2kg・m)です。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1755mm(1775mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15です。
タントが人気の理由について、ダイハツは次のように説明します。
「購入層は、子育てファミリーから子離れ・シニアを中心に、幅広い年齢層にわたっています。ほぼすべてのお客様がスマートアシスト搭載グレードを選択していることが特徴です。
新装備となる駐車支援システム『スマートパノラマパーキングパック』や『スマートクルーズパック』も、我々の想定以上のお客様が選択しています。
お客様からは、ミラクルウォークスルーパッケージによるタントならではの使い勝手の良さや、次世代スマートアシストの先進的な技術、新世代のクルマづくり思想『DNGA』による新開発プラットフォームで実現した高い基本性能などで、高い評価を受けています」
■アクティブなユーザー向けには「ギア」がおすすめ?
●ノーマル・カスタム・アクティブを揃えるスズキ「スペーシア」
スズキ「スペーシア」には、標準モデルのスペーシアと、カスタムモデルのスペーシア カスタム、アクティブなユーザー向けのスペーシアギア、という3つのタイプを展開しています。
グレード展開は、スペーシアに「HYBRID X」と「HYBRID G」の2種類。スペーシアカスタムは、「HYBRID XSターボ 」、「HYBRID XS」、「HYBRID GS」という3種類。スペーシアギアには、「HYBRID XZターボ」、「HYBRID XZ」の2種類です。
パワートレインは、NA仕様の660ccエンジン(最高出力52馬力、最大トルク6.1kg・m)+モーター(最高出力3.1馬力、最大トルク5.1kg・m)、ターボ仕様は同排気量の(最高出64馬力、最大トルク10.0kg・m)+モーター(最高出力3.1馬力、最大トルク5.1kg・m)となり、全ラインナップにマイルドハイブリッドシステムを搭載しています。
バッテリーに電気が貯まっている状態であれば、発進をモーターの力だけで走行、加速時にはエンジン出力をモーターがアシストするなど、低燃費や力強い走りを実現。カタログ燃費(JC08モード)は、24.0km/L(4WD)から30.0km/L(2WD)です。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm(1800mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15です。
スペーシアシリーズが売れる理由について、スズキは次のように話します。
「売れている理由として、まず室内空間の広さ、安全装備の充実、乗り降りの良さなどのパッケージの高さが挙げられます。それ以外にもデザイン性や室内空調を循環させる『サーキュレーター』や『エアコンルーバー』など、快適も追求しており、家族で使いやすいのが理由だと思います」
※ ※ ※
自動車メーカー各社は、軽自動車市場に力を入れ、さまざまなラインナップを展開しています。そのなかで、N-BOX、タント、スペーシアが販売台数上位に至る理由は、日本の道路事情や多様化するニーズに合った仕様をユーザーに訴求できているのが大きな要因です。
2019年は、スーパーハイトワゴンやハイトワゴンなどを始めさまざまな新型モデルの軽自動車が登場しています。しかし、依然としてN-BOXから首位の座を奪うモデルは現れていません。
この先、N-BOXを超えるモデルは現れるのでしょうか。
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