■デザインが優れていた日産車を振り返る
昭和の終わりから平成初期にかけて、日産のクルマづくりは大きな転換期を迎えました。
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その頃に登場した日産車は走行性能や運動性能が飛躍的に向上しただけでなく、内外装のデザインも一気にスタイリッシュに変貌。
そこで、1980年代から1990年代にかけて発売された、グッドデザインな日産車を5車種ピックアップして紹介します。
●R32型 スカイラインGT-R
1989年に発売された8代目「スカイライン」では待望の「GT-R」が復活し、スカイラインGT-Rの新たな歴史がはじまりました。
8代目スカイラインの標準的なモデルは先代よりサイズダウンしたショートボディで、全幅も5ナンバーサイズでしたが、GT-Rはより高いコーナーリング性能を得るためにタイヤサイズを225/50R16とし、その太いタイヤを収めるために大きく張り出したブリスターフェンダーが特徴的です。
さらにラジエーターやオイルクーラー、エンジンルームの冷却のために、フロントグリル部分を大きくした専用ボンネットとバンパー、サイドスカート、大型リアスポイラーを装備し、外観すべてが速く走ることに特化し、機能美ともいえる美しさを演出。
実際に、エンジンは最高出力280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボを搭載し、電子制御で4輪に駆動力配分をおこなう「アテーサE-TS」4WDシステムで駆動され、さまざまな路面条件でも圧倒的な速さを誇りました。
●Z32型 フェアレディZ
1989年、4代目「フェアレディZ」は「スポーツカーに乗ろうと思う」のキャッチコピーでデビューしました。
シャープなフロントフェイスには、固定式に改められ、カバーに覆われたプロジェクターランプを配し、ワイド&ローなフォルムのボディは、新世代のフェアレディZとして高い評価を得ます。
また、歴代フェアレディZと同様に2シーターと4シーターの「2by2」が設定され、2by2は3代目までの屋根だけ伸びたようなイメージはなく、2シーターと同様に美しいシルエットを実現。
フロントに収められた、当時国内最高峰の最高出力280馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンによる走りは、日本国内のみならず、北米市場でも欧州製スポーツカーに負けない高級スポーツカーとして認められていました。
●S13型 シルビア
日産初のスペシャリティカーとしてデビューした「シルビア」は、初代の美しさがいまも語り継がれていますが、1988年に発売された5代目は、それまでのデザインから大きく変え、初代以来の美しさが話題となりました。
伸びやかなボンネットフードの先端に備えられた薄型のヘッドライトと、横一直線にデザインされたフロントグリル、滑らかなラインで張り出したフロントフェンダーなど、オーソドックスな2ドアクーペでありながら美しくバランスされ、女性からも好評を博します。
それまでデートカーとして君臨していた3代目ホンダ「プレリュード」を瞬く間に抜き去るほどの人気で、その秀逸なデザインにより1988年のグッドデザイン大賞を獲得したほどです。
一方、先代シルビア同様にナローボディの後輪駆動としたことで、素直な操縦性がスポーツ走行を好む男性ドライバーから愛され、現在では旧車人気と相まって程度の良い中古車が高値で取引されるなど、人気は継続しています。
■生産中止後にブレイクしたSUVとは!?
●ラシーン
1994年に登場した「ラシーン」は小型車の「サニー」をベースにクロスカントリーテイストを盛り込んだコンパクトSUVです。
発売当初は全車ビスカスカップリングを用いたスタンバイ式4WDとなっており、スキーなどのレジャー用途向きの「クロスカントリー車風」なクルマとなっていました。
全幅は1695mmとコンパクトで、ルーフレールを装着しても全高は1515mmと低く、シンプルで飽きがこない直線的なフォルムが特徴です。
発売時に搭載されていたエンジンは最高出力105馬力の1.5リッター直列4気筒DOHCのみでしたが、モアパワーを求める声に対応するように1997年に1.8リッター車を追加。さらに1998年には3ナンバー登録のワイドボディに145馬力を発揮する2リッターエンジンを搭載し、駆動方式もセンターデフとビスカップリングによる4WDシステム「アテーサ」を採用した「ラシーンフォルザ」も追加されました。
新車で販売されていた頃は大ヒットしたわけではありませんでしたが、近年、SUV人気の背景から優れたデザインが再評価されて中古車人気が上昇し、ラシーンを専門にドレスアップをおこなうショップも存在するほどです。
●WD21型 テラノ
1986年に「サファリ」の弟分として登場した「テラノ」は、「ダットサンピックアップトラック」をベースとしたクロスカントリー4WD車です。
デビュー時は2ドアモデルのみのラインナップで、悪路走破性向上のためワイドトレッドとしたブリスターフェンダーと、いかにもクロスカントリー車というイメージの直線基調のボディが不思議なマッチングを見せ、アメリカのSUVをイメージさせました。
発売当時は最高出力85馬力の2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルエンジンのみでしたが、1987年には3リッターV型6気筒ガソリンエンジンと、当時のクロスカントリー4WDとしては珍しい4速AT車も登場し、普段使いにも適したモデルとして人気を博します。
1989年に4ドアモデルが追加ラインナップされると販売は5ドアが主流となり、2代目では2ドアモデルが廃止となりましたが、2ドアモデルの優れたデザインによる色褪せない魅力は、いまも高く評価されています。
※ ※ ※
新型車が発売されると、デザインが大きく話題となることがあります。しかし、多くのモデルは10年後、20年後には陳腐化してしまうケースがほとんどです。
デザインに正解はありませんが、時間が経っても色褪せない魅力を保っているクルマこそ、優れたデザインといえるのではないでしょうか。
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日産は日本軽視した反省としてすべて昔のまま復刻してセドグロやブルーバードやサニーもFRの5ナンバーで復活させろ