ベントレー、第7回「Dezeenアワード」でDezeenと提携
ベントレーモーターズは世界で最も応募の多い建築・デザインプログラムである「Dezeenアワード」と昨年に続き2024年もパートナーシップを結んで提携すると発表しました。ベントレーがこのDezeenとパートナーシップを組む目的はどこにあるのかを見ていきます。
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Dezeenとは?
Dezeenとは日本ではなかなか聞き馴染みのない名前ではあるが、世界で最も人気があり、影響力のある建築・デザイン雑誌である。最大の読者はアメリカにいるが、次いでイギリス、中国、カナダ、オーストラリア、インドなど全世界に300万人の読者と700万人を超えるソーシャルメディアフォロワーがいる。
Dezeenアワードは、世界で最も応募の多い建築・デザイン賞のひとつで、昨年は94カ国から4800以上の応募があった。今年は、建築、インテリア、デザイン、サステナビリティにまたがる41のプロジェクト部門がエントリーを受け付けており、これら41のプロジェクト部門の受賞者の中から、建築、インテリア、デザイン、サステイナビリティの4分野で、年間最優秀プロジェクト賞の1人が選ばれる。
Dezeenアワードは、審査基準において卓越性と持続可能性を優先しているという。審査員は、「美しい」「革新的」「有益」という3つの基本原則に基づいて採点を行なう。この最後の「有益」という意味は持続可能な社会にとって影響力があるという意味に捉えられる。
パートナーシップの目的
Dezeenとベントレーのパートナーシップは2023年に始まり、今年で2年目を迎える。このDezeenアワードを通じて社会と環境の持続可能性、インクルージョン、コミュニティのエンパワーメントの中で有益な影響を与えることに専念する人材の育成をすることに目的があるという。
Dezeenアワードの責任者であるクレア・バレット氏は、ベントレーとともに、驚くべき建築物、見事なインテリア、変化を生み出す製品、そして地球温暖化の課題に対するイノベーションと取り組みの両方を示す優れたプロジェクトを世界中で探していきたいと語っている。美しく力強いエクステリアにこだわり、ハンドクラフトの精緻なインテリアを持ち、ビヨンド100戦略によって電動化に舵を切ったベントレーとDezeenは同じ価値観を共有していることがわかる。
ベントレーのブランド部門グローバルヘッドであるスティーブン・ドゥ・プロイ氏はこの発表の中で、
「ベントレーはラグジュアリーライフスタイルブランドに変化している」
とコメントしている。つまり、これまでのように自動車を製造販売するだけではなく、顧客のライフスタイルの中でさまざまなものをベントレーとして提案していくことがこれからは重要だと考えているのであろう。そして同じく持続可能な未来へと突き進む建築とインテリア業界とパートナーシップを組むことによって、社会課題である地球温暖化に立ち向かってゆく姿勢を示すことができる。
アワードのサステナビリティ部門には、サステナブル建築、サステナブル・リノベーション、サステナブル・インテリア、サステナブルデザイン(消費者)、サステナブル・デザイン(建築製品)、素材イノベーションのほか、インフラ・交通プロジェクト、ヘルス&ウェルビーインテリア、プロダクトデザイン(ヘルス&ウェルビーイング)などの受賞分野もあることから、サステナブルでウェルビーイングなクルマづくりを目指すベントレーとしても学ぶことが多くあるように思える。
6つの特別賞のほかに、「ベントレー・ライトハウス・アワード」が設けられている。この賞は、建築・デザイン業界に変革的な貢献をし、現在もその貢献を続けている個人に贈られるものだが、このような業界の枠を超えた人材発掘を行なうことが、ラグジュアリーライフスタイルブランドに変貌していくブランドには知見を広めるという意味で必要なことなのであろう。
AMWノミカタ ベントレーの最近のコミュニケーションポイントでは「建築」が重要視されている。マイアミにベントレーレジデンスを建築しているのもその一例だが、建築はデザインの自由度も高く、素材も多種多様で、奇抜なアイデアも盛り込めるが、あくまでもそれを使う人間を中心にデザインされる点からも自動車会社、とくにベントレーのようなビスポークブランドにとって大きなヒントを得られる可能性が高いコラボレーションなのであろう。英国車の伝統的なウッドとレザーのインテリアはリビングの延長線上にあると言う人もいるが、新しいモダンリビングの価値観が今後多く自動車に反映されてくるのだろう。
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