■日本生まれのコンパクトSUV先駆者、「RAV4」と「CR-V」
日本で生まれ世界的ヒットモデルに育ったトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」。初代がデビューしたのは両モデルともに90年半ば、日本でも爆発的にヒットしたクロスオーバーSUVです。その後、日本市場では販売が低迷、共に姿を消していきました。
トヨタ新型「RAV4」来春に日本でも復活! 米国で最も売れてるSUVが5年振りにフルモデルチェンジ
実はこの2台、日本市場への再導入が決まっています。トヨタの新型「RAV4」は2018年の春ごろ、ホンダ新型「CR-V」は2018年中と、すでにアナウンスされています。
なぜ姿を消した2台が再び日本市場に導入されるのでしょうか?それは日本でのクロスオーバーSUVブームが要因です。
■同じ運命を辿った日本のクロスオーバーSUV
乗用車をベースにしたクロスオーバーSUVの先駆者と言えば、1994年に登場したトヨタRAV4です。都会の街並みでも違和感のない「カジュアルなデザイン」に「乗用車の乗り易さ」と「SUVの安心感」などが人気を集め、キムタクこと木村拓哉が出演するTV-CMの効果も相まって大ヒットとなりました。
しかし、2代目以降はメインマーケットとなる海外市場からの要望が反映され、ボディサイズがどんどんアップしていきました。海外での販売台数は伸びる一方で、日本での販売台数は下降していきました。
そんなRAV4は2013年に4代目が登場しましたが、日本向けはなぜかフルモデルチェンジされることなく3代目を継続販売していました。その背景には2013年にレクサスRXから切り離され独立して登場したハリアーの登場が大きく影響したといいます。
実は現在販売中のハリアーは4代目「RAV4」をベースに、高級車に仕立てた日本専用モデルなのです。「同クラスのクロスオーバーSUVは必要ない」という判断から「RAV4」は放置、2016年にヒッソリと日本市場から姿を消していました。
それと同じ運命を辿った日本のクロスオーバーSUVが、ホンダ「CR-V」です。
「CR-V」は、1995年にホンダ「シビック」の基本コンポーネントを用いて開発されたクロスオーバーSUVです。トヨタ「RAV4」同様にスタイリッシュなエクステリアデザインや全車コラムシフトオートマチック(AT)採用でウォークスルーを可能にするなど、SUVでありながらも居住性や実用性も高いモデルとして「RAV4」以上の人気を博しました。
「CR-V」も初代デビュー当初は日本専用車でしたが、北米からの強い要望で左ハンドル仕様を開発、その後世界各国に輸出されるようになったのです。
その結果、2代目「CR-V」はキープコンセプトながら、海外に目を向けた商品へと進化を遂げます。日本では初代ほどの人気にはなりませんでしたが、北米・欧州・アジアでの人気が高く、ホンダ車ラインアップのベスト3に入る販売台数を記録し、世界的なヒットモデルにとなりました。
3代目以降は基本コンポーネントをひとクラス上の「アコード」と共有、内外装も高級化路線となりました。ボディサイズの拡大は北米からの要望、高級化は欧州・アジアからの要望だったそうです。
2011年に登場した4代目は内外装デザインに海外の要望が盛り込まれ、日本仕様はオマケといった感じでした。海外向けは2014年に内外装や走りのアップデート、安全装備(ホンダセンシング)の充実などの大幅改良が実施されましたが、日本向けはほぼ放置状態で2016年に姿を消しました。
■一クラス下の「C-HR」「ヴェゼル」は大ヒット
奇しくも日本のクロスオーバーSUVの草の根的存在の2台が、共に日本市場から消えてしまったのですが、その理由はなぜでしょうか? 答えは簡単で海外マーケット優先のクルマ作りにより、日本のユーザーニーズに合わない(特にボディサイズ)クルマになってしまったからです。
その辺りはトヨタ/ホンダ共によく解っているようで、一クラス下のコンパクトクロスオーバーSUVを用意しました。ホンダは2013年に「ヴェゼル」、トヨタは2016年に「C-HR」を発売、どちらも大ヒットSUVモデルとなっています。
そんな中、2018年3月末から開催されたニューヨークモーターショーで、5代目となる新型「RAV4」が発表されました。
歴代モデルは都会が似合うイメージでしたが、新型「RAV4」では八角形がモチーフの個性的なフロントマスクやボディのワイドスタンス化など、「SUVらしさ」を強調したデザインに刷新しました。
新型「RAV4」の開発責任者、佐伯禎一さんは「クロスオーバーSUVが当たり前になった今、改めて『SUVとは何なのか?』と考え直し、SUV本来の『力強さ』『頼れる相棒』を再定義したカタチが新型『RAV4』になります」と語っています。
■一足先に北米・中国で販売している「CR-V」
一方、ホンダ「CR-V」は今から2年前の2016年に5代目へフルモデルチェンジ。北米を皮切りに中国での販売もスタートしています。
新型「CR-V」は4代目の正常進化といった感じですが、新型「RAV4」と同じく高級感よりもSUVらしいカジュアルさが増したようなモデルになっています。ボディサイズは全長4587×全幅1855×全高1678mm、ホイールベース2660mmと、新型になってさらに大きくなっていますが、これは後席の居住性アップに加えて、3列シート仕様を設定したためです。
筆者(山本シンヤ)は今年の冬、北海道・鷹栖にあるホンダのテストコースでこの新型「CR-V」のプロトタイプ(ハイブリッドのAWDで左ハンドルのドイツ仕様)に試乗しました。その時の印象を少しお伝えしたいと思います。
雪上路面の試乗でしたが、路面環境が悪くなればなるほどクルマの素性や本質が露わになるため、新型をチェックするにはピッタリな条件でした。
ハンドリングは大柄なボディを感じさせずによく曲がる印象が強かったです。その意味ではスポーティではありますが、見せかけのスポーティさではなく操作に忠実で連続性がある自然なフィーリングで、AWD(四駆)システムを含めて安定性を重視したクルマに仕上がっていました。
この仕上がり具合をホンダ新型CR-Vの開発責任者、永留高明さんに聞いてみると「SUVに求められるのは“安心感”です。そのため新型『CR-V』は奇を狙わず基本に忠実な走りを目指しました」と語ってくれました。
昨今、日本市場で輸入車のシェアが伸びていますが、その要因の一つが輸入クロスオーバーSUVの人気です。輸入主要メーカーは大中小と、日本車顔負けの豊富なラインアップを持っています。
逆に日本車は「ハリアーやC-HRがあるから『RAV4』はいらない」、「ヴェゼルがあるから『CR-V』はいらない」と合理化のために販売をやめたことで、逆に「次に買おうとしたら次期モデルはない」、「ステップアップしたくても買うクルマがない」と、他メーカーに流れてしまっているそうです。
しかし、「日本専用車を新たに開発してくれとは言わないが、他メーカーへの流失阻止のため、SUVのバリエーションは増やしてほしい」という販売現場の要望を叶えるために、海外専用モデルになっていた「RAV4」と「CR-V」をほぼ同時期に日本へ再導入という流れになったというわけです。
もちろん、ボディサイズの問題は必ず出てくると思いますが、地域によってはサイズをそれほど気にしない所もありますし、SUV検討ユーザーにはむしろ選択肢が増えるというメリットはあるでしょう。
一度廃止したブランドを復活させること簡単ではありません。多くの労力やお金もかかります。そのため、復活させるからにはメーカーも「販売が伸びないので廃止」といった短絡的な考えではなく、長期的な視点で見守ってほしいと思います。
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