■前から見たらふつうのクルマ、後ろから見たら…?
英国の首都ロンドンから南西におよそ80km、チチェスター州のグッドウッドでは、「グッドウッド・フェステイバル・オブ・スピード」と呼ばれる自動車の祭典がおこなわれています。
もともとはヒストリック・レーシングカーが中心となっていたこのイベントですが、最近では各自動車メーカーが最新のコンセプトカーを展示するなど、マーケティング活動の場としての性格も持っています。
そうしたなかで、珍しい3輪モデルがグッドウッドの舞台を走り抜けました。
【画像】こんな1人乗り仕様あったの? 一度は乗ってみたい「ソロ」の実車を画像で見る!(20枚)
さらに、電動化が叫ばれる昨今の自動車業界の情勢を反映した特設コーナー「エレクトリック・アベニュー」も用意されるなど、時代に合わせて変化をしています。
そんなグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのハイライトは、参加車両がコースを疾走するヒルクライムセッションです。
例年通り、歴史的なマシンや最新のコンセプトカーが多く走る2022年のヒルクライムセッションでしたが、そのなかでもひときわ異彩を放つクルマがありました。
それがエレクトラメカニカの「ソロ」です。その名前から予想が付くとおり、都市部での利用を想定されたひとり乗りのEVです。
このソロ、フロントを見るとなんの変哲もないコンパクトなクルマという印象ですが、リアを見るとそうして印象はくつがえされます。
なんとリアは1輪しかなく、ボディ全体はまるで魚のようにすぼまっている「3輪車」というパッケージングになっています。
ソロを手掛けるエレクトラメカニカは、カナダのバーナビーに本社を置く新興EVメーカーです。
同社の「フラッグシップモデル」であるというソロは、すでに予約受注を開始しており250ドル(約3万3700円)の保証金を支払うことでオーダー可能です。車両本体価格は1万8500ドル(約250万円)とされています。
航続距離は100マイル(約160km)で、最高速度は時速80マイル(約128km/h)とアナウンスされています。また、2時間30分で85%の容量まで充電することが可能といいます。
加速については「コンスタントな加速を約束する」というコメントがあるだけで、具体的なパフォーマンスは明らかにされていません。
しかし、今回ヒルクライムセッションを駆け抜けたソロを見ると、なかなかの加速を持っていることがうかがえます。
ソロについて、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの主催者は次のようにコメントをしています。
「ルマンの優勝マシンやF1マシン、数百万ポンドのスーパーカーたちと並んでヒルクライムセッションを走るソロは、そうした特徴を何も持ち合わせてはいません。ただ、私たちはそんなグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの多様性を愛しています」
※ ※ ※
ソロを報じたあるメディアは「Quirky(ヘンテコな)」という形容詞を見出しに与えました。
たしかに、変わった風貌のクルマですが、都市部におけるこうしたモビリティの必要性は至るところで指摘されており、もしかしたら数年後にはソロのような「ヘンテコな」EVが街にあふれかえるかもしれません。
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