この記事をまとめると
■BMWがFCEVの実証実験を日本で行うことを発表した
クルマはもちろん重機にも積める! 発電機としても使える! ホンダが汎用性のある「水素燃料電池のパワーユニット」を開発
■実験に使用されるのはiX5ハイドロジェンで401馬力の最高出力を誇る
■実験結果は本国に送られ商品開発に活用、2020年代後半にFCEVの市販化を目指す
BMWのFCEVの燃料電池はトヨタから調達
BMWといえば、「i」シリーズというサブブランドで電気自動車を展開するなど、電動化にも積極的なブランドとして知られている。しかし、iシリーズの「i」は「innovation」の頭文字をとったものであり、iシリーズは、決して電気自動車専門のサブブランドというわけではない。実際、BMWはかなり早い段階から水素自動車の開発に着手しており、2006年にはICE+液体水素で走るハイドロゲン7を、2013年にはBMW初のFCEVを、2015年には同じくFCEVの5シリーズGTを発表している。
そして2023年7月25日、BMWは最新のFCEV、iX5ハイドロジェンの実証実験を日本で開始することを発表した。
このiX5ハイドロジェンは、2019年のIAAショーでコンセプトカーとして初公開され、その後IAAモビリティ2021でプロトタイプとして公開されたもの。現行型X5をベースとしており、エクステリアからは、グリルやインテークのエッジとホイールに施されたブルーの加飾で判別が可能だ。
パワートレインは、第5世代のBMW eテクノロジーを投入したドライブユニット、195kWのiX電気モーターをリヤアクスルに搭載。これに125kWの出力の燃料電池システムと水素タンク、170kWのパワーバッテリーを組み合わせ、総合最高出力295kW(401馬力)という、世界でもっともパワフルな乗用車用燃料電池システムを構築している。
注目すべきは燃料電池駆動システムで、これは2013年からトヨタと共同開発したものであり、個々の燃料電池はトヨタから調達したものとなる。
また、燃料源となる水素は、炭素繊維強化プラスチック製700気圧のタンク2基のなかに合計約6kgが貯蔵され、これによりiX5ハイドロジェンはWLTPサイクルで504kmの航続距離を実現。なお、水素タンクはわずか3~4分で満タンとなるため、実用性もかなり高そうだ。
日本における実証実験では、日本各地にて実際に車両を走行させ、さまざまなデータを取得する。さらには、官公庁や行政機関、大学を訪問して、各方面の専門家の視点から製品に対するフィードバックをもらい、それらすべてをドイツにあるBMWグループ本社に送って製品開発に役立てるとしている。
2022年には全世界で21万5000台以上の完全な電気自動車を販売したというBMWだが、2020年代後半には燃料電池車を市場に投入することを計画している。次世代でもBMWは、幅広い商品ラインアップでわれわれに「駆けぬける歓び」を提供してくれそうだ。
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みんなのコメント
水素がどうなったら使われるのかの具体的イメージが立ちません。
コストも全く見合いませんし、エネルギーも大量に使用して、効果はほとんどありません。