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目指すは世界最速SUV! アストン マーティンDBX 707 試作車へ試乗 打倒カイエン・ターボGT

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目指すは世界最速SUV! アストン マーティンDBX 707 試作車へ試乗 打倒カイエン・ターボGT

世界最速の量産SUVを目指す707

アストン マーティンDBXに、よりアグレッシブで高速な、707という仕様が追加される。競争の激しいラグジュアリーSUV市場で、より明確なアドバンテージを得ることが目的だ。

【画像】ニュル最速を目指す アストン マーティンDBX 707 競合の高性能SUVと比較 全136枚

狙いは、更なる支持獲得だけではない。CEOのトビアス・ムアース氏も強く望んでいるのが、世界最速の量産SUVという称号の奪取にある。

そのためには、このDBX 707でニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを攻め立て、ポルシェ・カイエン・ターボGTが保持するSUV最速タイムを破ることが必要。7分39秒より高速に、周回しなければならない。

パワートレインへ施された改良は、新しいボールベアリング・ターボの獲得と、インダクション・システムの更新が中心。ブロック本体側に変更はないそうだ。最高出力707psのDBXは、やんちゃなドリフトにも対応した。

フロント・サスペンションはステアリング・レスポンスを向上させるため、よりハードさを増している。リア・サスペンションのダンパーは、トラクションを増すために若干ソフトになったという。

同時にアストン マーティンのモデルとして、DBXは紳士的な訴求力も失ってはならない。ムアースがアップデート内容を説明し始めると、パワーアップよりシャシーセッティングへ、長い時間が割かれるほど。

MTモードで追いつけないエンジンの勢い

DBX 707は、そのすべてを解き放つと、暴力的な唸り声をあげて猛烈な加速を披露する。ショート化されたギア比の9速デュアルクラッチATは、矢継ぎ早にシフトアップを繰り返す。マニュアル・モードでは、アグレッシブなエンジンへ追いつけない。

思わず、激しく点滅するシフトライトが欲しいと感じてしまった。筆者にとって、SUVでは初めてだ。

巨大な運動エネルギーを熱エネルギーへ変換する、カーボンセラミック・ブレーキの外側で、23インチのピレリPゼロタイヤがDBX 707を支えている。一気に減速し、グリップを効かせてタイトコーナーを高速で旋回することも、同様に秀でている。

フロント・サスペンションの改良の結果、ステアリングレスポンスは一層ダイレクトさを増した。それでいて、ステアリングホイールの操舵感は過度に重くなってもいない。フィードバックを残しつつ、充分に軽いと感じる範囲にある。

フロントノーズは、極めて鋭く正確に反応する。シルバーストーン内のストウ・サーキットを、縁石へ片輪を乗り上げながら攻める。こんな状況でも、目立ったキックバックもなかった。

操舵感は、メルセデスAMGにも近い。ムアースが最近までメルセデスAMGのCEOを務めていたことを考えれば、驚くことではないかもしれない。

全体的な快適性も通常のDBXに勝る

コーナーでは、アンチロール・システムによって、ボディがほぼ水平に保たれる。それでも、パワフルでありながら背の高いSUVに乗っている不思議な感覚や、2245kgの質量を素早く動かすという、根本的な課題は隠しきれないようでもある。

タイトコーナーでは、アンダーステアが明確に出ていた。といっても、公道ではありえないような、高い負荷がフロントタイヤへ掛かった状態ではあるが。

同時に、オーバーステアも望み通りに引き出せる。スタビリティ・コントロールをスポーツ・モードにすると、制御が緩やかになり、驚くほど深いテールスライドを許容してくれる。もし勇気があるなら、システムを完全にオフにもできるという。

ラグジュアリーSUVの購買層が、そんな走りを好むとは考えにくい。だが、限界を超えた領域での挙動の掴みやすさは、ニュルブルクリンクを攻め込む上では大切な能力になる。

さらに現実的な速度で運転していても、大きなSUVを運転しているという、ある種の妥協のようなものも感じにくくなる。ムアースによれば、全体的な快適性でも通常のDBXに勝るそうだ。

今回はプロトタイプということで確定前だが、DBX 707の0-160km/h加速は7.4秒になるという。30年前の世界最速量産モデル、ジャガーXJ220に匹敵する加速力だ。

庶民の筆者には想像できないが、この能力はラグジュアリーSUVの市場が望むものだという。707が登場すれば、DBX全体の半数以上を占める可能性が高いらしい。

エレガントでありながらウルスより速い

ほかにもDBX 707へは、多くのアップデートが施されている。身体を固定してくれる強固なスポーツシートも獲得した。センターコンソールのデザインは見直され、ロータリースイッチによるダイナミックモード・セレクターが与えられている。

また、ダンパーとスタビリティ・コントロール、9速デュアルクラッチATのマニュアル・モードの設定を選ぶボタンも並ぶ。カーボンファイバーの折り目が美しい。

ダッシュボード中央のモニターは、タッチタイプではない。現在、独自のインターフェイスを鋭意開発中だという。

アストン マーティンDBX 707の英国価格は、18万9000ポンド(約2929万円)から。通常のDBXより、1万7800ポンド(約275万円)高いに過ぎない。

ボディのスタイリングやインテリアの見た目には、ランボルギーニ・ウルスのような派手さはないかもしれない。しかしエレガントな雰囲気を漂わせつつ、確実にそれより速い。

量産仕様への試乗も、4月には可能だという。続報をお待ちいただきたい。

アストン マーティンDBX 707 プロトタイプのスペック

英国価格:18万9000ポンド(約2929万円)
全長:5039mm(標準DBX)
全幅:1998mm(標準DBX)
全高:1680mm(標準DBX)
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:6.8km/L
CO2排出量:−
車両重量:2245kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:707ps/6000rpm
最大トルク:91.4kg-m/4500rpm
ギアボックス:9速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

7件
  • SUVでスピードが出るものはいらん。 無茶な運転する奴が増える。
  • どっちの車も地方じゃ庶民向け建売住宅が買える。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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