現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 壊れた車載カメラがキルスイッチ直撃。ユナイテッドAS、LMP2優勝を逃す/WECセブリング

ここから本文です

壊れた車載カメラがキルスイッチ直撃。ユナイテッドAS、LMP2優勝を逃す/WECセブリング

掲載
壊れた車載カメラがキルスイッチ直撃。ユナイテッドAS、LMP2優勝を逃す/WECセブリング

 WEC世界耐久選手権第1戦セブリング1000マイルレースで、LMP2クラスの首位を快走していたユナイテッド・オートスポーツの23号車オレカ07・ギブソン。レース中盤、ジョシュ・ピアソンは突如パワーを失ってコース脇にマシンを止めたが、その理由はコクピット内に搭載されていた車載カメラが緩んで外れ、キルスイッチを作動させたからだという。

 チームの共同オーナーであるリチャード・ディーンは事の経緯を説明し、「百万回に一度のできごと」であると表現した。

新時代初戦は王者トヨタが圧勝。フェラーリ499Pは表彰台デビューを飾る【WEC第1戦セブリング決勝レポート】

 オリバー・ジャービス/トム・ブロンクビスト/ピアソンのトリオは予選でポールポジションを獲得し、決勝でもレース前半に力強いペースでLMP2クラスをリード。とりわけピアソンは、4時間目に入ってターン6の先でマシンを止めるまで、ライバルたちに大きなギャップを築くことに成功していた。

 ディーンによれば、ドライブしていたピアソンからは「ダッシュボードに取り付けられていた車載のテレビカメラが壊れ、コクピット内で動き始めた」と報告を受けていたという。

「ダッシュボードのカメラが外れたんだ」とディーン。

「ジョシュは無線で『車載カメラが外れてしまった、壊れた』と言ってきた」

「そして次のターンで、ちょっとしたミラクルが起きてしまった。よりによってイグニッションオフスイッチ(キルスイッチ)の内側に当たり、それが作動した状態になってしまったんだ」

「これは車外からマーシャルが引っ張ることで、マシン(エンジン)を止めることができるスイッチだ。それが内側から押し出されてしまったんだ」

「外側から作動させることもできるが、内側で十分に大きな衝撃を与えたときは、同じ働きをするように設計されている。まさに、その通りになってしまったんだ」

「彼は無線で、カメラが外れたと言った。その5秒後に通信が途絶えたと思う」

 ディーンは、テレビ放送用のカメラの取り付けは、シリーズ側から要請があれば必須であることを指摘し、今後のイベントでは、取り付け作業をより注意深く行う必要があることを示唆した。

「それは我々のカメラではなく、我々のキットでもない」とディーン。

「もし、再発防止に努めるのであれば、取り付けにチームが満足できない場合は、手を挙げて言う必要がある。それが、あのようなことが二度と起こらないようにするための、唯一の方法だと思う」

「我々のチームのために働いていない人がコックピットの中に入ってくるようなことがあれば、他の人の仕事をダブルチェックしなければならない」

「レースはいま終わったばかりだから、クルマが戻ってきたら一連のできごとをきちんと分析する必要がある。信じられないできごとのひとつではあるが、起きてしまったことだ」

「このようなことが二度と起こらないようにすることが重要だ。最終的には、我々のクルマに搭載されるものについては、完全に承認されているということを確認する責任を負わなければならない」

 ディーンは、チームの2台のオレカがレースを通して見せたスピードを賞賛し、ピアソン、ジャービス、ブロンクビストの3人は、このアクシデントがなければ勝利に近づいていた可能性が高いと指摘した。

「彼らには充分なペースがあったので、大変だった」とディーンは述べている。

「その時点でまだ多くのことが起こる可能性があったわけだけど、2台ともクリーンなレースをしていなかったので残念だ。(優勝した)JOTAには敬意を表するが、我々にはこのレースを勝てるペースがおそらくあったはずだ」

「オリー(ジャービス)のポールポジション、オリーのスティント、そしてジョシュのトリプルスティントでのペースを思うと、ただただ申し訳ない。彼にはとても競争力があった。今日、あのクルマには誰も歯が立たなかったと思う」

 ディーンは最後に、この出来事は「100万回に一度のできごと」であり、ハーツ・チーム・JOTAが最終的に優勝したレースで、チームがペースの優位性を生かしきれなかったことを指摘した。

「これは100万分の1の確率ではあるけど、昨年のル・マンではマーブルが飛んできてキルスイッチに当たったことがあった」とディーンは付け加えた。

「100万回に一度のできごとのような気もするが、こういうこともある。クルーにとってはタフなことだ」

「今回のように22号車も23号車もペースが良く、圧倒的な週末を過ごせたとき、その週末にはフルポイントを獲得しなくてはならない。だが、それはできなかった」

文:AUTOSPORT web

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツGLE&GLSに、Night Edition登場!──GQ新着カー
メルセデス・ベンツGLE&GLSに、Night Edition登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
新しい日産アルティマ登場へ──GQ新着カー
新しい日産アルティマ登場へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
77周年を記念し、新旧ロータスがサーキットでお祝い
77周年を記念し、新旧ロータスがサーキットでお祝い
レスポンス
レッドバロン、外為法違反で警告 ロシアにバイク輸出 経産相の承認受けず
レッドバロン、外為法違反で警告 ロシアにバイク輸出 経産相の承認受けず
日刊自動車新聞
新型「“6速MT”コンパクトカー」公開に反響殺到! “軽”並みのサイズに「小さいエンジン&MTはイイ」の声も! “観音開き”ドアもあるフィアット「500ハイブリッド」伊国で登場が話題に
新型「“6速MT”コンパクトカー」公開に反響殺到! “軽”並みのサイズに「小さいエンジン&MTはイイ」の声も! “観音開き”ドアもあるフィアット「500ハイブリッド」伊国で登場が話題に
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストの初日はTOM’Sから参加の卜部和久がトップタイム
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストの初日はTOM’Sから参加の卜部和久がトップタイム
AUTOSPORT web
ミスヒットしても飛距離をキープできる秘密は? “スイングの常識”を塗り替えるPXGの新メタルウッド「ライトニング」シリーズは何がスゴい?
ミスヒットしても飛距離をキープできる秘密は? “スイングの常識”を塗り替えるPXGの新メタルウッド「ライトニング」シリーズは何がスゴい?
VAGUE
午後の眠気の正体とは? 昼食後の睡魔を追い払うコツを専門家に訊く
午後の眠気の正体とは? 昼食後の睡魔を追い払うコツを専門家に訊く
GQ JAPAN
ラジアル=表面パターンではなく、一番下の層を指すって知ってた!? バイクのタイヤの種類「ラジアルタイヤ」とは?
ラジアル=表面パターンではなく、一番下の層を指すって知ってた!? バイクのタイヤの種類「ラジアルタイヤ」とは?
バイクのニュース
一目惚れ注意! 今見ても異端で目を惹く“特別なドゥカティ”がオークションで落札 銀と赤のボディが魅力的な2002年式「MH900e」の現在の価値とは
一目惚れ注意! 今見ても異端で目を惹く“特別なドゥカティ”がオークションで落札 銀と赤のボディが魅力的な2002年式「MH900e」の現在の価値とは
VAGUE
トヨタ斬新「ちいさなクラウン!?」 全長4.2mボディに「豪華内装」採用! 「大排気量V6」エンジン搭載&専用装備もり沢山! 高級感マシマシな爆速ハッチバック「ブレイドマスター」って?
トヨタ斬新「ちいさなクラウン!?」 全長4.2mボディに「豪華内装」採用! 「大排気量V6」エンジン搭載&専用装備もり沢山! 高級感マシマシな爆速ハッチバック「ブレイドマスター」って?
くるまのニュース
三菱『トライトン』を手軽にUSスタイルに変身! IPFが専用「LEDグリルマーカー」発売
三菱『トライトン』を手軽にUSスタイルに変身! IPFが専用「LEDグリルマーカー」発売
レスポンス
5000個限定! TOYOTA AE86「頭文字D」キーチェーンがついに一般販売開始
5000個限定! TOYOTA AE86「頭文字D」キーチェーンがついに一般販売開始
ベストカーWeb
まるでカートのような原付3輪!? ホンダ「ロードフォックス」の悦楽的スイング機構とは!!
まるでカートのような原付3輪!? ホンダ「ロードフォックス」の悦楽的スイング機構とは!!
バイクのニュース
“静粛性×走り×環境”を追求 ブリヂストンからSUV向けプレミアムタイヤ「ALENZA LX200」が2026年2月登場
“静粛性×走り×環境”を追求 ブリヂストンからSUV向けプレミアムタイヤ「ALENZA LX200」が2026年2月登場
くるまのニュース
“新年らしくておめでたい!” シチズンのブランド横断コレクション「KIZASHI」は漆黒のダイヤルにゴールド煌めく限定モデル
“新年らしくておめでたい!” シチズンのブランド横断コレクション「KIZASHI」は漆黒のダイヤルにゴールド煌めく限定モデル
VAGUE
京商とMOONEYES、1970年代風フルサイズバンのR/Cカー共同開発…「マッドバン」2026年2月発売へ
京商とMOONEYES、1970年代風フルサイズバンのR/Cカー共同開発…「マッドバン」2026年2月発売へ
レスポンス
ヒョンデ、オートバックス28店舗に試乗車配備…ダイレクト販売とリアル店舗を融合
ヒョンデ、オートバックス28店舗に試乗車配備…ダイレクト販売とリアル店舗を融合
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村