2030年の市場規模「約2兆円」
全国レンタカー協会の統計によると、レンタカーの台数は20年前の約3倍、10年前の約1.7倍となっている。
【画像】えっ…! これが60年前の「海老名サービスエリア」です(計15枚)
さらに、矢野経済研究所のレポートによると、レンタカーの市場規模は、2023年には事業者売上高ベースで7736億円となり、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の減少や外出制限などで一時的にレンタカー需要が減少したものの、2030年には1兆826億円(136%増)まで成長すると予測されている。
そんななか、レンタカー業界では「無人契約サービス」が増加している。この背景には、非接触型サービスや無人サービスに対する需要の高まりがある。無人契約サービスを利用すれば、顧客は対面せずに手続きを済ませることができるからだ。
本稿では、今後の展望も含めて考察する。
業界のデジタル革命
レンタカー業界における無人契約サービスの増加には、いくつかの要因がある。第一の要因は、新型コロナウイルスの影響である。感染拡大を避けるためには、顧客と従業員の接触を最小限に抑える必要があり、その対策として無人契約サービスが注目された。
それとともに、技術の進歩も重要な役割を果たした。特に、インターネットの普及とスマートフォンの進化は、無人契約サービスの設置・運営を容易にした。ネットで予約し、現地でQRコードを読み取るだけでレンタカーが借りられるようになったからだ。この手軽さは、特に時間に制約のあるビジネスマンや旅行者にとって大きなメリットだ。
また、レンタカー業界を取り巻く市場環境の変化も、無人契約サービスの増加に寄与している。
・人口の高齢化
・都市部の交通渋滞
といった問題により、マイカーを持たない人が増えており、レンタカーの需要が高まっている。無人契約サービスは、こうしたニーズに迅速に対応できる柔軟性を備えている。
さらに、無人契約サービスは災害時の緊急車両の確保という点でも有効だ。地震や台風などの緊急時に車両を迅速に確保し、避難や救助活動に活用できる。このように、さまざまな利便性を提供するだけでなく、社会のセーフティネットとしての役割を果たし始めている。
こうした要因が相まって、無人レンタカー契約サービスが増加しているのだ。
データ活用で業界変革
無人契約サービスは、顧客と事業者ーの双方に大きな利便性を提供する。例えば、顧客はオンラインで予約し、スマートフォンやなどのデバイスを使って現地で車両を受け取ることができる。このプロセスは迅速かつ簡単で、従来の対面式カウンターでのプロセスに比べて大幅に時間を節約できる。
さらに、予約システムは24時間稼働しているため、深夜や早朝でも手続きが可能だ。これはビジネス・ユーザーや旅行者にとって特に魅力的な機能だ。
また、事業者の観点からも、無人契約サービスには大きなメリットがある。人件費の削減はもちろんだが、
「顧客データの収集・分析が容易になる」
ことも大きなメリットだ。顧客がオンラインで手続きを完了すると、利用傾向や嗜好に関するデータが自動的に蓄積され、それを分析することで、サービスの改善や新たなマーケティング戦略を練ることができる。
調査会社J.D.パワー・ジャパンが2023年3月に発表した「J.D. パワー 2023年レンタカーサービス顧客満足度調査」によると、無人貸出サービス利用者の総合満足度は調査全体の平均を大きく上回った。
また、「今後レンタカーサービスに期待すること」という設問に対して、25%の利用者が
「24時間営業の店舗・営業所の増加」
と回答しており、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応したサービスを提供できる可能性を持っている。
このように、無人契約サービスの普及は、今後さらなる技術革新が期待される分野であり、レンタカー業界に新たなビジネスモデルをもたらすとともに、顧客体験の向上だけでなく、業界全体の効率化や持続可能性にも貢献する重要な進歩である。
課題と展望、無人契約の将来
今後、無人契約サービスはさらに増加すると予想される。
・新型コロナウイルスの感染リスクが残っている
・非接触・無人サービスの需要が高まっている
・メリットが顧客に認知されつつある
ことなどがその理由だ。
また、テクノロジーの進歩も大きな役割を果たしている。自動化、人工知能、ビッグデータなどの技術が進化するにつれて、無人契約サービスはより効率的で安全なオペレーションになりつつある。
さらに、顧客の行動パターンも変化している。人々はデジタル技術に慣れ親しむようになり、オンラインでの取引や契約を好むようになっている。こうした変化により、無人契約サービスやオンライン契約プロセスを好む顧客層が拡大している。
経済的側面も無視できない。無人契約サービスは、人件費の削減と効率の向上に貢献する。企業にとってはコスト削減のチャンスであり、こうした経済的メリットが無人契約サービスの普及を後押しするだろう。しかし、普及には課題もある。
・セキュリティやプライバシー保護の確保
・法的規制の整備
など、解決すべき課題は多岐にわたる。
また、利用者の認知度の低さも課題であり、J.D.パワージャパンが2023年3月に発表した調査では、「レンタカーの無人貸出サービスを利用しなかった理由」という質問に対して、最も多かった回答は
「サービス自体を知らなかったから」
であった。業界と政府がこれらの問題にどう対処するかが、無人契約サービスの将来を左右するだろう。
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