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33歳、フェラーリを買う──Vol.7 スーパーカーのタイヤ選び

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33歳、フェラーリを買う──Vol.7 スーパーカーのタイヤ選び

29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?

選べる銘柄が少ない!

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購入したわがフェラーリ「カリフォルニア」(2010年式)は、前後タイヤの溝がほとんど残っていなかった。納車前整備時の計測結果は、フロントが左右共に3mm、リヤが左右共に7mm。ちなみに車検時、タイヤの残り溝は1.6mm以上ないと通らない。わがカリフォルニアの車検は今年12月だから、とくにフロントは検査に通らない可能性が高い。

カリフォルニアの純正サイズはフロントが245/40 ZR19、リヤが285/40 ZR19。今はミシュランを履いているものの、フロントが「パイロット スポーツ」、リヤが「パイロット スーパー スポーツ」と、銘柄が異なる。タイヤは、同銘柄の4本装着を前提に開発されているから、現状は好ましくないので、4本すべての交換を決めた。

しかし、カリフォルニアの純正サイズで前後同銘柄が揃うタイヤは、思ったほど種類がなかった。かつて乗っていた2000年式のフェラーリ「360モデナ」が履いていたダンロップを調べると、フロントサイズこそ「SP SPORT MAXX 060+」を含む5種類あったが、リヤは該当サイズの商品がない。もう1台、1987年製のシボレー「コルベット」が履いていたTOYO TIRESも、フロントサイズは3種類あったが、リヤはなかった。

ブリヂストンを調べると前後で揃うのは「POTENZA S007A」のみ。ピレリも「P ZERO」のみだった。しかし、ミシュランは「PILOT SPORT 5」と「PILOT SUPER SPORT」の2種類から選べた。

価格は似たりよったりだが、リヤタイヤの流通量が少ないせいか高い! インターネット上では1本あたり6万円前後する。フロントタイヤは3~4万円前後というのに……。

限界時のパフォーマンスを考えれば、ミシュランのPILOT SUPER SPORTが良いだろう。しかしボクの場合、サーキットを走る機会は皆無だし、街乗り中心だからそこまでの高性能は必要ナシ。そこで、安価な「PILOT SPORT 5」とした。見た目と性能、そして価格が高バランスだったのが決め手だ。

安価と言っても約16万円、決して安くはない。汎用サイズなら数万円で揃うから、やっぱりフェラーリの維持費は高い。

今回のフェラーリ・ライフは、“コストカット”もテーマ。しかし、自動車保険もタイヤも、それほど出費を抑えられていない。どんなに頑張っても、スーパーカーにはスーパーカーの必要最低限の出費があるのだ。

もちろん、そんなことは360モデナ所有時に薄々気づいていたから、今さらジタバタしてもしょうがない。維持費が掛かって苦労してでも、「所有したい!」と思わせるからフェラーリは不思議だ。ただし、今回は走行距離を抑え、少しでも維持費を抑える予定。距離が伸びなければ故障リスクは下がるし、リセールバリューも期待出来る。

こんなことを記したら、間違いなく「だったらフェラーリを所有する意味がない」「乗らなければ無駄」などの意見が出るだろう。しかし、クルマは乗らずとも楽しめるとボクは考える。運転したら最高だ。しかし、自分の場合は、わがカリフォルニアを眺めているだけでも十分に幸せだ。朝、取材に出かける時や夜、仕事から帰った時、真っ白なカリフォルニアを見るだけで癒される。高価な置物かもしれない──否、ボクにとっては御神体といっていい。眺めているように見えても、心では拝んでいる。こうべを垂れ、手元(といっての駐車場だが)にあることを感謝する。ああ、わがフェラーリよ、この気持ちはどう表せばいいのだろう。あれれ、なんだか話がおかしな方向に……。

なにはともあれフェラーリは、今のボクの生きる原動力なのだ。

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インターネットで調べると、4本で約1万2000円のショップを発見! 車両への脱着にくわえ廃品タイヤ処理、組み替え(組み込み)・バランス調整も含む。「こんなに安くていいの?」と、思わなくもないけれど、魅力的なプライスだったから勢い申し込んだ。

ショップに出向くと、古いメルセデス・ベンツ「Eクラス」(124シリーズ)のタイヤ交換作業中だった。古い輸入車にも慣れているようで手際が良い。次は、わがカリフォルニア。自らステアリングを握り、交換スペースに動かす。ジャッキアップし前後4本のタイヤを取り外す。「全然、残り溝がないっすね。これだと危ないから今、交換して正解ですよ」と、スタッフが述べる。

純正サイズに絞ると選べるタイヤがほとんどなかった件を伝えると「そうっすよ。もうカリフォルニアでも、サイズは全然ないですからねぇ。いくらでした? 17万円。それは安いですよ。ディーラーで揃えたらもっと高い」とのこと。

ただしディーラーの場合、フェラーリ社の承認マーク付きのタイヤだ。このタイヤは、タイヤメーカーがフェラーリ社と連携し、専用に開発したもの。フェラーリ独自の性能と条件に合わせ、車種に応じて調整。つまり、汎用品とは異なる。ちなみに、今回選んだミシュランのPILOT SPORT 5は、承認マークが無い。だから、ディーラーが扱うタイヤより安価だ。

交換終了後、約1万2000円を支払った。当初の金額と変わらない。かつて某ドイツ車に乗っていたとき、ディーラーでタイヤ交換作業を依頼したところ3万円ほど請求された。そのことをスタッフに話すと「ここだけの話そこのディーラー、普段、ウチにタイヤ交換作業を依頼しますよ」と、衝撃の言葉が。続けて「そこのブランド以外の輸入車ディーラーの作業も多いですよ。スーパーカーもありますね」と、話す。

あのときの3万円のうち、半分以上がディーラーのマージンだったのかもしれない……と、思うとやるせないが、今さらしょうがない。勉強料だ。

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33歳、フェラーリを買う──Vol.4 フェラーリとローンとリセールバリュー29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?33歳、フェラーリを買う──Vol.5 納車29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?33歳、フェラーリを買う──Vol.6 スーパーカーと自動車保険29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?タイヤでクルマは変わる新たに装着したPILOT SPORT 5は見た目からしてカッコいい。サイドウォールが、深みのあるブラックで精悍だ。ほかのメーカーとは異なる色調だったので、調べると「フルリングプレミアムタッチ」と呼ぶデザインを採用。ミシュラン独自の金型技術によって、精緻な凸凹が全周に作られたそうで、これらが光の反射を著しく抑え、より深い黒さを実現するという。

交換後の乗り味は大きく変わった。まず乗り心地は、しなやかさが大幅アップ。これまで凹凸を越えるたびにそれなりのショックを感じたが、一気にマイルドへ。高速道路でのクルージングはとりわけ快適で、いくらでも運転出来そうだ。

ミシュランの公式ウェブサイトには、レーシングドライバーの荒 聖治が「けっこうな段差のある継ぎ目を越えた時、ほかのタイヤだと通過後の姿勢が乱れたり、ステアリングの修正が必要だったりするのですが、このタイヤは『ダンパーが付いているんじゃないか?』と思うくらいヒュッと収まってくれました」と、記されていたが、まさにその通り。ハードなイメージを有するスポーツタイヤのなかにあって、PILOT SPORT 5は実におだやか。街乗り中心の使い方にはピッタリである。

首都高の大きなカーブも不安は皆無。路面をしっかり掴む。モータースポーツからのフィードバックを活かした非対称トレッドパターン「デュアル・スポーツ・トレッド デザイン」などによってグリップ力とコントロール性が増したからだろう。せっかくなら箱根の峠を駆け抜けてみたい。「アネスト ターンパイク箱根」にある大小さまざまなコーナリングが楽しめそうだ。それでいて東京から箱根までの往復路を快適に過ごせるのが嬉しい。現地までがハードだったら、箱根に到着する頃には疲れてしまい、せっかくのコーナリングも楽しめないだろう。

ロードノイズも低減したので、豪快なフェラーリサウンドがより一層楽しめるようになった。ちなみに、PILOT SPORT 5は低車外音タイヤに該当する。これは、国際的タイヤの技術基準で定めた車外騒音基準値を満たすもので、自動車交通騒音の低減に貢献するという。ただでさえフェラーリはエクゾーストノートなどが大きいから、ありがたい。

ミシュランPILOT SPORT 5は、街乗り中心のフェラーリオーナーにぴったりな1本かもしれない。長く付き合えそうな1本となりそうだ。

【過去記事】33歳、フェラーリを買うVol.1 転機はある日、突然やってくる
Vol.2 そのフェラーリ、安くなりませんか?
Vol.3 購入
Vol.4 フェラーリとローンとリセールバリュー
Vol.5 納車
Vol.6 スーパーカーと自動車保険

文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

6件
  • mid********
    乗らないんだからず〜っと残溝3mmのままで車検に通るだろうに。
  • hrr********
    貧乏臭い話が続くな
    ドイツ車ディーラーへタイヤ持ち込み依頼も普通の神経では恥ずかしくてできないや
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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