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受注1万台を突破! 絶好調 新型アウトランダーが心をつかんだワケとは!?

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受注1万台を突破! 絶好調 新型アウトランダーが心をつかんだワケとは!?

 三菱自動車が2021年12月はじめに発売開始したアウトランダーPHEVが好調な販売推移を見せ、月販目標を1000台に設定したのに対して、2022年2月はじめまでの受注累計が1万台を突破したそうだ。

 納期は、2月中旬現在で約半年待ちの8月。今回モデルからガソリンNA車を廃止し、PHEV車に絞った売り方にしたことで、余計に売れている状況にあると考えられる。

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 他社が台数を限定した販売方法をとることが多いPHEVモデルを、いつでも購入することができるようにラインナップしている三菱。新型アウトランダーPHEVでは、これまで三菱でなかった新規顧客も獲得していると言われる。

 そんな新型アウトランダー、人気グレードはどうなっているのか? そして購入している顧客層はどんな感じなのだろうか? 最新の新型アウトランダーの事情をレポートする。

文/岡本幸一郎
写真/Mitsubishi

■どのグレードが人気? 購入者は何が決め手になっているのか!?

 三菱が新たにフラッグシップと位置づけて送り出した新型アウトランダーの販売が好調だ。2021年12月16日の発売に先立ち、10月28日に先行受注がはじまった直後から受注のペースは好調で、3カ月あまりが経過した2022年2月5日の時点で、すでに累計1万台を突破。さらに、3月上旬には1万2000台を超えた。

 販売計画を1000台/月としており、関係者によると、受注が1万台に達するのはゴールデンウィーク頃と発売当初は見込んでいたようだが、3カ月も早く達成したことになる。こうしたキャラの濃いニューモデルというのは、発売直後にはそれなりに売れるものだが、この価格帯の三菱車としては相当なものといえそうだ。

 3月上旬時点での受注の内訳をグレード別でみると、最上級の「P」が実に83%と圧倒的で、次いで「G」の5人乗りが13%、「G」の7人乗りが3%と、エントリーの「M」が1%となっている。

OUTLANDER P。2022年3月上旬時点での受注の内訳をみると、グレード別で最上級の「P」が実に83%と圧倒的である

 「P」は7人乗りのみ、「M」は5人乗りのみの設定なので、新設された7人乗りが86%を占めることになり、やはり初代はガソリン車のみで、PHEVには設定のなかった7人乗りの登場が望まれていたのは明白だ。さらには、最上級の「P」の販売比率が8割超と高いことも印象深い。新型アウトランダーに何が求められているかがうかがいしれる。

 ご参考まで、人気ボディカラーは1位がホワイトダイヤモンド(43%)、2位がホワイトダイヤモンド/ブラックマイカ(18%)、3位がブラックダイヤモンド(12%)となっている。やはり訴求色であることもあってか、ホワイトダイヤモンドの人気が圧倒的に高いようだ。

 年齢層は、まさしくメインターゲットと想定していた40~50代男性が約半数を占めているというが、注目すべきは自銘柄比率だ。

 2月初旬に受注が1万台に達した際にも、新型アウトランダーを購入したユーザーのうち、「今回新たに三菱自動車のPHEVを購入されるお客様」が約8割を占めている旨が報じられたが、自銘柄の買い替えは31%で、他銘柄がなんと69%にも達しているという。

 それだけ積極的にアウトランダーに乗りたい!と思った人が大勢いたということに違いなく、ひいてはそれが予想をはるかに超える初期受注のスピードにもつながったといえそうだ。

 購入者にアウトランダーのどこが気に入って購入を決めたのかを尋ねたところ、

[1]スタイル・外観、内装デザインと、品質、仕上げの良さ
[2]補助金、税制優遇、ランニングコストのメリット
[3]ツインモーター4WDによる走ることの楽しさ、安心感の高い走り

 などという声が聞かれたという。

 我々もこれまで何度か実車に触れて感じたことが、やはり購入者にとっても高く評価されて購入にいたっているようだ。

 なお、納期は3月初旬の時点で5か月~半年を要しており、この調子で受注が伸びていくと、社会情勢の問題もあるため、ひょっとすると伸びるかもしれない。

■好調の要因は性能だけでなく補助金も後押し

 そんなアウトランダーの好調には、いくつかの要因が考えられる。

 まず、新型ではガソリン車を割り切って廃止し、PHEVに絞ったわかりやすい売り方をとったことも、売れ行きには効いていそうだ。

 また、PHEVのようにやや特殊なクルマは、他メーカーでは台数を限定した販売方法をとることが多いところ、三菱では何も制約を設けずいつでも普通に購入できるようにしているのも、買う側にとってはとっつきやすいこともいうまでもない。実はこれも特筆すべきことだ。

 さらには、令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」が増額されて、実質的な購入金額がよりリーズラブルになることも、購入を検討した人の背中を押していることに違いない。

 スタイリングの評判も上々だ。

 同じく大胆にダイナミックシールドを採用したデリカD:5が現在のような顔になることが判明した際には当初とやかく言われたものだが、実際に街中を走るようになると評価は一転して好印象なものになった。

デリカD:5同じく、大胆にダイナミックシールドを採用したアウトランダー。スタイリングの評判も上々だ

 ところがアウトランダーは最初から評価が高いようだ。フラッグシップに相応しく質感を大幅に高めたインテリアの仕立ても申し分なく、購入を決断させるには十分に足るように思える。

 走りについても、そのよさは乗れば誰でもわかる仕上がりだ。ただし、最近では試乗車の配備も整ってきたようだが、プロトタイプの情報解禁が2021年10月で、我々メディア向けの公道試乗会が開催されたのが2022年1月下旬のこと。

 すなわち、まだ一般の方々が試乗できる機会はほぼなかったはずにもかかわらず、公道試乗会が開催された頃に、まもなく受注が1万台に達しそうな旨が伝えられた。

 その1万人近くの人は、非常に評価の高かったプロトタイプの記事を読んで決めた人もいることだろうし、いずれにしても自身で実車に乗る前に購入を決断したということになるが、それでも「欲しい!」「乗りたい!」と思わせる大きな力を新型アウトランダーは持っていたということだ。

 もちろん新型アウトランダーは数字に表れる性能面でも大きく進化しており、それを理解して購入を決めた人も多いことだろう。モーターの出力や駆動用バッテリーの容量が向上し、航続距離は大幅に伸びて、EV走行もカタログ値で83~87kmもの距離を電気だけで走行できるようになった。

 ご存知のとおりPHEVというのは外部からの充電も可能なHEVであり、普段の買い物や通勤などの短い距離であればBEVとして使えて、旅行などロングドライブではHEVのように使える、両車のいいとこどりをしたクルマである。さらには非常時やアウトドアユースで役立つ給電機能も備えている。

 しかもアウトランダーは、急速充電にも対応している。PHEVの急速充電の是非については各社で考え方が分かれるところだが、ユーザーにとっては急速充電もできたほうが便利なことはいうまでもない。

 また、これまでやや三菱が出遅れていた感のあった先進運転支援機能についても、待望の操舵制御が加わり車線維持機能などが搭載されたのも大歓迎だ。インフォテイメント系の機能もアップデートされて大幅に充実した。これまで競合車と比べてやや見劣りしていた部分が一気に進化したのも大きい。そしてなにより7人乗りが用意されことが最大の決め手といえる。

 このように新型アウトランダーは、あえて選ぶ価値をいくつも持った、三菱にとっても渾身の1台だ。今後は徐々に納車が進められていくだろうが、その仕上がりは多くの人にとって予想を超えているはず。高い完成度を味わうほどに、買ってよかったと実感することに違いない。

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