もくじ
どんなクルマ?
ー 標準グレードにかわってW12気筒を搭載
どんな感じ?
ー パフォーマンス向上に合わせて価格も上昇
ー ベントレー流の適度なスポーティー加減
「買い」か?
ー ブランドの個性が表れた芸術
スペック
ー ベントレー・ベンテイガ・スピードのスペック
ランボルギーニ・ウルス 試乗 650ps、86.3kg-mのスーパーSUV
どんなクルマ?
標準グレードにかわってW12気筒を搭載
ベントレーの変化にはなかなかスピード感がる。昨年の初頭までは、極めて高次元で設計され、独占的とも思えるほどの存在感を持つベンテイガを購入する際、V型8気筒ディーゼルと、標準グレードとしてW型12気筒のガソリンモデルが選択肢となっていた。
しかし今はどちらも選択することはできない。ディーゼルエンジンは、ベントレーも属するフォルクスワーゲン・グループによるディーゼルエンジンからのシフト戦略によって、ラインアップから外されている。そしてW型12気筒エンジンのグレードは、新しく登場することになったスピードに置き換わることになった。
加えて、ベントレーとしては60年ぶりとなる6気筒であり、ベントレーの歴史としては初めての、V型6気筒モデルも間もなく登場する予定。こちらにはハイブリッド・システムが搭載される予定だ。
今年のジュネーブモーターショーでのプレス向けの資料には、スピードの登場に合わせて標準のW型12気筒グレードが消滅するという情報はなかったように思う。しかし実際のところ、従来のW12を搭載する標準のベンテイガは、1年前から静かに製造を終了していたわけ。わたしにとってはベントレー・ベンテイガ・スピードは、既存ラインナップへの追加グレードという受け止め方だったのだが、そんなことはないのだった。
とにかく、ベントレーの「スピード」を関するモデルは、パワーアップされたエンジンと、締め上げられたシャシーを備えている。最高出力はW12の611psから635psへと高められ、サスペンションは硬く再設定。スポーツモードの設定も新しくなり、エンジンのマッピングや、トランスミッションの変速、48V電圧で駆動する電動アクティブロールコントロールシステムなどは、よりアグレッシブなものになった。カーボンセラミックブレーキも、オプションとはなるが、選択できる。
それでは走りの変化はどうだろうか。
どんな感じ?
パフォーマンス向上に合わせて価格も上昇
アピアランスの面ではおそらくはじめに気がつく変化は大きなテールスポイラーだろう。確かに存在感を高めてはいるが、エレガントとはいい難いエクステリアデザインを、改善しているとは思えない。さらにスモーク処理されたヘッドライトカバーにボディと同色に塗装された大振りなサイドスカート、特別仕様の巨大な22インチアルミホイール、ブラック・アウトされたフロントグリルに「Speed」と記されたロゴが追加されている。
インテリアは、スウェード調の仕上げが好みの向きには喜ばれそうな、アルカンターラが広範囲に用いられれている。この手の重量級のSUVにとっては、軽量でスポーティなアルカンターラの機能的な部分は期待できないとしても、視覚的にはとても良い。もしマットな風合いがお好みでなければ、追加費用でつややかなレザー仕上げにすることも可能だ。
これだけの装備に必要な金額は、およそ18万2000ポンド(2640万円)ほど。先代のW12エンジンを搭載していた標準グレードから2万ポンド(290万円)近く上乗せとなっている。また現行のV8エンジンを搭載したグレードと比較すると、4万5000ポンド(625万円)も追加資金が必要となる。
もしこの手の大型ラグジュアリーSUVがお好みなら、読者の中ではさほど大きな割合ではないとは思うけれど、ベンテイガ・スピードをきっと気にいるだろう。ランボルギーニ・ウルスよりも0-100km/h加速を短時間でこなす、世界最速のSUVだということを忘れてはいけない。
ベントレー流の適度なスポーティー加減
その時間は3.9秒だが、実は「スピード」のつかないV8のベンテイガとの0-100km/h加速の差はわずか0.1秒。ゴルフ2台分くらいの車重があることを考えると、素のベンテイガも十分以上に速いのだ。ただし、ベンテイガ・スピードは、スピードの付かないかつてのコンチネンタルGTと同じエンジンを搭載していることになる。少しややこしいが、車重の重さはパフォーマンスに表れている。
雷のようなエグゾーストノートに、あふれるトルクを発生させ、エンジン自体は素晴らしい。ベントレーの新しいW12エンジンは、かつてのプッシュロッド式のV8エンジンのような明確なキャラクターを備えるようになってきた。ベンテイガにはそこへZF社製のトランスミッションが組み合わされ、お互いの良さが一層強調されているように思う。
サスペンションの質感も良くなっている。より引き締められたセッティングながら、常にエレガントなベンテイガの乗り心地を崩すようなことにはない。むしろハイスピードでの走りを好むドライバーの中には、車重を考えると、よりカッシリしたしたボディコントロールを望む場面もありそうだ。
ベントレーのエンジニアは、ほどほどのスポーティなフィーリング、というところをあえて狙っている。ベンテイガはスポーツカーではないし、そこを目指してもいない。しかし、ハンドリングはほかの誰よりも良好。その味付けの加減が、クルマの性格としても、ベントレーというブランドとしても、とても調和しているように感じる。
「買い」か?
ブランドの個性が表れた芸術
大型のラグジュアリーSUVに興味を持たない読者の考えを、ベンテイガ・スピードが改めることは難しい。むしろ、一層眉をひそめてこの記事を読んでいるのかもしれない。
反面、このタイプのクルマが好みなら、エクステリアデザインの好き嫌いはあるにしろ、ベントレー・ベンテイガにスピードが追加されたことを朗報に感じているはず。かなりの追加費用が必要となるし、ドライバーズカーと呼べないようなクルマだが、それもいとわないのならば。ベントレーがエクステリアデザインの最適解を模索しているとしても、現状いおいては、従来以上に優れた完成度を得ていることは明確だ。
ベンテイガは、アウディQ8やランボルギーニ・ウルス、ポルシェ・カイエンなどを生み出す、同じ系列会社に属するブランド。しかし、料理が素材だけでなく、料理人の腕にも大きく左右されるように、クルマも生み出されたブランドによって味付けがまったく異なる。
誰よりも力強く、静寂性が高く、快適で、価格も高いベントレー・ベンテイガ。ブランドの個性がはっきりと表現された、芸術作品のようなクルマだといえる。
ベントレー・ベンテイガ・スピードのスペック
■価格 18万2200ポンド(2641万円)
■全長×全幅×全高 5150✕1995✕1755mm
■最高速度 305km/h
0-100km/h加速 3.9秒
■燃費 12.2km/ℓ
■CO2排出量 -
■乾燥重量 2491kg
■パワートレイン W型12気筒5950ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 635ps/5000-5750rpm
■最大トルク 91.6kg-m/1500-5000rpm
■ギアボックス 8速オートマティック
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